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ELFIN'S NOTE

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ケンランマルゴキブリ

「絢爛」華やかで美しいさま。きらびやかなさま。全身にちりばめられたオパールのような輝きがとても素晴らしく、また美しくもありますが、あえて言います。本種も「ゴキブリ」です。本種は、ベトナム原産のゴキブリで体長は21mm程度しかありません。しかし、各体節の表面が構造色によって美しく彩られており、まさに「絢爛」の名にふさわしい種です。おまけに色の出所が構造色ということは、タマムシやモルフォチョウの翅と同じで、体表の構造が物理的に破壊されない限りこの美しさが永遠に保たれるということでもあります。幼虫もほぼ同じ外観をしており、危険を感じるとダンゴムシのように丸くなるため、見方によると大きなメタリックのダンゴムシという感じです。なお、国内でもニジイロゴキブリやエメラルドジュエルローチの名でペットとして流通しています。ケンランマルゴキブリ　Corydidarum magnifica　ゴキブリ目オオゴキブリ科　2018年8月4日　東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本

Jun 9, 2020

閲覧総数 251
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ヨコヅナサシガメ

漢字では「横綱刺亀」。横綱の名の通り大きなサシガメで、中国、インドシナ半島、インド原産の外来昆虫です。体長は、16～24mm、体色は光沢のある黒色で、直立した長い毛に覆われています。各脚の基節と腹端2節は鮮やかな赤色をしています。成虫では腹部結合板が大きく広がり、白地に大きな黒斑が入ります。頭部も黒く、細長く突出します。サシガメの名前は、鋭い口吻を毛虫などの昆虫やクモ類に刺して体液を吸収することに由来していますが、手に取ったりすると人も刺すことがあり、刺されるととても痛いので注意が必要です。本種は積極的に人の血を吸うことはありませんが、南米のほうには、吸血性のサシガメがいて、それに刺されると病気にかかることもあるそうなので、外国に行くときは特に注意してください。なお、やはりカメムシなので、刺激を与えると臭いにおいを出す習性は、他のカメムシと同様です。本種の幼虫は、数十から数百匹で集団越冬することが知られており、特に桜の木の幹のへこんだところや樹皮の隙間などで見ることができます。ヨコヅナサシガメ　Agriosphodrus dohrni　半翅目（カメムシ目）サシガメ科　2007年11月3日　東京都調布市佐須町

Feb 20, 2020

閲覧総数 1140
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ネコハグモ

葉上に天幕状の網を造るため「ハグモ」とよばれます。但し、広葉樹の葉上に網を張るだけでなく、家屋周囲の壁や塀にボロ網を張ることも多いです。葉上に造る網は隙間が多く、虫が採れそうに見えませんが、実際に小さい虫が捕えられているのを見ると、すごいものだと感心してしまいます。体長は、雄で3～4mm、雌で4～5mmと小さなクモで、体色は暗褐色で白い毛が生えており、腹部は茶褐色で周囲が白い毛で覆われています。ちなみに、種小名に「felis（ラテン語でネコ）」と名付けられており、和名の「ネコ」はここからきています。体を覆う毛が、ネコのモフモフ感に通ずるものがあったのでしょうか。ネコハグモ　Dictyna felis　クモ目ハグモ科　2007年11月3日　東京都調布市八雲台

Apr 26, 2020

閲覧総数 189
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水辺の楽校　開催案内

アドベンチャー　IN　多摩川２０１6調布水辺の楽校　を開催します。【開催日時】：２０１６年８月１１日（木・祝）９：００～１１:３０【開催場所】：多摩川多摩川原橋下流【集合場所】：多摩川原橋下流の河川敷(「水辺の楽校」水色のぼり旗が目印です)【参加対象】：市内20 小学校の4 年生以上の親子ペア【定員】：５０組（親子ペアで）【参加費】：一人４００円（保険代。大人も子供も同額）当日集金します。【タイムスケジュール】： 8：45 受付開始9：00 挨拶。内容説明。安全講習。9：20 川流れ体験10：30 投網と生き物調査11：30 解散【持ち物】：川用の靴（古靴で構いません）、帽子、タオル、着替え、水筒。ライフジャケットを持っている人は持ってきてください。※ 親子とも全身川に浸かりますので「水着の上にシャツと長ズボン（ジーパンは×）」「クツは磯遊びシューズまたは古くなった脱げにくい運動靴（ひも靴は×）等で参加してください。子供も大人もサンダル類では川に入れません。川に入る準備をしてきて下さい。終了後の着替えはテントを準備します。【雨天】：布田小学校理科室（前日正午の天気予報で決定。また、晴天でも川が増水している場合中止になることもあります）メールまたは電話で連絡致します。【主催】：調布水辺の楽校【協力】：布田小学校おやじネット【問合せ】：SWC 事務局杉山典子（すぎやまのりこ）042-488-4863 （携帯090-4737-8135）調布市環境政策課042－481－7086【集合場所への行き方】自転車の場合：多摩川の土手を来て下さい。京王線鉄橋より４００m 程上流です。電車の場合：京王線「京王多摩川駅」下車。高架沿いに多摩川に向い信号を渡ると河川敷です。上流に水色の旗が見えるので、そこまで来て下さい。車の場合：なるべく避けて下さい。河川敷への車の乗り入れは許可が必要で台数も限られます。どうしてもの場合は事前に事務局までご連絡下さい。＊雨天時の布田小学校へは、調布駅から歩けますが、バスは調布駅南口から「多摩川住宅西」行きに乗り、「電通大グランド前」で降り、グランドとは反対側に歩くと学校が見えてきます。

