小説「地球に散りばめられて」(多和田葉子)を読みました。長女に勧められて読んだら、面白かった。
小説「地球に散りばめられて」(多和田葉子)を読みました。
長女に勧められて読んだら、面白かった。
「留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、大陸で生き抜くため、独自の言語〈パンスカ〉をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る――。」
祖国の島国が留学中に滅亡したというHiruko。
それが日本だとわかるような描写をしながらも近未来的というか、皮肉混じりの表現でユニーク。
独自の言語パンスカを作り上げていく才能がありながら、それでも母語を話す同郷人に会いたいと切望し、周りの人を巻き込んで旅をしていく。
一人称の私や僕を名乗る人物が次々と変わっていき、誰が話しているのか分からなくなるほど。
というより、誰が話してもいいと思えるほど普遍的なのかも。
バベルの塔みたいに言葉が通じなくなってしまうのでは?と思いつつ、なんとかバイリンガルになって通じる移民達は素晴らしいなあ。
語学が苦手で、英語もろくに出来ないし、他の言語など習いたくもない私には想像出来ない。
長女は割と英語も得意で、今は韓国語とかにも興味があるほど語学好きだから、共感するのかもしれませんね。
言語学的にはあまり理解できなくても、話は確かに面白い。SF的でもあり、現実的でもある不思議な世界。
星新一のショートショートの長編というか、オムニバスみたいな感じですね。
一気に読めてしまいました。ドイツ在住で、ドイツ語でも小説を書く作家だからこその世界観なのかもしれません。
長女に勧められて読むと、いろんなジャンルを読めるかな。今はあまり小説など本自体読んでないけどね。
久しぶりに没頭出来て良かったです。