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2019.01.06
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カテゴリ:極私的映画史


 1980年代以降、ハリウッド映画の席巻により、世界各国の娯楽作品が日本で公開されることが少なくなってしまった。物量で勝負するハリウッド映画の前では、低予算でローカルな娯楽作を好むのは、僕のような変わり者くらいだろうから、それは仕方のないことだと思う。

 そんな状況の中で、唯一ハリウッドに対抗していたのが、フランスのリュック・ベッソンだった。その徹底した幼児性で、ハリウッドの物量に無邪気に対抗する姿は、往年のフランス映画を知る者には、なんとも情けなくも見えた。それでも「グラン・ブルー」で手に入れた「リュック・ベッソン」というブランドは日本では大きかったらしく、ベッソン関連の娯楽作は次々に公開された。

 そして、ベッソンの勢いにも陰りの見えてきた2005年頃、かつての栄光を復活させるかのように、見ごたえのあるフレンチ・フィルムノワールが日本に上陸し始めた。2005年に見た「真夜中のピアニスト」と「ブルー・レクイエム」は、フレンチ・フィルムノワールの復活を感じさせた。ハリウッド的な単純明快さを目指したベッソン映画とは正反対の静かな情熱を湛えた犯罪映画。男同士の友情と裏切りという展開も、フレンチ・フィルムノワールならでは。

 そして2006年。「あるいは裏切りという名の犬」の登場である。ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューというフランスを代表する2大アクターが、男たちの非情な世界を見事に演じる。昔ならジャン=ルイ・トランティニャンとリノ・ヴァンチュラといった組み合わせになるのだろうか。決して派手ではないが、まさに四つに組んだ演技が、見る者の心を熱くする。

 フレンチ・フィルムノワールの復活といったが、単にかつての作風をなぞっただけの作品ではない。そこには、時を経た変化も見られる。特に強く感じられたのは、香港ノワールの影響だ。そもそも香港ノワールにはフレンチ・フィルムノワールの影響が強かったのだが、そこで練り上げられた男たちの熱い戦い模様が、今度はフレンチ・フィルムノワールに移植されたのだ。かつてのクールな作風は残しつつ、香港ノワール的な熱さでドラマを盛り上げる。そんな変化も復活したフレンチ・フィルムノワールの魅力になっている。

 フレンチ・フィルムノワールとベッソン映画には何ら連続性は感じないが、もしもベッソン映画がかたくなにフランス製娯楽映画の世界を守っていなければ、フレンチ・フィルムノワールの復活はなかったのではないかと思う。あまりに無邪気すぎるベッソン映画には辟易としていたのだが、そう思うと改めてリュック・ベッソンの存在を再評価しなければならないのかもしれない。


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Last updated  2019.01.06 16:12:23
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