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カテゴリ:本
スマホで、夏目漱石の『こころ』をダウンロードした。
何度か読んだ作品だが、いまだに、よくわからない作品で終わっている。 よくわかった、といった読後感より、なにか、よく分からない得体の知れない不気味なものの存在を匂わせる。 最初の舞台となった鎌倉の海岸がどこだか調べたくなって検索してみた。 材木座海岸(滑川の東側。西側は由比ガ浜という。)らしい。 その検索結果とともに、ネットの記事を見つけた。 先生と私の出会いがホモセクシャルな一目惚れで、先生と歩く外国人も、ひと夏のバカンスを楽しんでいた、といった解説がある。 そうだったのかと、腑に落ちる部分もあり、100年も騙されていたと思う気持ちもあるが、高等遊民と呼ばれる人や、オタクなどの関係に同様な男の関係が生じている気がする。 肉体的なものより、精神的なつながりである。 他には志を同じくする師弟関係などにも見られる。 いい文学作品は、読者に素材を提供する。 それに右から光を当てるのか、左から光をあてるのかは、こちら側(読む人)の問題である。 『こころ』がLGBTなどの特殊な心をもった人の心理に通じているのは、高等遊民という明治に生まれた特定集団の世界観が、それと重なるからだ。 それまでに書かれていた漱石の『三四郎』、『それから』、『門』はその高等遊民がテーマとなっている。 そんな、『こころ』がLGBTを取り上げている説に触れたあと、最近の日本語を学ぶ中国人たちの様子を聞くと、中国でも文化の爛熟とともに特定集団に引きこもりがちの事態が発生している。 来日してゲームばかりしてる中国人 アニメの世界に入り込み夢に浸っている中国人 性同一障害やレズビアン、ホモセクシャルであることを日本で初めて正直に人前で口にすることができた中国人 そして、特定の集団というわけではないが、人生初の挫折と戦う中国人もいる。 中国にいたときは、親の権力、金で、成績証明をもらい、有名大学に進学し、来日した日本での受験で人生初の挫折を経験して引きこもりになる中国人 今までは、生まれた世代による違いが性格形成に影響が出ているとおもっていた。 確かに世代で80後(bālínghòu パーリンホウ)、90後(Jiu Líng Hòu ジョーリンホウ)、00後(líng líng hòu リンリンホウ)と分け、その行動様式の違いを比較される。 だが、親に言われて行動を決める最近の中国人の若者は、世代というより、独特の特定集団を形成し、ライフスタイル循環に、安心を感じている。 そして、その結果、多方向に渡るメンタルケアが必要な事態が発生している。 そんなことが見える最近である。 夏目漱石(ナツメソウセキ) 1867-1916。江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、「吾輩は猫である」を発表し大評判となる。翌年には「坊っちゃん」「草枕」など次々と話題作を発表。’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 私が出会った「先生」は、不思議な人だった。過去に何があったのか。私は追いかけるが、判らないまま…。そしてある日先生から手紙が届く。 自由と孤独の時代に生きる「人間の自意識」を描いた、漱石不朽の名作『こころ』。それは今からちょうど百年前に、現代人の肥大化する自我を見通した先駆的小説でもあった。「あなたは腹の底から真面目ですか」。功利的な生き方を否定し、あえて“真面目さ”の価値を説いたこの作品を通して、人との絆とは何かを考え、モデルなき時代をより良く生きるための「心」の在り方を探る。 人間を信用せず、豊富な知識を持ちながら仕事にも就かず、美しい妻と隠居生活を送る「先生」には、人には言えない暗い過去があった。ある日、「先生」の不思議な魅力に惹かれていた「私」のもとに突然、一通の遺書が届く。遺書が物語る「先生」の壮絶な過去とは?日本文学史に輝く文豪・夏目漱石が人間のエゴイズムに迫った名作を漫画化。 『こころ』はどう読まれてきたか(石原千秋)/対談(文芸漫談夏目漱石『こころ』を読む(奥泉光×いとうせいこう)/こころ夏目漱石(水村美苗×小森陽一) ほか)/エッセイ(少数派として生きること(東浩紀)/喉に引っかかった魚の小骨のような疑問(大澤真幸) ほか)/講演(漱石の多様性ー『こゝろ』をめぐって(柄谷行人)/『こころ』(吉本隆明))/評論(淋しい人間(山崎正和)/師弟のきずなー夏目漱石『こゝろ』(一九一四年)(作田啓一) ほか)/『こころ』をこれからどう読むか(石原千秋) 『坊っちゃん』は中二病の物語?『こころ』って傑作じゃない…『それから』に潜むミステリー!奥泉流・小説読解の10のメソッド。漱石を面白くするのは君だ!! 『こころ』『吾輩は猫である』『三四郎』『それから』『門』…広く知られた漱石の小説ですが、じっくりと読んでみたことはありますか?鋭い社会へのまなざしや深い人間洞察には、読み返すたびに新しい発見があります。漱石作品を心の糧にしてきた著者と一緒に、100年以上読み継がれる奥深い魅力を味わってみませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.02.16 05:29:33
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