Aug 5, 2016

閲覧総数 805
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キノコボヤ

キノコみたいな形をしたホヤでキノコボヤ。マメボヤ目に属する群体ボヤの一種で、淡淡みたいな一つ一つが一個体の個虫です。浅海の岩などに付着しています。そもそも、このホヤの仲間、脊索動物門という、人間と同じ動物門に属しています。一見すると、外見上、全くといっていいほど人間との類似点が見いだせないのですが、幼生期に、発生の過程で最初に現れる体の軸を作る構造である「脊索」を持つことで、脊椎動物である人間と系統的に近いとされています。キノコボヤ（マメボヤ目ヘンゲボヤ科　沖縄県西表島2004年7月16日）キノコボヤ（マメボヤ目ヘンゲボヤ科　沖縄県西表島2004年7月16日）

Feb 7, 2016

閲覧総数 168
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コガネキヌカラカサタケ

全体が鮮やかな黄色のカラカサタケの仲間。熱帯性のキノコで、リニューアルした神代植物公園の温室内で相変わらずにょきにょきと発生しています。食毒不明となっていますが、個人的にはあえて試してみたいとも思いません。実は、それほどキノコは好きではないので・・・。コガネキヌカラカサタケ（ハラタケ目ハラタケ科）東京都調布市神代植物公園/2016年8月13日

Aug 13, 2016

閲覧総数 2782
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タイワンリス

ネズミの仲間とくくられる齧歯目にはネズミ科やヤマアラシ科など様々な科が含まれますが、リスの仲間がまとまっているリス科も齧歯目の一員です。そんなリスの仲間の中から、まずは本種。台湾が原産地なので「タイワンリス」。中国からマレー半島にかけて広く分布する「クリハラリス」の台湾固有亜種であるリスの一種です。日本国内でも、移入個体が伊豆大島や神奈川県の鎌倉市をはじめあちらこちらで見かけるようになり、在来のニホンリスと競合したり、コゲラやカラ類などの小鳥類の巣を荒らしたりするため、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律（外来生物法）」による「特定外来生物」に指定され、飼育や生きたままの移動などが法的に禁じられています。一般的には低山帯から亜高山帯にかけての常緑広葉樹林に生息していますが、市街地の緑地や公園、寺院や神社の鎮守の森などでも姿を見ることができ、台湾では台北市内中心部にある公園の樹林地でも普通に見ることができます。頭胴長20～22 cm、尾長17～20 cm、体重360 g程度とニホンニスより一回りくらい大きくなります。短い体毛をもち、背面は灰褐色、腹部は淡褐色または赤褐色を呈し、さらに背面には黒と黄土色の毛が混じります。なお、今回挙げた写真は、台湾の公園で撮った由緒正しい台湾産の野生の個体です。タイワンリス　Callosciurus erythraeus thaiwanensis　齧歯目（ネズミ目）リス科　2009年7月1日　中華民国（台湾）台北市大安森林公園

Jan 12, 2020

閲覧総数 179
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コアオマルガタゴミムシ

マルガタゴミムシの定番といっていいほど、よく見かける種です。青緑色の金属光沢のある小さな丸い体か特徴です。また、触角、口ひげ、肢は黄褐色です。石の下にいることも多いですが、結構で歩いていることも多く、天気のいい日は割と目につきます。この仲間は、体形が似ているため、属までは簡単にたどり着きますが、似た種も多く、その先で苦労することも多いです。コアオマルガタゴミムシ（コウチュウ目オサムシ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）

