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カテゴリ:方針
続き-----------
月曜日。瓶屋へ行った。大阪市の北の端。何度も行ったのにストレートに行けない。 確かこの辺…と車で、街角を幾つも曲がって探す。大阪の南の端を突き抜けたところからだから、約2時間。 「トイレ行きたい。あのスーパーへ寄って」 対抗車線にスーパーがある。Uターン出来る所を通り過ぎる。 「なんで?」 「ヤスミや。改装中」 気がつかなかったけど。 公園がある。 「あ。あそこにトイレ」 駐車場がない。道の行き止りに駐める。 トイレのペーパー・ホルダーが壊れている。水道のカランが無い。マナーの悪いヒトが住んでいる町らしい。 でも、無料だった。 製造業の会社が多い。トラックに荷を積んでいる人がいた。車を止めて訊いてみた。 「○☆カガク、ご存知ないですか?」 「さあ。知りません」 自転車に乗ろうとしているおじさんに訊いた。 「知りませんなあ」 この町なのに、誰も知らない。クリーム色の壁で、よく目立つ建物のはずなのに。犬を連れたおばさんに、ショータンが訊くと言った。 「あ。あのトラックの傍におる人の方がええと思うわ」 トラックのそばまで行って車を止め、訊いた。 「○☆カガクという会社、知りはらしません?」 「ここですよ」 ○☆カガクの倉庫だった。 道の向かい側が会社で、トラックの陰になっていて見えなかった。 会社の建物は外壁を塗り直してキレイになっていた。玄関も前と違っていた。 事務所が大きくなって、デスクも多い。二人ぐらいしかいないのだろうと思っていた事務員が、八人もいた。前は事務所のカウンターの前に応接セットがあったのに、はみ出した二人が机を並べていた。おきゃくさんは座る所がないのだ。なんに判らない事務員八人もいて、なにしているのだろう? 「営業部A川さん、いらっしゃいますか?」 「ただいま出ています」 「金曜日お電話したB研です」 「はい。いらっしゃいませ」 「faxで見積もりいただいたんですけどね---」 届いた見積書をバッグから出して見せた。 「これ、なんと書いてます?」 オンナノコはじっと見て言った。 「4マン4センエンですね」 440万と読めたけど、4万4千円と読むか!? この子が書いたのではないらしい。 オンナノコは見積書を持って事務所の奥へ行き、真ん中のデスクにいた男性と話をした。男性がこっちへ来た。 「\4Oと\50で、よろしいですか?」 「茶色が4箱、透明が6箱、注文したいんです」 「注文書、ファックスで送って戴けますか」 「ここで注文したら、ダメなんですか?」 「整理上、注文書がないと…」 前の課長は電話せずに来ても、はいはいとすぐに品物を揃えてくれた。 「品物は、これでいいんですね」 「あ。見本持って来ました」 「はい。営業のA川に確認させますので、お預かりしときます」 まあ、念には念を入れてでいいけど。 「その見積もりの合計、なんでそんなになってるんですか?」 「あははは---。機械が、百と認識したんですね」 あっさり言った。見積書のコピーをとってから、コピーの方の一番上の1字をボールペンできゅきゅっと消して渡してくれた。ゼロの数じゃなくて、百万の位の字が多かったんだって…… 『百と認識した』ってどういうこと? オマケはそんな所には要らないよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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