伊勢のお木曳き
何という幸運でしょう。五十鈴川の中に入り、神宮の神殿を建て替えるための御用材を曳く”川曳き”に参加できたのです。雨が続いていたので、川の水嵩が増し、場所によっては胸まで浸かります。勇壮な木遣唄に合わせて一艘を800人位の人が「エンヤ!エンヤ!」と曳くのです。全部で三艘。宇治奉曳団に参加させていただきました。途中の段差がある所や内宮に向けて陸に引き上げる時には、木遣衆の掛け声に合わせ、全員が心をひとつにして力を合わせます。感動です。聞くところによれば、今までは地元の神領民と呼ばれる人達しか曳くことができないものだったそうです。ゆるゆると流れる時間のなかで、凛々しい木槍衆が唄う勇壮な木遣唄が流れ、合いの手を大声で入れながら曳き、時折”暴れるぞ~!!”の声に合わせて全員で綱をゆすり大騒ぎ。頭からビショビショになりながら皆が笑っています。楽しかったなぁ~・・。こんなに単純に大笑いをしながら集中したことって最近あっただろうか・・。最後は内宮で参拝。水に濡れたはっぴ姿のままおかげ横丁を歩いていると、お店の人達が口々に”ご苦労様”と声をかけてくださる。どれほど大切な行事なのか身をもって知りました。素晴らしい体験でした。巨大チームビルディングですね。心地良い疲れが全身を支配しました。感謝。