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ミュンヘン市内の、公立美術専門学校に通っている、我が家のおねえちゃん。
学校の名前は、ニュージャーマンシネマを代表する映画監督の名を冠して、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー学校というのですが、その生活指導もなかなか厳しいことがわかりました。 というのも、おねえちゃんとおにいちゃんの二人は、この年末年始に日本に行ったのですが、その期間が、約2週間あるバイエルン州の学校休暇よりも2日長かったんですね。 どうしてそんなことになったのかは、後で詳しく述べさせていただきますが、とにかく、公立学校に通う学生である二人、日本への出発前から 「ママ~、どうしてこんな日程にしたの~?」 「学校に怒られちゃうよ~」 「わたしなんか、病気でもないのに2日休んだら、退学になっちゃうんだからね~」 などと、ブーイングの嵐。 それでも、ドイツで生まれ育っていないわたくしは 「まあ、学校もわけを話せばわかってくれるわよ」 といなしつつ、一応、年が明けての最初の登校日である1月7日には、おねえちゃんの美術専門学校と、おにいちゃんの通うギムナジウムの2校にあてて、サイン入りの書面にて欠席届けをファックスで送っておきました。 で、週が明けて今週の月曜日に登校した二人。 まだ未成年のおにいちゃんのほうは、親のサイン入りの書類があるということで、学校のほうはこれでよしとしてくれたらしいのですが、18歳でドイツでは成人になっているおねえちゃんのほうは、 「これではあかん! 校則に違反した場合は、断固とした処置をとる!!」 みたいな雰囲気になっている、という本人からの連絡が。 のんびり屋のわたくしも、そこでようやくあわてまして、さっそく校長先生にお電話をかけました。 ところが、タイミングが悪く、1度目は授業中、「休み時間にまたかけてください」という秘書さんの言葉に従ってもう一度かけたところ、今度はほかの用事をかたづけていたわたくしが出遅れて、「先ほど外部でのミーティングに出かけました」とのこと。 あらら、と思っていると秘書さんが、「でも、校長先生からの伝言があります。明日の9時半に、お嬢さんといっしょに校長室までいらしてくださいとのことです」 これが昨日のことで、ドイツでは、こういう場合は、もう先生の言うことに絶対従っておかないといけません。そこでわたくしも、本当は別口の予定があったのをキャンセルして、今日、学校に行きました。 もう平謝りに謝って、土下座してでも、今回の件を許してもらわないといけません。 最初に学校の昇降ホールでおねえちゃんと待ち合わせ、校長先生のお部屋へと通じる廊下にさしかかると、そこでばったりおねえちゃんのクラスの担任の先生にもお会いし、そのほがらかな笑顔の先生も、校長先生からのメモが入っていたということで、じゃあいっしょに校長室へ行きましょうということになりました。 校長室へ行ってみると、まだ先生はお部屋にいらっしゃらないようで、お帰りになるのを待つ間、担任の先生ともちょっとおしゃべり。 彼女も一度、日本に行ったことがあるのだそうで、「行ったのは東京だけだったけど、とても印象的だったわ」とおっしゃっていまして、そうこうするうちに、校長先生もお戻りになり、みなで校長室へ。 校長先生は、こちらも笑顔の気持ちのよい、小柄な女性の方。 どうぞお座りください、と促され、4人そろって席に座ったところで、さあここが肝心とばかりに、わたくし、口を切りました。 「今回の日本行きに関しましては、本当に申し訳ございません。なにしろチケットの予約をしたのが7月で、その時にもわたくし、ちゃんとバイエルン州の学校休暇を確認したはずだったのですが、どうもその際に1月9日まで休みだと勘違いをいたしまして・・・」 と、言葉がまだ終わらないうちに、校長先生が口を開きます。 「そう、7月の段階ではそうだったんです」 「?」 わたくしも、おねえちゃんも、担任の先生も、一瞬けげんな顔をしたのでしょう。校長先生が続けておっしゃるには、 「7月の時点では、バイエルン州の学校休暇は、確かに1月9日まででした。それがそのあとで訂正されて、短くなったのです。ですから、今回の不登校2日分については、ちゃんと理由があって欠席したものとして処理しますので、大丈夫です」 どっひゃ~! こういうオチがくるとは思っておりませんでしたよ。 でもまあ、終わりよければすべてよし、ということで。 なんだか、よい意味でほっと気が抜けたわたくし、その後はおねえちゃんのテキスタイルの授業をちょこっと見学させてもらうことに。 おねえちゃんが前もって、テキスタイルの先生に、「今日ママが来るから、ちょっと授業見てもいいですかー?」って、了解をとりつけていたんですね。 教室に行ってみると、18歳前後の女子10人ほどが、作業台の思い思いの場所に陣取って、自分でおこしたデザインにしたがって切り取った布の配置に悩んでいたり、ミシンにむかっていたり・・・。 おねえちゃんの作業内容は、昨年の秋からとりかかっている、ウオッカの瓶のレザーによるデコレーション。 どういう指導要綱のもとで、こういう作業をしているのかは、外部の人間にはちょっとよくわかりませんが、とにかくおねえちゃん本人によると、瓶の肩のカーブしている部分の製図に苦労したとかで、ちゃんと最初に布でお試しのものを作ってから、今日いよいよレザーの縫製にかかるところでした。 レザーは、布と違って、一度針を通してしまうと跡が残ってしまうから、一発勝負なんですね。 先生がまず、レザーの端切れでミシンの糸調子を見てくださって、さあいよいよ本番です。 おねえちゃん、ああ緊張するとか、大騒ぎしながら縫ってましたけど、なんだか全体にのんびりした授業でした。いまの課題が終わるのはいつなんだろう? ドイツの学校って、ほんとおもしろいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.01.14 22:41:24
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