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テーマ:楽しいNY生活(436)
カテゴリ:NY発信
今週で一番暖かい日とニュースで流れていた火曜日の夕方7時。
久々にセントラル・パークを走ろうと親友と出かけた。この冬、一緒に食べ歩き、必ずと言っていい程デザートまで食べていたツケを払わなければならない時期になった。二人ともその分だけたっぷり太ってしまったのだ。 「オトコからデートに誘われないで、いつもデートはゆーみんとだったせいよ。」 そうケラケラ笑って言う親友は、昼間仕事をしながら夜は大学院に通っている。宿題のテキストを読んだりする時間、どうしても甘いものに手をだしてしまうというのだ。だから夏の気配の近づいているこの季節、とても焦っているのだ。 巷のオンナの子たちはこれからますます腹出しルック。私も彼女の昨年夏はそうだった。・・が、今年はトップがお尻まで隠れるものしか着れないような気分になっている。 「走るのが一番よ!」 それがマラソンを走って減量体験済みの私の持論だ。走り込みをした年は必ず5キロは痩せる。それも運動するからお腹が空いてモリモリ食べてもだ。とにかく走るしかない。 初走りに胸を躍らせながら、でもゆっくりしたペースでリザバー(溜池)へ向かう。ここを一周すると約1.58マイル(2.5キロ)になる。久しぶりに走るには、丁度よい距離だ。 親友が私のアパートの前まで迎えに来てくれて、そこから走り出した。風は少し冷たかったがとっても気持ちが良かった。パーク・アベニューの桜やチューリップが夕方の薄暗くなり始めた景色に綺麗に映えていた。 セントラル・パークの中に入ると、既にソフトボールの試合か練習を終えて帰っていく人たちの団体が通り過ぎて行った。運動した後の清々しいオーラを発していた。そのまわりは徐々に緑をつけている木々が春になった事を物語っていた。その横をランナーたちの団体が駆け抜けていく。とにかく運動している人の多い事! 日本でも皇居の回りを走るランナーたちを見たけれど、その数の比ではない。そしてもっと格好良く、早そうに走ってるのだ。そして何より楽しくてしょうがない、という感じを受ける。そうなのかもしれない。この大都会の中、自然が一杯のセントラル・パークを走れる事はとっても贅沢なことかもしれない。 私たちはお喋りしながら走れる程度のペースで走った。私はこの1ヶ月程運動していないので、どこまで息が続くのか自分でも解からなかった。けれど、前の夜のデートの報告を話さずにはいられなかった。 「彼ね、髪を切ってカッコよくなってたの。」 年下のラテン系の彼は髪を切って、エンリケ・イグレシアスそっくり。まだまだ遊びたい盛りでとっても元気。忙しい私のスケジュールの為、断ることの方が多かったけれども事あることに電話して誘ってくれている。現在、唯一誘ってくれる貴重な存在。 デートはソーホーのお洒落なタパス・バー。最近タパス・バーに行く事が多い。それもこの彼と出会った頃からだ。シンクロしているようにも思える。日本の居酒屋が大好きな私はタパス・バーは大好き。スペインの情熱と哀愁漂うギター音楽が流れていると、その場の雰囲気にただただ酔いしれてしまう。 そんなタパス・バー デートは他愛のない事を話して時は過ぎていった。実は彼は私が日本から帰る日を覚えていて、帰国したその日に電話をくれていた。 「日本はどうだった?」 iPodに映画『ロスト・イン・トランズレーション』のサントラを入れている彼。一度『風をあつめて』を聞かせてくれたことがある。意味がわからずとも、歌詞に合わせて口づさみながら、 「ねぇ、この歌詞の意味って何?」 と聞かれて訳してあげたこともあった。いつか日本にも行ってみたいそうだ。 「映画に出てくる銀座に行って来たわよ!」 私がそう言うと、 「恐竜の映像のところ?恐竜見れた?」 茶色の目をキラキラさせながら興味深々のよう。すぐに ♪かぜをあつめて~♪ とサビを歌い出す陽気モノ。そんな若さが可愛いと思う私は、やっぱりお姉さんなのだと思う。久しぶりのデートはとっても楽しかった。 息が苦しくなりながらも、走りながらの報告を終えると、 「この前彼に会ったけど、彼、まだ若いしゆーみんが入れ込んでないっていうのが解かってたよ。でもデートに誘われたら出かければいいのよ。私だって誰かに誘われたら、デートするわ。もうこの際、誰だっていい!それとデートする時間が欲しいわ~」 そう親友が言った。そうやって走りながらその日起こった職場での出来事、家族のこと、そんなことを話せるのが嬉しかった。一人で走るのはたまにはいいけど、やっぱり孤独。 「ねぇ、見てみて!」 溜池の向こう側、遠くの木々の後ろにそびえ立つマンハッタンのビルの群れが夕日に映えて本当に美しかった。 「ホント! 綺麗!」 親友も歓喜をあげていた。う~ん、ホント贅沢だ。こんな絶景を見ながらジョギング出来るなんて。息が切れて「歩いちゃおうかな」なんて弱気になってる時は、この風景を見るだけでまた力が出るのだ。 どうにか一周走り終わって、親友と無言でハイファイブ。 「たかが一周でハイファイブ私達って・・・」 そう言ってまた親友はケラケラと笑う。ホントにそうだ。私はまた今年マラソンを走ろうと思っている。これから約6ヶ月のトレーニングが待っている。普段のトレーニングでは、坂の無い溜池の回りを2周、3周ぐらい「楽々」走れるようになっていなければいけない。 走り終わって気分はスッキリ。活力の源がお腹の中から沸き上がって来るような感覚があった。走る事がジェネレーターのようになって私を突き動かしてくれているのかもしれない。 また走るぞ~!! そう思いながら、少しセントラル・パークを散歩しながら帰路へと向かった。自然の中で運動して、ちょっと贅沢気分な夕方。 あ~、いい一日だった。 そう思って終えることが出来る私はとってもしあわせ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 27, 2005 07:32:51 PM
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