お泊まり旅デビューの舞台となる宿泊地、それは山中湖のカーロ・フォレスタである。山中湖の「ペットと泊まれる森のホテル」としてオープン以来、犬連れ旅好きの間で人気の高いホテルであり、土日の予約はなかなか取りづらい。部屋数も本館は7部屋、新館はメゾネットタイプのスイートルームが4部屋と、宿泊人数も限られているからこそ優雅な時間が過ごせる工夫が多々されている。併設ドッグランもウッドチップが全面に敷かれており、足にやさしい配慮が嬉しい。
今回宿泊出来たのは本当に大きな偶然である。というのも、何度か空き室情報をチェックしていたものの、土日は全て満室だったのが、ある日突然本館のスイートルームだけがぽつんと予約可になっていたのだ。多分、予約キャンセルによるものだろう。
これは今すぐ予約するしかない!
と、こうしてカーロ・フォレスタに宿泊できることになったのである。
■宿泊前にランチタイム
宿のチェックインは15時からなのだが、12時過ぎに着いてしまった私たちは、とりあえずランチをホテルのレストランでとることにした。ここはレストランのみの利用もOKだ。メニューはイタリアンが中心、更に犬用メニュー(ドッグコース=主食+デザート+ヤギミルク)も用意されており、思わず私のほうが食べたくなってしまいそう。
私たちはそれぞれ明太子スパゲッティ、ラザニアのセット、あかりには牛肉とキャベツのミルクリゾット+スイートポテト+ヤギミルクのコースを注文し、満足のランチタイムを楽しんだ。
あかりったら、接客のお兄さんが来るたびに愛想を振りまき、恋しちゃってルンルン状態。こちらが恥ずかしくなるばかりだ。
■ウッドチップのドッグラン
チェックインまでにまだ時間が有り余っているので、併設ドッグランのなかに入ってみた。ところが、ちょうど中途半端な時間帯だったせいか、ドッグランには誰もおらず、貸し切り状態を楽しむあかり。といっても、あかりは家族から離れてひとりで遊ぶ、ということをほとんどしないため、折角ドッグランにいても、私たちのどちらかが走らない限りはあかりもじっとしているから、困ったものだ。(運動、キライなのか?それとも、人と離れるのが嫌なのか。)
自然の林のなかにいるような感覚のドッグランは、ウッドチップが敷かれているので、わんこの足にやさしい。しかも、土と違ってドロ汚れがつきづらいというのも良かったり。といっても、ウッドチップの下は土なので、ワンコの本能である穴掘りをされたらひとたまりもないが・・・。
更にラン内にはちょっとしたアジリティ設備もあるので、メリハリある遊びが出来そうだ。
■カーロ・フォレスタ お部屋ご案内
さぁ、いよいよチェックイン。私たちのように人数の少ない家族が広々としたスイートルームに泊まるのはかなり贅沢か、と思ったものの、何事も経験!ということにしておこう。
カーロ・フォレスタ本館は、1階にスイート・デラックスの2部屋、そして2階にスタンダート5部屋、といった構成。スイートルームにのみ、部屋内にバス・トイレがついており、他の部屋は共用である点は個人的にはちょっとマイナス点であるが、まぁ泊まる人数が限られているので良しとしよう。(って今回はスイートなので気にする必要はないが)
部屋には、ワンコ用消臭・洗剤・タオル・ペットシーツ・食器類・トイレトレイなどが備え付けられており、更には空気洗浄機がドーンと設置されている。あぁ、まさしくペット同伴OKな宿であることを実感させてくれる設備だ。そして、スイートルームはやっぱり広かった。リビング空間と寝室空間が分かれており、バスルームもゆったりしている。広すぎて落ち着かないのは、私たち以上にあかりなのか、あっちだこっちだウロウロ。
あげくの果てに「外で遊ぼうヨ」って、オイオイ。
■他の宿泊客さんたちとのふれあいもこれまた楽しい
食事時間までまだ時間があるので、ホテルの玄関外に出てみると他のお客さんたちもワンコを連れながら散策していたり、はたまた、外で遊んできたワンコを洗っていたり。ホテル入口にはワンコの足洗い場もあるのだ。
そういえば、この日はやたらシェパード連れのお客さんが多い。
と思ったら、私たち以外の本館宿泊客は、なんと皆、同じ集まりだったようである。つまり、宿泊ワンコは皆揃って大型犬というわけだ。
なかでも印象的だったのは、玄関先でまったりしていたシェパードのサラちゃんとその飼い主さん。いろいろ話を聞かせてもらったのだが、いやはや、サラちゃんの従順さに感服するばかりだ。シェパードというと凛々しい印象が強いのだが、よくよく顔を覗いてみると、とっても愛嬌がある目をしてなんとも可愛らしい。
サラちゃんはレトリーバーと相性があまり良くないので、大丈夫かな・・・と飼い主さんにも心配されたのだが、なんとかサラちゃんが我慢してくれたのか、それともまぁまぁお子ちゃまだしね、と思ってくれたのか、喧嘩に至ることなく並んで写真を撮らせてもらえた。
こうしていろいろなワンコと仲良くなるのも、ワンコ旅の醍醐味かな、と思ってみたりもする。
■ディナーはイタリア料理のコースで
夕食はレストランでコース料理を楽しめる。あかりと一緒にいながらこういった本格的な食事が出来るだなんて感無量であるが、当のあかりにしてみれば「待っているだけ」なので申し訳なさを感じたりもする。とはいえ、またまたあかり用にドッグコースを注文しておいたので、それで勘弁してもらおう。
しかし、あかりは日中の疲れが一気に出たのか、テーブルの下で爆睡してしまった。そのおかげか、私たちは食事に集中できるうえに、他のテーブルの方々から「まぁ、お利口なワンちゃんだねぇ、テーブルの下できちんと寝てるね」と褒められてしまったり。
レストランに入る前にはたっぷり遊ぶ、これは今後も私たち家族の鉄則にしよう。
食事自体も、野菜を華やかにアレンジし、味・視覚ともに非常に楽しめる料理であった。また、オススメワインとしてユニークなものが紹介されていた。その名は「シャトー・ラ・ポーズ」、犬の足跡と骨型が可愛いエチケット(ラベル)のワインである。なんとこのワイン、カリフォルニアの獣医さんが作ったワインだとか。ついつい調子にのって注文してしまったが、さすがにフルボトルをひとりであけるのは難しく(昔の私ならば飲み干していただろうが)、お持ち帰りとなったのであった。味も「どっしり」という割には飲みやすく、料理を邪魔しない味わいであった。
満足の食事タイムを終えると、一旦部屋に戻り、再び外へお散歩だ。さすがに森の中は暗いのでホテル周辺を歩いて夜風を楽しむ程度だったが、ホテル内のプレイルームが開いていたので、ここでしばしあかりとボール遊び。これでは、家で過ごすのとほとんど変わらないか??
こうして旅の1日目は終わっていったのであった。
あかりも部屋のなかで自分の寝場所を探し、あっという間にご就寝。
「初めての場所で落ち着いて寝られるだろうか」といった心配は全く無用なものだったことを最後に付け加えておこう。