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2018.04.21
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カテゴリ:極私的映画史


 カルト・ムービーという言葉が一般的になったのは、ビデオが普及し、ビデオレンタルが定着してからだと思う。新作や名作だけではレンタルユーザーのニーズにこたえられず、それまで日本では見ることのできなかったさまざまな映画がビデオ化され、レンタルショップの棚を飾った。

 日本映画の場合、独立系を除けば、大手製作会社がほとんどの作品の上映権やビデオ化権を握っていたため、ビデオ化は遅れ気味だった。しかし、名画座よりビデオ化で儲けるビジネスモデルは、徐々に日本の大手にも浸透しつつあった。1987年は、そんな過渡期の真っただ中だったと思う。

 4月に池袋シネマ・セレサで見た山本廸夫監督の「血を吸う」シリーズ3本立ては、そんな当時の状況を端的に表した上映だったと思う(写真のチラシは、後にBOX東中野で上映だれた時のもの)。もっとビデオ化の波が日本映画界に押し寄せていれば、おそらくスクリーンで見ることはなく、とっととビデオ・リリースされていたであろうカルト・ホラーである。

 「血を吸う」シリーズは山本廸夫監督の代表作で「幽霊屋敷の恐怖・血を吸う人形」「呪いの館・血を吸う眼」「血を吸う薔薇」の全3作。特に岸田森がバンパイアを演じた第2作以降は、国産バンパイア・ムービーとして評価が高い。まるで少女漫画のようなキッチュな世界観は日本ならではのものだし、そこでベラ・ルゴシでもクリストファー・リーでもない吸血鬼像を演じた岸田森の怪演も一見の価値がある。円谷プロの「怪奇大作戦」で怪奇に挑んでいた岸田森が、放送終了した翌年には吸血鬼を演じているのだから面白い。

 また、この3本立てを上映したのがシネマ・セレサだったというのも思い出深い。シネマ・セレサは池袋北口のロマンス通りにあった名画座。その周辺はミニ歌舞伎町っぽい雰囲気の繁華街で、すぐそばにピンサロのでっかい看板があったりする立地だったため、名画座といっても娯楽作品よりのプログラムの多い映画館だった。そういう映画館だから、寝るために来ているおっさんもいれば、カップ麺をすするホームレスっぽいおばあさんもいた。それを知らずに入り込んだアートな女子大生が、そんなおばあさんに注意をするという心がすさむ出来事にも遭遇した。でも、シネマ・セレサは「アートな女子大生なぞ、文芸坐に行ってろ」な映画館なのである(少なくとも当時は…)。

 「血を吸う」シリーズで驚くのは、それが東宝の作品であるということだ。東宝といえば、どちらかというと健全が売りの会社というイメージが強いのだが、1970年代前半には「血を吸う」シリーズのようなホラーや勝新太郎主演のエロ時代劇「御用牙」シリーズなど、エロな時代に対応する作品も作っていたのである。ちなみに、まだこの頃は、日本映画界のキング・オブ・カルトと呼ばれる石井輝男という存在に、僕は気づいていなかった。


幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 [ 松尾嘉代 ]

呪いの館 血を吸う眼 [ 高橋長英 ]

血を吸う薔薇 [ 黒沢年男 ]





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Last updated  2018.04.21 22:19:19
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