カテゴリ:70年代男性ソロ
シャーリー・コリンズやスパイロジャイラ、デカメロンといったあたりにゲスト参加しているスティーヴ・アシュリーが74年にリリースした初ソロ。 彼のことはもちろん知ってはいたが、民謡ヲタの私は10の存在が最大の決め手となって購入に至った。つまり既知のトラッドが入っていなかったら買っていなかった可能性もあるということである。 そんなこんなで軽い気持ちで聴き始めたのだが、あまりに充実した内容に驚愕してしまった。 これは紛れもなく第一級のフォーク・ロックだ。 フェアポート・コンヴェンションが69年に出した「リージ&リーフ」を思い起こさずにはいられないエレキギターが鳴っている箇所あり、またバート・ヤンシュがこの前年に出したソロ「ムーンシャイン」に通じる典雅なリコーダーの響きあり…。 稀に登場するペダルスティールや輪郭のはっきりしたドラムは心地良く、スティーヴの歌唱も物腰柔らかく端正で非常に耳触りが良い(声質や歌い方の癖は3でフィドルを弾いているバリー・ドランスフィールドに若干似ている)。 フェアポートっぽいと感じたのは決して気のせいではなく、事実10にはサイモン・ニコル、アシュレイ・ハッチングス、デイヴ・マタックスのフェアポート組が参加しており、彼らに加えてスー・ドラハイムがフィドルを弾きロイストン・ウッドがタンバリンを叩くというラインナップは英フォーク好きにとっては鳥肌が立つこと間違いなしだろう。 上記の面々以外にも、今回のレビューが初お目見えのトム・フリードレインとレッド・マクレディ、リコーダーを吹く3人、クレア・ドーソン以外は皆過去の様々なレビューで登場済だ。中でもマタックスは57回も登場している。 1はアン・ブリッグスが71年の「ザ・タイム・ハズ・カム」にて取り上げたことでも知られている。この重厚な無伴奏コーラスによる幕開けで早くも私の心は持っていかれてしまったし、もう何回も繰り返して聴いているのに嬉しいドキドキは静まってくれない。 http://www.steveashley.co.uk/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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