三重県 高校入試 記述問題の解き方 「変化」パターン
三重県の県立高校入試の社会科では、資料を見て答える記述問題が多い。 自学で志望校合格を目指す受験生にとって、模範解答と自分の書いた解答を比べても、減点されるのかどうかは悩ましいことと思います。 うちの塾で生徒が実際に作った誤答をいくつか挙げていくので、どこがダメなのか考えてみてください。問題)平成14年度 三重県立高校入試 社会より引用補足)Aは群馬県、Bは神奈川県できたら、自分でも解答してみてくださいね。Thinking Time! よくある誤答1)「綿花を輸入し、綿糸を輸出する加工貿易になった。」よくある誤答2)「1885年に比べて生糸の輸出が大きく増えた。」よくある誤答3)「綿織物や毛織物の輸入がなくなり、綿花を輸入するようになった。」どうでしょう。どこがダメかわかりますか。この問題を解くにはいくつかポイントがあります。ポイント1AとBがどこかわかること。Aの群馬県から「富岡製糸場」に関連しての問題であることがわかります。わからなくても問題は解けますが、わかると「繊維工業」について問われていることにすぐ気付けます。ポイント2必ず、問題文の主語と述語を確認すること。資料問題ではグラフや表の方に意識が行き過ぎるせいか、みなさん何を質問されているのかさえ忘れて答えていることが多いのです。 この問題の主語は「日本の工業は」です。述語は「どのように変化したか。」です。つまり「工業がどう変化したか」と聞かれているのですが、誤答例は全て「貿易」について答えています。ポイント3変化を聞かれた時は、beforeとafterで答えること。例えば、「Aさんの体重が60キログラムになりました。」という文ではやせたのか、太ったのかという変化がわかりません。「40キログラムから60キログラムになった」なら太ったことになりますし、「120キログラムから60キログラムになった」なら大減量です。ポイント41885年と1990年の比較であること。国語の記述問題でもそうなのですが、「比較しなさい」や「違いを答えなさい」という問題に対しては、必ず「Aは~で、Bは~」または「Aは~だが、Bは~」と答えます。この答え方でなくても大丈夫なケースはありますが、日本語がうまくない人は失敗します。以上を踏まえて正解例は「1885年には綿織物や毛織物などの製品を輸入していたが、1910年には綿花を綿糸にして製品として輸出できるようになるなど、繊維工業が発達してきた。」補足)輸入額、輸出額ともに増加していることは「発達してきた」(「盛んになってきた」でもよい)という言葉に収斂させています。記述問題を答えるときには、自分の回答を一言でまとめるとどうなるかを考えるとチェックになります。それが合っているなら、減点はあっても0点はまず付きません。この問題の場合、「日本の工業はどう変化したか」に対して、「繊維工業が発達した」と答えていることになります。どうでしょうか。文章で説明すると、思ったよりもきちんと説明できてませんね。ご質問などありましたら、コメント欄にでも書き込んでおいてください。