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おやじ女の華胥の夢
業界裏ネタから政治経済まで、 ときに楽しく、ときに腹立ち紛れに あれやこれやと書き連ね 巷をたっぷり語りましょう。 <<<<<<<<<<<< どんな情報を発信すると決めもせず、 とりあえずブログを始めてみましたが、 これまでに書きためたエッセイや小説なども 徐々にアップしていこうと思います。 フリーページもたまにチェックしてみてください。 ※本ブログでは、以前は時事ネタや政治への提言など、 多少は世間様のお役に立つ論評や情報を提供していましたが、 去年病気をしてからは、私亡き後に家族や友人知人がこれを見て 「そんなことを考えていたのか」 「そんな生活をしていたのか」 と懐かしんでくれるような、極めて私的な内容になっています。 何卒ご理解のほど。。 とはいえ、政治ネタや時事ネタも懲りもせずに扱いますので よろしくお願いいたします。 >>>>>>>>>>>>
カテゴリ:湯治旅
大阪駅から鳥取駅までは、特急「スーパーはくと」で
およそ2時間。 ![]() 鳥取駅から湯治宿の最寄り駅までは在来線で30数分。 在来線に乗り換えると、車内は意外にも混んでいた。 前回と同じ曜日、同じ時刻の列車なのに、 乗客は前回より3割増といった感じ。 沿線でイベントでも開催されるのだろうか。 そんな中、進行方向と逆方向ではあるが 虫けらは座席を確保できた。 特急でもないのに、ボックスシートになっているのだ。 斜向かいには年配のご婦人が座っておられるが、 座るときに「失礼します」と一言挨拶をしたら、 こちらを向いて小さくうなずかれた。 ご婦人は自治体が発行しているとみられる新聞を 一心に読んでおられる。 逆方向に目を向けると、前方(進行方向で言うと 後方)の席では二人のご婦人が駅弁を召し上がっていて、 横のボックス席の男性二人とお連れのよう。 四人で割と賑やかな会話を繰り広げておられることから、 旅行と見られる。 虫けらの横のボックス席には女性が二人。 虫けらより少し上かな、という年頃。 虫けらからよく見える女性は標準語。 虫けらと並んで座っておられる女性の声は一向に聞こえないのに、 標準語の女性の声は絶え間なく聞こえる。 “うるさい”というほどではないが、 話の内容が全て聞こえてしまうという 何とも気になる状況だった。 ●娘への教育方針 ●娘の考え方 ●結果と現状 という、結構ヘビーな話題ながら、 どうも随分昔の話のようだ。 ご婦人の年齢からすると、30年以上前か。 余り聞かないようにしようと、 イヤホンで聞いていた音楽の歌詞を見てみたり、 Xのタイムラインをチェックしたりしていたので、 全ての会話を聞いたわけではないが、 概ね「自慢話」だったのだと理解している。 つまり、「自分の娘は優秀だ」という話を エピソードにまみれさせてやんわり語ったということだ。 が、虫けらにとって標準語は とてもストレートに聞こえるので、 やんわりではなく、ダイレクトに聞こえたのだが。 標準語の女性は、 「ここ、どこ?」 と、駅に到着するごとに中腰になって車外を見る。 駅名標を確かめるためだ。 実は、女性が向いている方向(車両の前方)に 電光掲示の料金表があり、到着駅の名称が表示されているし、 虫けらが向かっている方向(車両の後方)にも 駅名が表示される。 土地勘がないからか、注意散漫なのか そのことに気づかずに、停車駅ごとに大騒ぎである。 『どこまで行かれるのかなぁ』 と何気なく思っていたのだが、 虫けらが降りる駅の手前で食べていたお菓子を カバンにしまったり、温泉の話を始めたりしたので、 ちょっと嫌な予感に襲われていたのだが……。 かくしておばさま方は虫けらと同じ駅で降車した。 その駅には、有名な温泉地の名称がついている。 が、虫けらが宿を取った温泉の名称は別だし、 大変ローカルな場所にある。 既に書いたが、駅まで迎えの車を宿にお願いしていた。 が、虫けら一人のために車を出してもらったのではないかと 心配になるほど、マイナーな温泉地なのだ。 