デジタルとアナログの狭間で
記録するのは、あるいは残すのはデジタルがいいのか、アナログがいいのか。悩むところでした。私は便利そうなモノを手に入れるたびに軸足がデジタルにふらふら~、アナログにふらふら~という感じでした。 アナログ(手書き)の良さは、自由度(字の大きさやレイアウトは自分の思いのまま、絵も特別なツールがなくても描ける)や書き始めまでのスピード(起動時間は関係なし)、バッテリー不要(バッテリ切れでデータが消えるような場合は)、場所を選ばない(デジタルグッズは飛行機などは制約があります)、いろんな筆記具が使えることなどだと思います。 デジタル(パソコン、携帯など)の良さは、フォームの整ったきれいなものが書ける(レイアウトができ、写真も貼りこめる、すぐに通信によって送ることができる、共有できる、検索できる、簡単に修正したり、使いまわしができるなどだと思います。 そんなそれぞれの良い点に引き寄せられて、どちらか一方にふらふらと軸足を移して、もう一方をおろそかにしたとたんに悪い点にぶち当たってイタタタタ~となるのが、かつての私でした。 会社に入って最初はキャンパスノートのようなノートを使っていました(最初はノートしかありませんでしたので)。1冊目、2冊目を書いているうちは何の不自由もなく、新入社員の頃は今見るとすばらしくキレイに書いていたので、過去の記録は探せば見つかし、まあ何とかなっていました。それが5冊6冊とたまり、さらには職場の先輩を参考にして目的別にノートを作ったとたん、さらに冊数が倍加して困ったことになりました。年を経るにしたがって字は汚くノートは乱雑になって、いつ書いたものかわからなくなる始末。 目的別にノートを作ると、整理できそうな気がしますが、私の場合逆でした。たいてい会議などに持って行ったノートの案件だけでなく、別の案件も同時に発生したり、話題になったりするものです。緊急避難的に別のノートに書くわけですが、これが重なると、分けたはずが混じり合っていくという結果になり、区分けがいい加減になってしまいました。だからといって何冊もノートを持っていくのは重いし、煩わしく嫌だったので仕方がありません。 ではということで、書いた後にファイリングすればいいのだと、リング式で1枚ずつ切り離せるミシン目つきノートにしたのですが、A4サイズだと両面に書ききるまで結構書かなければならないので、書きかけのページが何ページもできるし、ファイルに綴じてもどこに行ったかわからなくなるしでやっぱり困っていました。 一昨年末頃は熊谷正寿氏の「一冊の手帳で夢は必ずかなう」に触発されてシステム手帳を使ってみました。A4でなく、バイブルサイズのリフィルならと思ったのですが、先日も書いたとおり、ちょっと私には記述できる面積が狭すぎました。また、項目別に整理するのも、私には合わないようです。また、バイブルサイズのシステム手帳は記述できる面積の割には思いのほかかさばる感じがします。でも、書くということ、そしてそれを折を見て見直すということが良いことだということには共感し、意を強くしたのでした。 一方、デジタルは後で整理しなおせるし、記録が行方不明になりにくいし、ハンドヘルド機器だと持ち運びに便利なので、よさそうなデジタルガジェットが出ると、つい買ってノートをおろそかにしていました。でも、小型機器ではほとんどテキストしか実用になりません。図がかけない、絵がかけないと困り、起動が遅いと困り、バッテリが切れては困り、日本語変換にも困らされ、やっぱりノートが必要だということで打ちひしがれてノートに戻ってくることになるのでした。 最終的にたどり着いたのは急ぎのメモ、一次データなど紙に記録すべきものはノートに書き、さらにノートは1冊にすべての案件を書くというスタイルです。そのノートとして最近使い始めてよかったのがモールスキンモールスキン方眼ノート・ラージで、これにデジタルグッズ(パソコン等)を組み合わせて、両方を使うのが今の形です。