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![]() 薔薇密室 皆川作品3つ目。 以下ネタバレ ストーリーの進行はめちゃくちゃ面白いのに、結末がこれじゃない感がすごい 会いたいと思っている二人は最後まで会えずじまい、目的は達成されない。 これだけのページ数を割いて、登場人物の欲望とそれが達成するかもしれない期待を膨らませてきたのに誰の望みも成就せずに終わるってどういうことだーと思いながら本を閉じた。 しかしプロセスがものすごくおもしろいので、そこにある退廃とか血なまぐささの中に溺れようと淀んだ沼の中に自分から潜っていく感じ。 欲望が連鎖していくのはとても面白かったです。 薔薇の若者を生成しようとしたラウレンツの欲望がコンラートを刺激。 美しく素描した絵を銅版画にして印刷したいという欲望につながるも成就せず。 残された素描がヨリンゲルとユリアンに刺激を与え ヨリンゲルは次の薔薇の若者を生成、ユリアンは銅版画の材料で仇に毒ガスを吸わせようとする。 この分岐がめっちゃ面白かったな。美への欲望の連鎖から毒殺の欲望が生まれる。 醜いものは美に執着するけれど、美しいものは美へは無頓着。 そしてその様子を俯瞰するナタニエル。 ヨリンゲルが生かされた理由が残酷すぎる。 本当だったら美の資格を持っていたはずなのに、それを剥奪されて現世にリリースされた感じ。 薔薇と一体化するには美しさと無垢さが必要なのかしら。 自分を美しいと認識する必要すらないほどの美しさ。 ヨリンゲルは自分を美しいと認識してそれを武器に使っていたから薔薇の若者への資格がなかったんだろうか。罰せられるように梅毒に罹患させられて美を奪われる。 ユリアンの成長しない美少年っていう設定も最高なのに、復讐は成就せず、死の間際の大活躍は一行で済まされ。鬱屈だけ長々と読まされて、それが孵化してジャンヌ・ダルク的な存在になったその部分ちょっとした説明でおわりかー!そこらへんは自分で妄想補完してってことなの? ミルカの存在も?だったな。ユリアンを肉付けしていくのには必要な人物だったけれど。 ユリアンがジャンヌ・ダルク化する理由になるほど魅力のある人物には思えなかった。 ラスボスのナタニエル・ホフマンの野望が霧消してしまったのが残念だと思いつつも、美に魅了される者の欲望は成就しないっていうテーマなら仕方なかったのかな。 ナタニエルは自分が見たいとおもっている物語の主人公に仕える存在なのかな。 仕えるというには物語を支配しようとしてかなり大柄に主人公に働きかけすぎているけど。 ゲームの進行が支配的すぎて、物語がのびやかに進展していかなかった感じ。 ナタニエルの支配から離れたユリアンが突然大きく活躍しだす感じもするし。 物語に執着するあまり物語から見放されてしまった。 慈しみの女神たちの下巻、途中で放棄してたな、読もうかな、と思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.08.27 10:39:25
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