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テーマ:本のある暮らし(3222)
カテゴリ:日々の読書(学術・教養)
現在の我々の生活は、光技術によって支えられていると言っても過言ではない。例えば最近の通信技術を見ると、幹線部分は言うまでもなく、各家庭への引き込み部分についても、FTTHと呼ばれる光ファイバが主流になりつつある。また、音楽に使われるCDや映画が記録されたDVDなども、光技術の発達なくしてはありえないのである。
「光化学の驚異」(光化学協会編:講談社ブルーバックス)は、その光技術について、化学という側面から、次世代技術の最前線について解説したものである。 ![]() 日本は、この分野でも世界のトップを走っている。この本では、第一線の研究者が分担して、いくつかの最先端のテーマについて、解説を行っている。 例えば、酸化チタンという物質がある。この物質には光触媒作用があり、光を当てると、表面の有機物を分解してくれる。つまり、光を当てただけで、汚れが落ちてしまうのである。 その他にも、光で動く分子モーター、光による情報記憶、液晶技術、レーザーを使った微細加工や微粒子の分析など興味深い話題が多い。それぞれのテーマは、一部関連しているところもあるが、独立して読めるので、興味のあるところだけを読むのも良いであろう。 内容は、やや専門的。普段は聞きなれない物質や専門用語も出てくるので、正直読みにくい部分もある。ただ、理科好きな高校生レベルの化学に関する知識と、多少の忍耐があれば、読めないことはないと思う。 今世紀は、間違いなく「光」の時代である。このような本をきっかけに、この分野の研究者を目指す若者が増えることを願う次第である。 ![]() ↑にほんブログ村の「本ブログランキング」に参加しました。ここをポチッと押していただければランキングが上がるそうです。記事の内容がお気に召しましたら、よろしくお願いします。 m(. .)m 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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