宮崎監督の「風立ちぬ」を見てきました。以下、ネタバレあります。
事前評論で「意見が分かれる」というのは聞いていましたが、たしかにこれは、いわゆる家族誰でも楽しめる路線とか、あるいは心躍る冒険ファンタジーを求めると退屈でしょう。かといって軍記もの、ミリタリーを求める人にとってもコアじゃない自分にも理解できる程度の技術論で止まっていました。
で、私の感想としては「美しいものだけを求めた」作品だと。作中のセリフでもあるのですが、主人公は美しい飛行機に憧れ、それを追い求めてひたすら前に進む。それが戦争の道具に使われることも知りつつ。そしてヒロインも、主人公に重い病でありつつ自分の美しい姿だけ見せようとする。そんな矛盾の果てに有ったものはなんだったのか?でも、その矛盾があったからこそ今がある。
この映画では宮崎さんが描こうと思えば、例えば震災の悲惨な描写とか、戦争の生々しい戦いの描写など出来たと思います。が、そこはあえて避けられた雰囲気が画面の端々から感じられる(きな臭い匂いはプンプン感じられる)ところからも、あえて「美しいものだけを求めた」作品かもしれないと。そういう意味では肩透かしを食らう人もいるかと思います。
で、私の感想としては「もう一度見に行く」という感じで。つまりこれは、気に入っている、ということなのでしょうね。
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