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カテゴリ:子育て
「ひとくちだけ。」
なぜこんなに幸せで美味しく感じるのだろう。 もちろん、家族だけにしかお願いできないが。「ひとくちだけちょうだい!」と私は家族にいいまくる。ひとくちだけの誘惑に勝てない。私は、自分の子供より子供なのだ。 「全部自分で食べようと思ってる時にさ〜ひとくちだけってムカつくんだよね〜 自分の分も買えばいいじゃん!とらんでよ!」 もちろん子供達から非難される。 それを見て、旦那はニヤリと笑っている。 「お母さんは、若い頃からそうだった。楽しみにしているものほど、ひとくちちょうだい!と欲しがる。本当にムカつくよな〜」 「ひとくちちょうだい」に関しては、もちろん5対1の構図になる。その状態を、旦那はニヤニヤしながら楽しんでいる。 結局、私が興味を示しそうなものは私の分も買う事となり。少し食べて満足した残り物は、子供達がウキウキしながら分けて食べている。 私の「ひとくちだけちょうだい!」から引き起こされていた我が家の不調和は、これで解決した。 私が小さい頃。ソフトクリームを食べていると、祖母から「ひとくちちょうだい」と言われていた。 ひとくちは、もうひとくちとなり。 そして結局3口くらいは食べてしまう。 「自分も、買えばいいやん!」 私も、真剣に抗議していた。 美味しいソフトクリームを独り占めできるチャンスなのに、大人がそれを奪うのだ。 私は、「ひとくちちょうだい」の被害者の気持ちもよく分かる。 しかし。 大人になると、あんなに独り占めしたかった美味しいソフトクリームも。 独り占めして、全部食べなくても満足することにある日気がつく。 ソフトクリームは、食後の別腹で味わうのが一番いい。 祖母が私から奪っていた3口くらいが、心も体も満足する最高の量なのだと最近実感した。 家族は私を甘やかす。 ソフトクリームが食べたい!と言えば買い与えられ。 3口ほど食べた残りのソフトクリームを、子供達みんなで分けて食べてくれる。 私が残す事を計算したうえで、自分は他の味をチョイスできてラッキー!な捉え方の子もいれば、仕方なく食べているという子もいる。 そんな家族の配慮の元、幸せの3口が実現していたのだが。 つい最近、旦那と2人の時に美味しそうなソフトクリームと出会ってしまった。 非常に悩んだ末に、覚悟を決めて買った。 旦那は一切食べない為、ひとりで食べなければならない。 ![]() 夕日とソフトクリーム。 いい写真が撮れたなーと思う。 美しい夕焼けを見ながら、必死に食べた。 ソフトクリームが溶ける速度に負けてしまうと、悲惨な事になる。 写真なんか撮ってる場合ではなかった。 どうにかこうにか、無事に全部食べ終えた。 そして、子供達に「今まで、最高に美味しい3口の奇跡を本当にありがとう」と感謝した。 これから旦那と2人で出かけるときは、ソフトクリームを見ないようにするし、子供達も一緒にいる時は、より丁寧に3口だけしか食べないけれど買ってもいいかとちゃんと聞くようにしようと思った。 子供達は、段々自分達の世界が広がってゆき。 親と出かける回数も減ってくる。 すでに、高校生の娘は。 買い物にさえ滅多についてこない。 私がソフトクリームを味わう機会もこれから減る一方なのだろうなぁと沈む夕日を見ながらしんみりした。 ただ。 溶けて流れていくソフトクリームの速度に。 負ける事なく完食するというポテンシャルを秘めているとは自分でも思ってもみなかった。 ソフトクリームを一人で食べる機会はもうないと思うが。 無理かもなーと思うことにチャレンジしてみることも悪くないなぁと思った。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.29 05:12:51
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