カテゴリ:50&60年代男性ソロ
All compositions written by Nick Drake
20代で鬼籍入りしてしまったニック・ドレイクの1作目。 ボトルネック風味なエレキギターと的確なピアノがなんとも南部チックにスタート、でも本人の歌声は翳っているので能天気な明るさはこれっぽっちもありません。 10曲中5曲に施されているストリングス・アレンジ(うちロバート・カービーが4曲担当)もニックの人物像を作り上げるのに一役買っているかもしれないなあ。神秘的で物憂げで、繊細でダークな。 前回のドノヴァンとはまったく違う方向のおくすり感があります。 普段の話し声よりもうちょい高めな部分が声域の中心っぽいです。 地声がすんなり出るレンジでまったく気張りなく歌っていて、アグレッシブなシンガーに慣れた耳にはいささか物足りないかも知れませんねぇ。 私自身も初めて聴いたときは「ひょっとしたら肥やし決定かも…」と思ってしまったのだけどね。まぁそのころは今ほど英国トラッド/フォークに入れ込んでなかったし、某メタル雑誌を定期購読してライブでは頭を振って遊ぶようなことしてたから無理もないんだけどさ。 でもですね、一瞬でもいいかも?って思うとあとはもう相手の思う壷ですよ。 じわりじわりと侵食してきて、今じゃあ飽きの来ない定番メニューになりつつあります。とりあえずニック・ドレイク聴いとくか、ってやつです。 毎日必ず聴きたいアルバムではないけど、時々無性に声を聴きたくなってしまう。 憂いこそ湛えているけど陰鬱ではない絶妙なさじ加減がいいんだろうな。口直しならぬ耳直し音楽としても活用中。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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