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くもり時々映画

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2019.04.22
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カテゴリ:極私的映画史

 2009年、「スペル」を見たホラー映画ファンの多くが、こう叫んだはずである。

 「僕らのサム・ライミが帰ってきた!」

 「スパイダーマン」シリーズで、すっかりハリウッドのメジャー監督になってしまったサム・ライミに、寂しい思いを抱いていたのは僕だけではなかっただろう。「怖すぎて笑っちゃう」系ホラーの金字塔「死霊のはらわた」のライミが、アメコミ映画の巨匠になってしまうなんて…。そりゃあ、人間、成長する。あのブライアン・デ・パルマだって、今やアメリカを代表する巨匠だ。ライミが巨匠になってもいいではないか。

 でも、「愛のメモリー」や「キャリー」のデ・パルマが巨匠になったのと「死霊のはらわた」のライミが巨匠になるのとでは、少々こちらの受け取り方が違う。ライミはデ・パルマより、ずっと距離感が近いのだ。デ・パルマは「あのデ・パルマ」だけど、ライミは「僕らのライミ」なのだ。デ・パルマ映画には拍手喝采が似合うが、ライミ映画には絶叫歓声の方が似合う。

 そんなサム・ライミが「スパイダーマン」の成功をかなぐり捨てて?撮ったのが「スペル」である。昇進を焦る女性銀行員クリスティンの老婆に対する不親切な対応が招く理不尽な恐怖体験。怒涛のクライマックスもさることながら、クリスティンを恐怖のどん底に突き落とす呪いの老婆の醜悪さが凄まじい。クリスティンでなくとも、あんな老婆がやってきたら親切な対応なんかしたくない。

 とにかく、その醜悪なキャラクターづくりだけでも、ツカミはオッケー。後は、これでもかこれでもかと「怖すぎて笑っちゃう」シーンのオンパレードとなるわけだ。これぞサム・ライミの真骨頂。「スパイダーマン」みたいに「良い子が見ること」なんて考えてない。だからこそ、観客は「僕らのライミ」と呼んでしまうのだ。

 最近はプロデューサー業に忙しそうなのが残念だが、サム・ライミには、また何年か後に「怖すぎて笑っちゃう」映画で戻ってきてほしいと切に思う。

スペル【Blu-ray】 [ アリソン・ローマン ]





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Last updated  2019.04.22 16:13:01
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