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テーマ:人と自然の関係(600)
カテゴリ:faura(ふぁうら)
今回は、西洋美術のお話です。 この絵から、あなたにはどんな物語が見えますか? 作者のピーテル・ブリューゲルは、16世紀のヨーロッパに生まれ 農民や農村の風景を多く描いた画家です。 またその絵の隅々にまで細やかな趣向を凝らし、そこへさまざまな 寓意をこめたことでも知られています。 猟犬を連れた狩人たちが疲れきった後ろ姿を見せる傍らで、猟犬たちも うなだれています。眼下には、凍った池で楽しげに集う村人の姿。 樹上には「カラス」のような黒い鳥と、空には尾の長い鳥が・・・ この鳥はなんでしょう。 『ファウラ博物誌』の中で、ネイチャーライターの河井大輔さんは、 カササギではないかと、推論されています。 ところがカササギの色は「白黒」なんですが、絵の鳥は真っ黒! そこで河井さんは(【faura】10号82ページより引用) ------------------------------------------------------- 欧州におけるカササギは、カラスと並ぶ不吉の象徴とされている。(中略) 疲弊した狩人の目に映る鳥の背中は凶兆の黒。かたや氷上に遊ぶ村人たち に見せているであろう鳥の腹は吉兆の白を表しているのではなかろうか。 -------------------------------------------------------- 中世ヨーロッパで、冬の厳しさや苛酷な社会に耐える人や、つかの間の 楽しみに興じる人々の様子を、カササギに託したと考えられるのでは、 と綴っていらっしゃいます。 ちなみに東洋におけるカササギは瑞鳥だそうなので、ご安心を・・・ 絵画から見る「自然博物誌」 もっと詳しくお読みになりたい方は・・・ ◆【faura】10号をご覧ください。 =========================================================== あなたも自然の輝くドラマの中にでかけてみませんか! ◆北海道ネイチャーグラフィックマガジン【faura】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月02日 18時33分41秒
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