May 2, 2016

閲覧総数 293
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ワカケホンセイインコ

今日から２月。あっという間に１月が終わり、1年の12分の1が過ぎてしまいました。というわけで、今月は、「調布市の生物（外来種編）」でいってみたいと思います。まずは、ワカケホンセイインコ。漢字では「輪掛本青鸚哥」と書かれるインコの仲間です。ホンセイインコの亜種で、雄は首周りにワカケの由来となった黒帯が走るのが特徴です。全長約40cmと比較的大きなインコです。体は全身緑色で、雄の成鳥には喉から首にかけて広い黒帯が走り、首の後ろは細い桃色の帯となります。本種は、ペットとして飼われていた個体が逃げ出し野生化するいわゆる「籠抜け」と呼ばれる行為に起因する外来種に該当します。日本国内への侵入は1969年といわれており、来日してからちょうど半世紀が経過したところです。羽を広げて飛ぶ姿は、十字型のシルエットを呈し、わかる人にしかわからない「艦これの龍驤の式神型の艦載機」を彷彿させます。本来の分布は、インド，パキスタン，スリランカですが、日本だけでなく世界各地でペットとして飼育されていたものが逃げ出し、分布を広げています。公園の樹木や人家の庭木，大木が残る神社や寺の樹林地に生息し、高さ20m以上のケヤキの樹洞等に営巣します。なお、本種は、在来の樹洞性鳥類と営巣場所を巡る競合の可能性がある他、電柱への営巣による漏電事故、原産地では農作物への被害が報告されているため、国内でも農作物を荒らすのではないかといった影響が懸念されています。ワカケホンセイインコ　Psittacula krameri manillensis　オウム目インコ科　2017年2月18日　東京都調布市入間町

Feb 1, 2020

閲覧総数 291
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キハダエビグモ

昨日は「カニグモ」でしたが今日は「エビグモ」。樹木の樹皮の裏などに見られる小型で扁平なクモです。体長は、雄で4～6mm程度、雌で5～7mm。雌は、キハダガナニグモと同様に、樹皮と似た模様をしているので見つけにくいですが、雄は、写真のように黒っぽいため、雌に比べると見つけやすいです。なお、エビグモ科のクモは、以前はカニグモ科に含まれていましたが、カニグモ類と比較して体が縦に長くなる種類が多いため、カニではなくエビと名付けられたようです。キハダエビグモ　Philodromus spinitarsis　クモ目エビグモ科　2016年4月24日　東京都調布市佐須町　神明宮

Apr 7, 2020

閲覧総数 145
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カサガイ

漢字では、「笠貝」または「傘貝」と書きます。広い意味では、傘状の殻を持つ仲間の総称として用いられますが、今回紹介するのは、狭義のCellana mazatlandicaに与えられた和名の種の方です。本種は、殻長9cm、殻幅6cm、殻高5cmに達する大型のカサガイ（広義）の仲間です。貝殻は、その名のとおり傘型で、成体では正に傘の骨のように放射肋が発達するのが特徴です。岩礁海岸の潮間帯に生息し、岩の表面の微細藻類などの微生物を歯舌で掻き落として餌にしています。また、本種は小笠原諸島の固有種であることでも知られており、海産貝類では唯一の国の天然記念物にも指定されているため、無許可での採集が禁止されています。カサガイ　Cellana mazatlandica　カサガイ目ヨメガカサ科　2010年6月27日　東京都国立科学博物館　展示標本

Oct 16, 2020

閲覧総数 155
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ナメダンゴ

北海道沿岸からオホーツク海の冷たい海に生息するダンゴウオの仲間です。体長5cmほどの小さな魚で、岩や海藻の隙間に生息しています。お腹には、吸盤があり、これでしっかりと岩や海藻にくっついています。冬の海水温が0℃になる頃、岩のくぼみに産卵し、雄がふ化まで卵を外敵から守ったり、水流を当てたりして保護する「育メン魚」でもあります。ナメダンゴ　Eumicrotremus taranetzi　カサゴ目ダンゴウオ科　2009年1月4日　東京都港区高輪4丁目エプソン品川アクアスタジアム

Feb 11, 2021

閲覧総数 122
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オオシマカラスヨトウ

「ちょうふしぜんフエスタ2」無事に終えることができました。私も昆虫類等の展示解説で１ブースをいただき、30種近くの生き物を展示しました。その中の一つが本種です。漢字では「大縞烏夜盗」と書きます。縞模様のある大きなカラスヨトウという意味です。成虫は夜行性で、クヌギヤコナラの樹液に飛来します。木の幹に静止していることが多いためか、成虫の前翅は地味で目立ちにくい色と模様をしています。一方、幼虫は、写真の通り鮮やかな黄緑色で、気門に沿って入る黄色い線と、お尻の部分が山のように盛り上がっているのが特徴です。一般的に、芋虫。毛虫の類は嫌われていることが多いのですが、今日は、来てくれたお客さんに「きれいな青虫」と呼ばれながらとても人気でした。幼虫は、エノキやサクラなどの葉を餌にしており、それらの樹種にしてみれば害虫には違いありませんが、それでもきれいな芋虫だと思ってしまいます。オオシマカラスヨトウ　Amphipyra monolitha　鱗翅目ヤガ科　2022年5月5日　東京都調布市深大寺南町２丁目深大寺自然広場

