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2019.03.21
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カテゴリ:極私的映画史

 昨今はネコ派が優勢なようだが、僕は子どもころから一貫してイヌ派だった。幼少期に見たディズニーの「101匹わんちゃん大行進」や東映動画の「わんわん忠臣蔵」は今も忘れられないし、ディズニーの「三匹荒野を行く」(オリジナルのイヌがしゃべらない方)は、実写版イヌ映画として欠かせない1本だ。

 それくらいイヌ好きなのだが、根があまのじゃくなもので、いわゆる動物を使った感動映画には、いたってきびしい。「ちょっとやそっとでは泣かんわい」というのが基本姿勢だ。そんな僕がいい年のおっさんになりながら泣いた。それが2009年に見た「HACHI 約束の犬」である。

 一応、製作はアメリカで、リチャード・ギア主演、ラッセ・ハルストレム監督とキャスト・スタッフも一流どころ。が、実はフジテレビ開局50周年記念作品で、アメリカでは結局劇場公開なしのビデオスルー扱いだったりするからややこしい。まあ、そういう記念作品的な意味合いの強い映画なので、見る側も構えないわけではなかった。

 確かに、ハチがアメリカにやってきて、たまたまギアとめぐり会う導入部を見ると、かなりご都合主義なのだが、そこはハルストレムの熟練の技。日本の実話をアメリカにもってくる強引さはサラリとかわし、以後はひたすらハチの愛らしさに焦点を当てる。しかも、単にかわいいだけでなく、秋田犬のもつ凛とした気高さもしっかり見せ、その性格が「主人を待ち続ける」という後半の話につなげている。

 秋田犬の幼犬は神経質なため、幼少時のハチには柴犬があてられているが、それ以外は3頭の秋田犬が成長にあわせて起用されている。この柴犬を含むイヌたちの演技が、とにかく素晴らしい。単に指示通りに動くのではなく、表情が豊か。アメリカ映画におけるイヌたちの表情が素晴らしいのは、ドッグトレーナーの違いなのだろうか。日本映画のイヌたちは、彼らと比べると、これほどの表情は見せない。

 そして、この映画で圧倒的なのは、老いたハチを演じた老秋田犬の名演である。雪の降る中、ひたすら主人を待ち続けるハチの「神々しい」とでも表現したい姿に、一気に涙腺は崩壊した。単に人間とイヌの感動話に終始していたとしたら、こうはいかない。ハルストレムは、おそらくハチというイヌに敬意を表しているのだと思う。

 おそらく劇場公開されたのは日本のみで、ギアやハルストレムのフィルモグラフィでも重要視されない作品だと思う。それでも、実写イヌ映画として、心に深く刻み込まれた作品。日本映画の「ハチ公物語」には泣けなかった僕だが、この映画には泣けた。

HACHI 約束の犬 [ リチャード・ギア ]





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Last updated  2019.03.21 16:13:59
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