カテゴリ:90年代男性グループ
1, 3, 5, 8, 10 Danny Thompson 2, 4, 6, 7, 9, 11 Richard Thompson
正直に言います。聴かず嫌いしてました。 だって「インダストリー」なんてタイトルだから、無用なピコピコを取り込んだデジタル・サウンドになってるんじゃないかって怖くてさあ。 …なんかそれって産業ロックとインダストリアルをいっしょくたにしてるようなものなんじゃないのか!? 産業革命発祥の地なんだし、ちょっと考えればわかりそうなものなのにそんな早とちりを。私ってバカだな。 つい先日OBE勲章を授与されたリチャード・トンプソン(フェアポート・コンヴェンション)とダニー・トンプソン(ペンタングル)の連名作。俗に言う“御三家”のうち二家がタッグを組んだわけです。 残るスティーライ・スパンからはピーター・ナイトがヴァイオリンを弾きにきているし、英フォーク界では最も名の通ったドラマーの1人であることは間違いないデイヴィッド(デイヴ)・マタックスやジャズ・ロック界でも活躍していて我々の間ではジョン・レンボーン・グループのメンバーとして認知されているトニー・ロバーツなんかも参加していて…メンツだけでも涎が垂れそうです。 あ、トロンボーンを吹いている2人のトンプソンはダニーのおじ上らしいよ。 歌入りはリチャード、インストはダニーと曲作りは分担作業で。 ダニー作品はやっぱりジャズ色が強いし、リチャード作品は時にロックンロールの要素も見え隠れするなど個性がはっきり表れているのが興味深いね。 この当時40代後半のリチャード、フェアポートで歌っていた若い頃よりも深みが圧倒的に増してる。噛みしめるようにおおらかに歌う6を聴くたびにそう思う。 続く7でのクリスティーン・コリスターを引き連れての歌唱も本当、良い。 必要以上に英国民謡ヲタな私はSSWとしてのリチャードとちゃんと対峙しようとしていなかったけど、こうして聴くとやっぱり名曲書くんだよなあ…。もう感動で臓物がぶるっと震えるほどに。 「エレキベースは弾かない」とおっしゃっているダニーのベースはペンタングル時代となんら変わらない音像。 ゲストが弾く楽器も結構主張していると思うし、独擅場なソロがあるわけでもないんだけどどこをどう聴いてもベース音ははっきりと聴こえてくる。さすがの芸歴、自身の活かし方が抜群にうまいわ。 物悲しいサックスが狂おしいほど魅力的な10はダニー担当曲でのマイベスト! 分けて聴けば2人の違いが良くわかるとはいえ、ばらばらにはなっていません。むしろしっかりまとまっています。 フォーク+ジャズ+ロック+バロック…!? こう書くとまるでペンタングルのようだけど、ペンタングルとは違うんだよねえ。雰囲気はわりと近いものを感じるのだけども。 尚フェアポートっぽさはほとんど感じなかったです。 根暗じゃないダークさが見え隠れしているあたりも本作を名盤にしている要素なんじゃないかな。 http://www.richardthompson-music.com/ トップページの写真が素敵! http://www.therealdannythompson.co.uk/Home.html 無料メルマガ申し込み可能です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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