May 5, 2022

閲覧総数 197
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オキナガレガニ

一見すると、何の変哲もないただのカニ。しかし、その辺にいるカニと何が大きく違うかといえば、そのヒントは名前にあります。漢字で書くと「沖流れ蟹」、英名を「Ocean drifting crab」といいます。本種は、甲幅2cm程度の小さなカニですが、海藻や流木、軽石、ウミガメ、クラゲなどについて海洋上を漂流して生活しています。そのため、歩脚が幅広く、羽状毛の縁どりがあるため、自らも泳ぐことができます。本種は、太平洋からインド洋にかけて広く分布していますが、実は、大西洋にも本種の近縁種であるPlanes minutusが分布しており、大西洋ではこのカニの仲間は「コロンブスガニ（Columbus crab）」と呼ばれています。これは、コロンブスが1492年第1回航海の末期、サルガッソー海で、船にまつわりついた海藻についているこのカニをみつけて、陸が近いと乗組員を励ましたという逸話に由来しています。ただし、前述したように、普段陸地にはおらず、本当は漂流生活をするカニなのでこの励ましは出任せだったと考えられており、この話が本当であれば嘘も方便とはよく言ったものだと感心してしまいます。オキナガレガニ　Planes major　十脚目（エビ目）イワガニ科　2019年12月29日　静岡県沼津市西浦江梨大瀬崎

Aug 13, 2020

閲覧総数 357
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アオヒゲナガトビケラ

翅が黒く角張り、目が赤い独特な形状をしたトビケラの仲間。特に眼の付け根から伸びる鎌のような小顎肢がよく発達しており、黒と白の触角と合わせて、本種の独特な雰囲気を出しています。大きさは体長6～7mmと小さいのですが、独特の外部形態が宇宙人的でかっこよいです。アオヒゲナガトビケラ（トビケラ目ヒゲナガトビケラ科　東京都調布市染地/2016年4月23日）

Apr 25, 2016

閲覧総数 120
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ヒメクジャクゴケ

この仲間は、うちわ状に左右に平たく広がった葉をと中央部から伸びたさく柄を、クジャクが羽根を広げた姿に例えて「クジャクゴケ」と名付けられました。今回紹介するヒメクジャクゴケは、日本全土に分布しており、主に湿った岩上や朽木上に生育しています。草丈１～２cmとクジャクゴケよりもやや小さく、成熟するとさく柄の色がわら色になる点で、これが赤色のクジャクゴケと区別できます。ヒメクジャクゴケ（アブラゴケ目クジャクゴケ科　山口県大正洞/2007年9月8日）

Feb 3, 2016

閲覧総数 226
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パカ

ローランドパカとも呼ばれるメキシコ中部からブラジル南部にかけて分布する大型の齧歯目で、5つの亜種に分けられています。体はずんぐりしていて、脚は前後とも短く、おまけにしっぽも短いのが特徴です。体の地色は褐色または黒色で、体上面には小さな白色斑が４列縦に並びます。そのため、一見、ウリ坊にも見えてしまう不思議な生き物ですが、指を見ると確かにネズミの仲間だなと実感します。頭胴長50～80cm、尾長１.3～3.5cm、体重5～14kgと、カピバラには及びませんが結構大型です。。森林の水辺に生息し、地上性ですが、泳ぎがうまく敵に襲われると水に飛び込んで泳いで逃げたりもします。植物食で、葉っぱや茎、地面に落ちた果実などを餌にしています。ちなみに齧歯目ですが、繁殖は年2回、1産1仔と、そんなに繁殖力旺盛というわけではありません。パカ　Cuniculus paca 　亜種不明　齧歯目（ネズミ目）パカ科　2006年8月26日（伊豆シャボテン動物公園飼育個体）

Jan 17, 2020

閲覧総数 184
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サカマキガイ

一般的に巻貝の仲間の殻は、右巻きが多いといわれています。そんな中でも、左巻きが正常な状態である種というものがあります。そのような「殻が左巻き」の内の一つがこのサカマキガイです。漢字で書くと「逆巻貝」で、まさしく右巻きの逆という意味で名付けられました。本種は、殻高10mm前後、殻径5mm前後の紡錘形の左巻きの殻を持ち、触角が細いのが特徴です。原産地は北米ですが、水草などに付いて世界各地に移入・帰化しており、最初に記載されたのもヨーロッパ産の個体によります。富栄養の止水環境に生息するため、生物学的水質指標では、強腐水性（大変きたない水）の指標とされています。なお、本種は肝蛭など吸虫類の中間宿主となることが知られており、わざわざ食べることは無いとは思いますが、念のため、触った後は手を洗うようにしてください。サカマキガイ　Physa acuta　有肺目（マイマイ目）サカマキガイ科　2010年10月23日　東京都調布市佐須町　野川

Feb 14, 2020

閲覧総数 345
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チリグモ

写真にスケールが入っていないため、わかりにくいですが、この個体で体長2.5mm程度です。塵のように小さい蜘蛛なので「塵蜘蛛」と名付けられました。家屋の天井や石灯篭、ブロック塀などの隙間にボロ網を造ってそこに住んでいます。このボロ網の周囲には放射状に糸が張られており、これに触れた獲物を捕えて餌にします。とはいへ、捕食する本体が2.5mm程度なので、かかる獲物もその程度がそれ以下ということで、実際にその目で見ることは、よほど計画的に観察しないと難しいでしょう。チリグモ　Oecobius navus　クモ目チリグモ科　2017年9月23日　東京都調布市上石原　西調布駅

