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カテゴリ:農業全般
ちょっと前までは、空梅雨で、田植えも出来ないと心配されていたのに、一転この集中豪雨的土砂降り。
自然は長い目で見れば中庸なのかもしれないが、短期的にはいかにも横暴で反自然的だ。 異常気象とは過去三十年間に観測されなかった値をそう呼ぶというが、ここ数日の時間当たり雨量はまさにそう呼ぶべき驚異的数字をこれでもか、これでもかと炸裂させている。 以下の画像は集中豪雨前後の河川(下筌ダム湖の上流)をほぼ同じ場所から撮ったものだ。 四季を愛でる階層とは程遠く、最初から勝負が見えているその四季との変化との戦いに日夜四苦八苦する農業という営みは、かくの如く出口の見えないものか。 長雨の害は日照不足を伴った被害として発生する。 具体的には、湿害・軟弱徒長・草勢低下・病害の発生だ。 それらはとどのつまり、収量の低下ひいては収入減に行き着く。 土耕においては、 土壌水分は過剰となり、土壌中の酸素含有量が減少し、根の酸素要求量を満足できなくなるとともに、肥料や水分の吸収が低下するので、根傷みや根上がりが発生し草勢低下をひきおこす。 地区特産のきゅうりでは、病害の発生、花落ち、そして収量の低下と厳しい戦いを強いられている。 ハウス栽培においても、軟弱徒長し、灰色カビ病・葉カビ病・疫病等が蔓延し、品質低下は免れない。 天候が順調なら豊作貧乏となり、不順なら品質低下のクレームが寄せられ、やがて品薄となり市況が高騰する頃には、当然自分も出荷できるものがないという、どっちに転んでも前述したように勝負にならないのだ。 土砂崩れや河川の氾濫により、圃場が冠水して全滅ということもあるので、それがないだけでもよしとしなければならない。 読者におかれては、量販店等で、当たり前のように陳列されている野菜の後に、毎朝のちっとも当たらない天気予報に一喜一憂しながらも圃場やハウスに向かう、ファーマータナカらの姿をちょっと思い出していただければ幸いである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年07月26日 08時57分45秒
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