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2006年11月09日
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カテゴリ:Memories
「離婚してほしい」と言うと、お父さんは逆上した。


「お父さんが出て行くか、私と子どもたちが出て行くか、どちらかにする。家も探す」と言ったら、

「子ども置いてオマエだけ出て行け!」と怒鳴られた。初めてお父さんの涙を見た。


私にとっては、意外だった。ものすごく「温度が低い」夫でありお父さんだったのに、こんなに取り乱すなんて。


世間体を気にして? いや、もともと、世間体などは気にする人ではない・・・

とにかく、お父さんは感情的だった。




次の日、手紙を書いた。長い手紙。

なぜ、私がこんな結論を出すに至ったのか。

いくら働いて給料を持って帰っても、それだけの人なら、お父さんはお父さんでない。お金を運んでくる人。

私はただの家政婦。それなら、家政婦を雇えば何も困らないでしょう。

結婚してまもなくから、お父さんの「温度の低さ」は少し感じていた。結婚前とのギャップに最初は驚いた。はるちゃんの病気のことがあったから、それまでモッタノダ。


でも、嫌いになったわけじゃなかった。
必要とされてないと分かっていて一緒にいるのは苦痛だし、こちらが期待する存在になってもらえないなら、期待するだけストレスが溜まるばかりだから、だから、別れたほうがお互いの為だと思った。こんな家族を続けるより、長い目で見れば、子どもたちにもそのほうがいいと思った。


お父さんから学んだことはたくさんある。

誰に対しても、ほんとに思いやりがあってよく気がつく。気が利かない私には、見習いたいと思うことも多かった。

ちょっとしたことを気にする私に、「すべての人に自分のことを理解されるわけじゃない」と言ったお父さんの言葉には、目の前の暗幕がすぅーっと上がったような気になった。

全然、愚痴をこぼさないところは尊敬だった。他人の楽しい話はしても、ぜったいに悪口は言わない。話が理路整然としていて、純粋に会話が楽しかった。

お父さんから、いい影響をいっぱいもらったと思う。

でも・・・

一緒に住んでいるのに、子育てを協力するでもなく、そんな会話もなくなってしまったら、一緒にいる意味がないよね。


今までありがとう。お互いにこれから先のそれぞれの人生、しっかり生きていこう、そういう気持ちだったんだけど。



ああ、今、これを書いて気がついた。

なんということ!

はるちゃんの病気は、お父さんと私をつないでおく大事な事件だったんだ。






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最終更新日  2006年11月09日 07時01分37秒
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