Apr 4, 2020

閲覧総数 376
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イエユウレイグモ

身体や脚が細長く全体に白色を帯び、暗所に生息することが、「幽霊」を連想させるためユウレイグモと呼ばれます。その中でも本種は、主として家屋内に生息しているため「家幽霊蜘蛛」と名付けられました。本種の成体は、一年中見られ、天井や壁の隅などに網を張ってコバエなどを捕食する益虫です。しかし、この網がいわゆる不規則網とよばれるボロ網であり、コバエやチャタテムシ、ダニなど微小な虫の天敵であるにもかかわらず、これらの死体やほこりがつくため不快がられた挙句、スス払いの対象になってしまうというちょっとかわいそうなクモです。なお、産卵期は6〜8月で、成体は30〜40個の卵を糸でくるんだ卵嚢を口に加えて保護する習性があります。体長は8～10mm程度ですが、脚が長いため、全体として大きなクモという印象があります。蛇足ながら、英語ではザトウムシと一緒くたに｢daddy long-legs（あしながおじさん）」と呼ばれています。イエユウレイグモ　Pholcus phalangioides　クモ目ユウレイグモ科　2017年2月12日　東京都調布市染地2丁目　調布市多摩川自然情報館

Apr 20, 2020

閲覧総数 2246
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ミミックオクトパス

英語の綴りは「Mimic octopus」。直訳すると「真似をするタコ」となります。熱帯地方の海域に生息する比較的小型のタコで、腕を広げた大きさは最大で60 cm程度になります。本来の体色は明茶褐色ですが、擬態を行う際は白と茶色の縞模様になります。本種のすごいところは、複数種類のベイツ型擬態を行うところにあります。これまでに、ミノカサゴやウミヘビ、カレイやヒトデ等々、多くの擬態が報告されています。生き物の多くは、色彩変化はあるにしても外観を変えるのは結構困難です。しかし、タコの仲間である本種は、体がやわらかいため、外観をそれらしくみせたうえで、さらに擬態元の生物に似させるため、行動までも真似することが知られています。ミミックオクトパス　Thaumoctopus mimicus　八腕形目マダコ科　2010年8月7日　東京都豊島区東池袋サンシャイン国際水族館

May 21, 2020

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ニコニコゴキブリ

いよいよ６月に突入し、今年前半戦も最後の月となりました。いかにも梅雨っぽくて、じめじめ鬱陶しい時期ですが、今月の特集は、なんと「ゴキブリ」。ただでさえ多くないアクセス数の減少の危険性すら省みず、あえて踏み出すこの一歩。とまあ、くだらない前置きはさておき、多くの方から敬遠されるゴキブリ。分類的には、ゴキブリ目に属する昆虫類の内、ゴキブリ亜目とオオゴキブリ亜目に含まれるものをいわゆる「ゴキブリ」と総称しています。ゴキブリと呼ばれるものは、全世界で約500属4400種以上に達しています。なお、蛇足ながら、近年の研究により、このゴキブリ目には、3000種に達するシロアリの仲間が含まれるという説が主流になっています。このように多くの種を含んているゴキブリの仲間ですが、実は、みんなから嫌われる家屋害虫となる種類は全てのゴキブリのうち１%にも満たないといわれています。残りの99％の種はどうしているかというと、野外でひっそりと暮らしており、落ち葉などの分解者などとして、生態系の中で重要な役割を果たしています。実は、昨年開催された「サイエンス・アゴラ」の生物多様性保全協会のブースで、ゴキブリの小特集が組まれ、そこの展示の二番煎じ的な特集ですが、せっかくの機会なので普段目にする機会の無い種類を含めて紹介していきますので、きも怖いもの見たさの方もぜひご覧ください。まずは、一応とっかかりということで、まがいなりにも気を使って「ニコニコゴキブリ」。名前の由来は、見てお分かりのとおり、翅の模様からきています。（現地で本種を見つけた丸山宗利先生が名付けられました。）シルエットこそまさにゴキブリ体形ですが、体色の薄青緑色といい、背面の青い眼をしたにこにこマークといい、ゴキブリの中では、かなりおしゃれな方だと思います。おまけに途中に白抜きが入る触角が、かなりのこじつけではありますが、リボンを付けたツインテに見ようと思えば見えたり、見えなかったりして・・・。本種は、体長24mmと、大きくはないですが、科としてはオオゴキブリ科に属しています。フランス領ギアナの熱帯雨林に生息しています。ニコニコゴキブリ　Panchroa regalis　ゴキブリ目オオゴキブリ科　2018年8月4日　東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本

