では、今回は購入対象となる不動産物件のキャッシュフローを計算してみることにしましょう。
表1をご覧下さい。収入面からみていくことにします。家賃収入は物件の購入金額に利回りを
乗じた額として計算されます。表1をみれば、利回りが上昇すれば結果的に総収入が増える
ことが理解できると思います。利回りが重要視されるのは、一般に総収入が増えれば
キャッシュフローが増えると考えられているためです。
忘れてはならないのは、家賃収入額から空室による予想損失額を差し引かなければ
ならないという点です。また、保証金収入や礼金、更新料等がある場合は、
収入に加えるとよいでしょう。
表1 収入合計額 | 家賃収入 (購入金額 × 利回り) |
| -)空室による損失額 |
| +)保証金・礼金・更新料など |
| ――――――――――――――― |
| 収入合計額 |
次は支出項目について考えてみましょう。不動産物件を所有すると、
土地・建物に対してそれぞれ固定資産税および都市計画税がかかります。
これらの支出を「租税公課(そぜいこうか)」と呼びます。
修繕費や管理費、地代、火災保険料等の経常的な支払いも忘れてはなりません。
さらに、借入金の返済額も毎月支払わなければなりません。
これらの支出額を足し合わせると、毎年の支出合計額が計算されます。
表2 支出合計額 | 租税公課 (固定資産税+都市計画税) |
| +)修繕費 |
| +)管理費 |
| +)地代 |
| +)火災保険料 |
| +)借入金返済額 |
| ―――――――――――――――――― |
| 支出合計額 |
ポケットに入ってきたお金=収入合計額から、ポケットからでていったお金=支出合計額
を差し引くことによって、毎年のキャッシュフローが計算されます。表3をご覧下さい。
総収入から総支出を差し引いたものをキャッシュフローと表現していますが、
この手取りの収入から毎年税金を支払う必要があります。そのため、
今回の説明ではキャッシュフローと税引き前収入を同じ意味で使っています。
表3 税引き前収入 | 収入合計額 |
| -)支出合計額 |
| ―――――――――――――――― |
| 税引き前収入=「キャッシュフロー」 |
と、このようにキャッシュフローの計算の仕方をご紹介しましたが、それほど難しくはなかった
ことと思います。手取りの収入からあらゆる支出を差し引けばよいだけなのでわりと単純です。
しかし、このキャッシュフローと利益(正確には、「税引き後利益」)が異なる、というちょっとした
不動産投資の数字のトリックが控えています。この知識を甘く見ていると、数十万円、
ともすれば数百万円もの税金を多く支払わなければならなくなるはめに陥ってしまう、、、
なんて場合もあることでしょう。要は、知っているか、知らないかだけの差なのですが、
知っていれば無駄な支出を避けることだって出来るのです。さて、この案外重要な
「税引き後利益」については次回の日記に続きます!
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