おばさま方は、きっと有名な温泉の方に行かれるのだと 自分に言い聞かせながら、キャリーバッグをゴロゴロさせ、 乗車券をバッグから取り出して切符入れに投入(無人駅)、 宿の車の待つ場所に移動した。 迎えの運転手が虫けらの顔を見るなり、 運「◯◯さんですか?」 虫けらの名前を告げてくれたので、 虫「はい」 と言うと、運転手がキャリーバッグを持ってくれたので、 いそいそとマイクロバスに乗り込んだ。 あっ!! いるではないか、おばさま方。 虫「お待たせしてすみません」 と言うと、手前に座っていた標準語のおばさまが 笑顔で「いえいえ」的な言葉を返してくれた。 しかし……、なーんか嫌な気分で宿に向かう。 結果、このご婦人たちとの絡みは4度もあった。 1度目は食事のとき。 隣のテーブルだったので、会話がまる聞こえ。 2度目は食事が終わって浴場に行ったとき(⑤19:30、 しかしこの日だけは20:30だった)。 おばさま方ともう一人、計3人が浴場におられたが、 虫けらが入ったときにお一人が退出されたので、 おばさま方と虫けらの三人になった。 虫けらは食事前に大浴場に行っているので、 体をさっと洗ったら、すぐに湯船へ。 「展望風呂」という名称でありながら、 全く何も見えないことにご不満な標準語のご婦人が しきりに窓ガラスに湯をかけて 曇りを取ろうとしている。 (翌朝に判明したのだが、日中は外から中が見えない フィルムガラスになっていて、中が明るい状態だと、 中から外が見えない) 何も見えないので、諦めて静かに浸かると思いきや、 洗い場にいるもうお一方にしきりに話しかける。 虫けらは、うるさいなぁと思いながら声をかける。 虫「どちらからお見えですか?」 標「え?(話しかけられてびっくりした表情) あ、私は東京です。彼女がこっちの出身で…」 虫「そうですか。落ち着いたいい温泉場ですね」 標「ええ。彼女の推薦で」 多分、標準語のご婦人は、ちょっと意外だったのではないか。 ひなびたにもほどがあるだろ! とでも思っているように 虫けらは思った。 標「先に出ていい?」 洗い場の相方様が 相「うん、どうぞ」 初めて声を聞いた。 別に大人しそうだとか、遠慮がちとかといった感じではなく、 普通のご婦人だった。 洗い場のご婦人は、急いで洗おうというふうでもなく、 マイペースで体を洗い、洗髪をし、 湯船には入らずに脱衣所へ。 脱衣所から、標準語のご婦人の声がしきりに聞こえた。 5分ほどしたら静かになったので、 お二人とも浴場を後にされたのだろう。 3度目は早朝の入浴(①5:30)。 浴場のドアを開けたら、お二人がいらっしゃるので、 『こうも一緒になるものか』 と半ばがっかりした。 ここでも、標準語のご婦人は騒いでおられた。 朝日で照らされた景色を見ながらぶつくさ。 「展望」と銘打ちながら、見えるのは民家と山と空だけ。 虫けらも軽く落胆したので、気持ちはわかる。 しかし、朝日に照らされる建物や鳥のさえずりは とても心地よかった。 4度目は朝食時。 また隣の席なので、話が丸聞こえ。 とにかく言葉の多いご婦人だった。 相方のご婦人の声は、数回しか聞こえなかったと記憶している。 どういう間柄だろう。 虫けらが一緒に旅行に行ったことがあるのは、 小学生時代からの友人と、専門学校時代の友人の二人だけ。 食事や映画くらいなら、大して人を選ばないが、 旅行となると、居心地の悪い思いをするのが嫌なので、 相手は限定される。 あの、声の聞こえないご婦人は、 この旅行をよしとしているのだろうか。 ま、人の心はわからない。 が、虫けらが標準語のご婦人と二人で旅行するのは嫌だ。 虫けらは割と聞き役なのだが、 あんなマシンガントークを傍らでされたら、 きっと耐えきれないと思う。 しかも、発する言葉がわがまま風味なのだ。 『一人でよかった』 と、改めて実感した虫けらであった。 安 堵 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.12 14:53:50
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