Jun 1, 2020

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オオメンガタゴキブリ

「大面型ゴキブリ」。オオメンガタブラベルスゴキブリやブラベルスオオゴキブリなどとも呼ばれる世界最大のゴキブリで、体長は75mmに達します。中南米に分布し、ジャングルの林床に生息しています。名前のとおり、胸部背面の模様が人の顔に見えますが、個人的には「宇宙人」を彷彿としてしまいます。なにせ、子供のころに見た「３ｍの巨大宇宙人」の挿絵になんか似ている気がしてしまい、気になり始めると、もうそれにしか見えなくなってしまうというそんな感じです。体こそ大きいですが、落ち葉の下などに隠れて暮らす無害なゴキブリです。オオメンガタゴキブリ　Blaberus giganteus　ゴキブリ目オオゴキブリ科　2018年8月4日　東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本

Jun 4, 2020

閲覧総数 612
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ヨロイモグラゴキブリ

「ヨロイ」「モグラ」「ゴキブリ」。３個の異なるものの名前を単にくっつけただけです。鎧を着た感じで、モグラの様に地中で生息するゴキブリという意味です。オーストラリア原産で、体長8cm、体重35gに達する世界で最も体重の重いゴキブリです。日本に生息するオオゴキブリと同じオオゴキブリ科の種で、生態も生息環境が地面か朽ち木かぐらいの違いです。また、寿命も10年近くと長生きであり、ペットとしても流通しています。ヨロイモグラゴキブリ　Macropanesthia rhinoceros　ゴキブリ目オオゴキブリ科　　2018年8月4日　東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本

Jun 21, 2020

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ワモンゴキブリ

この前紹介したコワモンゴキブリの兄貴分のようなゴキブリです。コワモンゴキブリと比較して、体が大きなことと、肩の部分に黄色の部分が見られないことが区別点になっています。アフリカ原産とされており、世界中の熱帯から亜熱帯に広く分布し、国内でも沖縄から南西諸島にかけてや小笠原諸島などで見ることができます。主に地下室や下水道、共同溝などに生息し、屋内にも侵入してきます。なお、体長は48mmに達し、屋内で見られるゴキブリの中では最大となります。ワモンゴキブリ　Periplaneta americana　ゴキブリ目ゴキブリ科　2004年7月16日　沖縄県八重山郡竹富町字南風見仲

Jun 28, 2020

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トヤマエビ

漢字で書くと「富山海老」。富山県で採集された標本に基づき記載されたため、このように命名されました。タラバエビ科の中では大型の種類で、体長が25cmを超える個体もいます。本種は、日本海の全域からベーリング海にかけて生息する冷水性の種で、水深100〜400ｍに生息しています。生きている時は淡紅色で、頭胸甲側面には不規則な斑紋、腹側に赤褐色の横じまがあるのが特徴である他、額角は前部が上にそり、頭胸甲長の1.5倍あるのも特徴です。食用として底引き網やえびかご網により捕獲されています。その際、一般名の「ボタンエビ」の名で流通しますが、本当の標準和名「ボタンエビ」というエビがほかにいますので注意してください。トヤマエビ　Pandalus hypsinotus　十脚目（エビ目）タラバエビ科　2006年5月27日　石川県鳳珠郡能登町字越坂　のと海洋ふれあいセンター

Jul 14, 2020

閲覧総数 159
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サナダミズヒキガニ

さて、いよいよ８月に入り、待望の梅雨明け。なんだかんだで、７月はエビだけの紹介で終わってしまったため、引き続き十脚目シリーズ第２弾。今月は「カニ」でいってみたいと思います。こうしてみると、何気に写真を撮っているようで、エビだけで31日持つとは思いませんでしたが、数えてみるとカニも一月くらい大丈夫そうなのでとりあえずチャレンジ。最初は、サナダミスヒキガニ。ミズヒキとは「水引」のことで、祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りで贈答品の包み紙などにかける紅白や黒白などの帯紐を指します。ミズヒキガニの脚は非常に細長く、太さは1mm程度しかありません。また、紅白の帯が交互に入るため、この足の様子を水引に例えたのが名前の由来です。水深30～300ｍの砂底～砂泥底に生息していますが、甲羅は１cm程度であることに比較して脚は広げると10cmを超え、さらに眼柄が長く眼が飛び出ているなど、なぜこのような体形になったのかとても気になります。そもそも、これが網に入っていたところで、いったい誰がカニと思うのか・・・。なお、写真で上に上がっている2本の脚は、一番後ろにある第5脚で、歩脚の中で最も細く、通常、歩行のためには用いられず主にバランスをとるために使われているものと考えられています。底引き網などで漁獲されますが、この体形のため、五体満足の個体がなかなか手に入らず、いい標本が入手できないのが悩みです。サナダミズヒキガニ　Latreillia valida　十脚目（エビ目）ミズヒキガニ科　2020年8月1日　神奈川県横浜市金沢区八景島横浜・八景島シーパラダイス

