豊饒の月をみながら　　　　　　　　　　　　　　　　　　～やるなら今なんじゃないの？・・・俺！～

　　　　いつも元気な中２の女の子が

　　　　目に涙を溜めて教室に入ってきた

　　　　どうした？　　ううん、大丈夫　

　　　　ニコッと笑うも今にも涙が・・・

　　　　僕の授業なら

　　　　ちょっと話をするのだが

　　　　別の講師が担当の子なので

　　　　一瞬迷ったが、そのままブースに入らせた

　　　　講師もすぐ、生徒の異変に気づいたようだ

　　　　どうした？　ううん、なんでもない

　　　　そっか、じゃあ授業やろうか

　　　　そうだなぁ、それが正解だよな

　　　　しつこく聞いてもしゃあない

　　　　ブースの向こうのやり取りを聞き耳立てて聞いていた

　　　　しばらくすると、中２が遂に泣き出した

　　　　中間テストの結果を報告しながら泣いてるようだ

　　　　僕の担当の子達は演習中なので

　　　　点数を聞きに突入した

　　　　うぃ、どうした、悪かったのか、テスト

　　　　とりあえず、言ってみ

　　　　各科目、言わせた

　　　　数学が失敗したようだ

　　　　でも、こいつがまさか泣くなんて・・・

　　　　講師はじっと彼女の泣きやむのを待っててあげている

　　　　これは、おめえだけで取った点数じゃないんだから

　　　　期末、みんなでリベンジしような

　　　　うん

　　　　授業に戻ったが、しばらくすると

　　　　泣いたからか、彼女がゴミ箱の前に鼻をかみに来た

　　　　とりあえず、そばに行き　小声で

　　　　お前、テストの点が悪くて泣いたのか？

　　　　すると、みるみるうちに涙が溢れ出し

　　　　一気に爆泣状態になった

　　　　何かあったか？

　　　　ぜんぜぇ～い、ぎいで、もうね、ひどいんだびょう

　　　　何を言ってるか良く分からない

　　　　は、はな、いっぱいでてるし

　　　　自分でも気づいたのか

　　　　はなをかみかみ、ずびずび声で話し始めた

　　　　嗚咽交じりの鼻ズビズビで話すのを必死にリスニング

　　　　途中何度も　ぜんぜいごべんね　と

　　　　ぜんぜぃずびばせん　のフレーズが・・・

　　　　そして、途中にチ――――――――ン

　　　　と、はなをかむ音

　　　　なんなんだ、この状況は

　　　　結局、部活のことで色々あったらしい

　　　　しかし、彼女がなんで怒り何が哀しいのか

　　　　さっぱりわからない

　　　　う～ん　困った

　　　　とりあえずな、ちょっと時間置け

　　　　時間おいて、まだ言い足りないことあったら

　　　　言いにおいで

　　　　俺は別にズバッと解決なんて出来ねえけど

　　　　ティッシュ渡すことぐらいは出来るからよ

　　　　ほい、お嬢様　ハナ！

　　　　チー―――――――――――ン　ありがど、先生

　　　　全くもって中学生は面白い

　　　　授業が終わると、いつもよりちょっと照れ笑いで

　　　　先生、じゃあねぇええ　と手を振って帰っていった　　　　

　　　　いやぁ、パワーあるな、中学生・・・すげえや