Aug 1, 2020

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ツツミガイ

漢字で書くと「包貝」。房総半島・九州西岸以南から沖縄・台湾にかけて分布する巻貝です。水深10~50ｍの砂質底に生息しています。横から見ると、平べったくなっていますが、こう見えてもツメタガイなどと同じタマガイの仲間です。近年、個体数が減少し、環境省をはじめとするレッドリスト入りとなってしまいましたが、神奈川県の藤沢市から鎌倉市にかけては、殻がよく打ち上げられており、そこそこの数の貝殻が打ち上げられています。ツツミガイ　Sinum planulatum　吸腔目タマガイ科　2020年9月21日　神奈川県鎌倉市　由比ガ浜

Oct 9, 2020

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ヒメルリガイ

漢字では「姫瑠璃貝」と書きます。その名のとおり、多くの個体が殻高が1cmに満たない小さくてかわいらしい瑠璃色をしたきれいな貝です。本種が属するアサガオガイ科はとても変わった仲間です。というのは、本科の貝は、浮遊性で、自分で出した粘液で泡のいかだを作り、それにぶら下がって海面を漂って暮らしています。潮の流れに乗って移動しながら、同じように海面を漂うギンカクラゲなどの海綿に浮かぶクラゲを餌にしています。そのため、毎年秋の台風シーズンになると、波とともに打ち上げられたクラゲに混じって本科の貝を見ることができます。ちなみに、本種の他、ルリガイやアサガオガイ等、殻が青い貝の他、ブルードラゴンとも呼ばれる浮遊性のアオミノウミウシ、ギンカクラゲやカツオノエボシなどのクラゲなど、なぜかこの時期、青色を基調とする生物の打ち上げを多く見ることができます。ヒメルリガイ　Janthina umbilicata　吸腔目アサガオガイ科　2019年10月5日　神奈川県鎌倉市材木座海岸

Oct 26, 2020

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アカクラゲ

漢字では「赤水母」と書きます。その名のとおり傘か赤く、放射状に赤い筋が入っているのが特徴です。美しいクラゲですが、触手には毒があり、刺されると大変痛みます。さらに、このクラゲが乾燥すると毒をもった刺糸が舞い上がり、これが人の鼻に入るとくしゃみを引き起こすため、「ハクションクラゲ」という別名も持っています。傘径が15cm程度の中型のクラゲで、傘の内側から伸びる口腕は、長いもので１ｍに達します。アカクラゲ　Chrysaora pacifica　旗口クラゲ目オキクラゲ科　2020年11月14日　東京都豊島区東池袋3丁目　サンシャイン水族館

Nov 20, 2020

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アオウミウシ

漢字で書くと「青海牛」。その名のとおり、体色が青いのが特徴です。加えて、背面の縁取りが黄色く、また背面正中線の触角の間から外鰓の前まで、それにその後ろにも黄色い線があります。触角と鰓は赤く、色鮮やかなウミウシです。ウミウシといえば本種を思い浮かべるほど、メジャーかつスタンダードな種です。体長は30mm程度と小型の種ですが、子供のころ見た図鑑ではなかなか大きさのイメージがわかず、大人になって初めて生体を見た時はあまりの小ささにショックを受けたものです。本種は餌としてクロカイメンを食べます。アオウミウシ　Hypselodoris festiva　裸鰓目イロウミウシ科　2007年7月1日　神奈川県横須賀市鴨居４丁目　観音崎自然博物館

Dec 5, 2020

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リードバック

南部タンザニア、アンゴラよりボツワナ、南アフリカ北部等、アフリカ南部に広く分布し、川や湖沼等の水辺の草原に生息するレイヨウの仲間です。体毛は淡黄色から灰褐色で腹部の白との境界は不鮮明です。前肢の黒い斑紋と耳の付け根の分泌線が特徴であり、インパラとはこれで識別できます。また、角は外に広がりながら前方へ緩くカギ型に曲がるのが特徴です。リードバック　Redunca arundinum　鯨偶蹄目ウシ科　2010年7月31日　東京都台東区上野公園国立科学博物館　展示剥製標本

Jan 15, 2021

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ウケグチノホソミオナガノオキナハギ

生き物の名前を覚えるということは、人によっては何かの修行に匹敵するくらい大変なものです。特に長い名前は、どこで区切るかということと、名前を構成している単語が何を意味しているかという２点をクリアできないと、謎の呪文を唱えてしまうことになります。本種の和名を覚えるコツは、ただ一つ。俳句を覚えるのと同じ要領で、「五・七・五」で区切って覚えることです。漢字で書くと「受け口の」「細身尾長の」「翁剥」となります。その由来はというと、口が上向きで「受け口」となっており、身体が細く、尾が長く、「翁」の顎髭のように見える突起が口の下に生えているカワハギの仲間ということであり、ある意味懇切丁寧に、これでもかというほど本種の特徴をわかりやすく示しています。この「五・七・五」の文節で区切って何回か和名を唱えていると、自然に脳裏にこびりついてしまうこと請け合いです。遠目に見ると、ヘコアユそっくりですが、本種は大きさが最大で35cmになる大型の魚類であり、近くで見ると違いは明らかです。海草やムチヤギ、海綿などに頭を下にして寄り添っていることが多く、擬態していると考えられています。ただ、本種が日本に分布していないということもありますが、生態等はほとんど解明されていない謎の魚です。なお、本種の和名は、魚類の名前では最長といわれており、覚えておくと、何かしらのトリビアとして活用する日が来るかもしれません。さらに蛇足ですが、本種の名付け親は、尼岡邦夫北海道大学名誉教授です。命名時に、当時最長の和名を持っていたミツクリエナガチョウチンアンコウを超えたいという気持ちと、さらに俳句を意識し覚えやすくすることを念頭に置いておられたとのことで、実のところ、下の句の「七・七」分「オマエソレデモカワハギカ（字足らず）」もご用意されていたとのことですが、さすがに長すぎるとのことで不採用にされたそうです。しかし、生き物を研究して人たちの多くは、このような遊び心を持ちながら研究している人が多く、話をしているととても楽しく、知らず知らずのうちに引き込まれてしまうため、「沼」が底なしな上に、わざわざはまりに行くというのが納得できます。ウケグチノホソミオナガノオキナハギ　Anacanthus barbatus　フグ目カワハギ科　2020年7月23日　東京都豊島区東池袋３丁目サンシャイン水族館

Feb 8, 2021

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キイロテントウゴキブリ

オレンジ色の地色に黒い水玉模様、テカテカした上翅、丸くて立体感のあるフォルム。触角が長いことに気づかなければ、大きさといい、色彩といい、どこからどう見てもテントウムシそのものであり、これを初見でゴキブリと思う人は、ちょっと変わり者かもしれません。テントウムシはたいてい有毒で、苦い汁を出すため、真似する昆虫は多いのですが、丸山宗利先生が現地で採集されたテントウムシの配色と形状が、まさに本種のものでした。実のところ、先月に特集した「擬態」のコーナーで何度も取り上げようとしたものの、今日のためにと自分に言い聞かせて我慢したくらいの見事な擬態です。なお、英名も「ladybug-mimicking cockroach」と、テントウムシをまねたゴキブリという意味です。それにしても、ゴキブリがみんなこんな外観であれば、ここまで嫌われなかったのではないかと思う今日この頃です。キイロテントウゴキブリ　Prosoplecta sp.　ゴキブリ目ゴキブリ科　2018年8月4日　東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本

Jun 6, 2020

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ケニアボンゴ

東アフリカから西アフリカにかけて分布するボンゴの亜種で、森林地帯に単独あるいは少数の群れで生活しています。本種の特徴として、大きな耳を持っているほか、雌雄とも角を持ち、その長さは80～100cmにも達します。大きな角を支えるだけあって、体長170～250cm、体高110～130cm、体重210～405kgとそれなりの大きさです。また、黄色がかった赤褐色の体に10本ほどの白い縞模様科入りますが、この縞模様は深い森での保護色になっており、その姿を見つけにくくしており、別名「森の魔術師」とも呼ばれています。ちなみに、世の中には「世界４大珍獣」と呼ばれる動物がいます。「世界３大珍獣」と呼ばれているのはジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバの３種ですが、４大珍獣の場合、本種（ボンゴ）が加わります。さらに、「世界5大珍獣」というものもあり、この場合はカモノハシが追加されます。なお、本亜種は、100頭前後の個体数しか残っていないため、「IUCN Red List」においても「絶滅危惧ＣＲ（深刻な危機）」に選定されています。ケニアボンゴ　Tragelaphus eurycerus isaaci　鯨偶蹄目ウシ科　2004年10月31日　神奈川県横浜市金沢区釜利谷東5丁目横浜市立金沢動物園

Jan 5, 2021

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インドシナウォータードラゴン

本日ご紹介するのは「インドシナウォータードラゴン」。昨日ご紹介した「ジップスランドウォータードラゴン」と同じ、ウォータードラゴンの一種ですが、本種はその名の通り、タイや中国南部、ベトナムといったインドシナに分布しています。本種も全長90cmに達する大型のトカゲですが、実際その半分以上は尾が占めています。平地の水辺の森林に生息する種類で、木の上にいることも多いのですが、驚いて逃げる時は、飛び降りて水中に入ったり、後足で走り回ったりします。動物食傾向の強い雑食で、昆虫類や小型の爬虫類や鳥類、哺乳類等の他、果実等も餌にします。なお、雄の成体は、頭頂部から背面、尾にかけてクレストと呼ばれる鬣状の鱗が発達するのが特徴ですか、これは雌や幼体には見られません。インドシナウォータードラゴン　Physignathus cocincinus　有鱗目アガマ科　2020年11月10日　静岡県賀茂郡河津町　体感型動物園 iZoo

Jan 5, 2024

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