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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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日々の読書(学術・教養)

2018.08.16
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雑草のはなし 見つけ方、たのしみ方 (中公新書) [ 田中修 ]
価格:907円(税込、送料無料) (2018/8/16時点)


 身の回りでよく見ることができる植物、一般には雑草と呼ばれるものについて解説したものである。本の構成は以下の通り。

第1章 春を彩どる雑草たち
第2章 初夏に映える緑の葉っぱ
第3章 夏を賑わす雑草たち
第4章 秋を魅せる花々と葉っぱ
第5章 秋の実りと冬の寒さの中で

 本書を読んでみると、身近な植物に関するいろいろなことが分かる。例えばタンポポ。日本古来のタンポポは少なくなり西洋タンポポばかり目立つようになった。その理由は繁殖力が違うことがひとつ。西洋タンポポは自分の花粉で受精できるが、日本のタンポポは自家不和合性があるので自分の花粉では受精できない。また西洋タンポポは種からすぐに芽を出すが、日本のタンポポは秋になるまで芽が出ないそうだ。しかし都会で日本タンポポが少なくなった本当の原因はそれまで生息していた場所をどんどん開発した結果だという。またタンポポの花の色に関して、次のような記載がある。

<四国や九州の一部では、「タンポポの花は白いもので、黄色のタンポポの花はめずらしい」という。>(p42)

 私の故郷は山口県でぎりぎり本州ではあるが、子供の頃はタンポポの花は殆ど白かった。だから黄色いタンポポの花を見つけたときはうれしかったものだ。しかし、今は黄色い西洋タンポポが多い。

 その他、ハルジオンとヒメジョオンの違い、カブと大根の違いなど、身近な植物に関する蘊蓄でいっぱいだ。花はかわいいのに、酷い名前を付けられているオオイヌノフグリ、ヘクソカズラも出てくる。

 一口に雑草と言っても、色々な種類があるものだ。一つ一つは小さな植物だが、生き残っていくために様々な工夫をしているのだ。よく見れば可憐な花を咲かせているものもけっこうある。本書を読めば、あまり目に留めることがなかった雑草でも、これからは違った目で見ることができるようになるのではないだろうか。

※初出は、​「風竜胆の書評」​です。






最終更新日  2018.08.16 16:21:23
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2018.08.14

 ドラマや小説などで警察官がメインのものが結構あるのだが、その設定にかなり無理があるものが目立つことにかなり前から気が付いていた。例えば本書によるとあの「太陽にほえろ」の七曲署藤堂係長の階級は警部だそうだ。しかし警部で所轄の課長なら分かるが係長というのはありえない。ユースケサンタマリアの演じる「踊る大走査線」の真下正義はキャリアという設定だが、入庁2年目で湾岸署の係長をやっている。所轄の係長といえば、階級は警部補だ。しかしキャリアなら入庁2年目だったら警部になってるはずだ。所轄の係長ということはない。このほかにもいろいろと警察を舞台にしたドラマや小説などにはツッコミどころがあるようだ。いくら娯楽作品でも設定がいい加減だとリアリティに欠けると思うのだが。

 本書には掲載されていないが、この他、27歳警視で警視庁の参事官(管理官なら分かるが参事官というのは、課長より上のポストだ。いくらキャリアでも27歳警視でなれる分けがない。)をやっていたり、警視長で左遷されて所轄の署長をやっていたり(所轄署長は、警視か警視正のポスト。警視長なら小さな県警の本部長でもおかしくはない。)や果ては警視庁の50前後の警部補が「俺たちは国家公務員だ!」(正しくは地方公務員。警視庁って「庁」ってついているけど、東京都警なんだよね。都道府県の採用でも警視正以上に出世すれば国家公務員になるんだが)と叫んだり。もっとも設定が変なものでも、それなりに楽しんで視たり読んだりしているので、話の面白さ・痛快さとはあまり関係はしないことは一応付け加えておこう。でもできるだけ正しい設定でやって欲しいと思う。

 私も別に警察に在籍したことはないのだが、ミステリーをよく読むのでこのくらいの知識はある。ちょっと調べればわかることをそうしないというのは、何らかの意図があるのだろうか。

 本書は警察の仕事、階級と役職の関係、本部と所轄との関係、キャリア・ノンキャリアについてなど丸ごと一冊警察百科という感じだ。中の人には常識的なことかもしれないが、外から見た場合、警察というものはなかなか実態が分かりにくいものだろう。警察ドラマや警察小説が好きな方には、この程度の基礎知識を持っておくと、突っ込みながらも、より楽しめるのではないかと思う。ただ83ページに掲載されている階級と年齢との関係は古いんじゃないかな。今はキャリアの昇進はこれより遅れていると聞くし。

※初出は、​「風竜胆の書評」​です。






最終更新日  2018.08.14 09:22:38
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2018.08.10
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日本全国駅名めぐり [ 今尾恵介 ]
価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/10時点)



 本書は一言で言えば、駅名に関する蘊蓄を一冊に纏めたものだ。書かれているのは、どうしてそのような駅名になったのかという由来など。駅名と言えば、旧国鉄も含んだJRのものがまず考えられるが、それだけでなく私鉄や路面電車、果ては道の駅などにもレンジが広がっている。

 本書によれば駅とは本来、鉄道の駅を指すものではないようだ。

「そもそも駅という字は「早馬」を意味し、古代に官道の途中に伝馬用の馬を置く施設を指した。馬の乗り継ぎだけでなく休憩や食事ができる場所であり、後に宿場と呼ばれるようになるが、明治以降は宿駅の制度は廃止された。」(p76)


 私が子供の頃には、近くにバスの駅があり、人もいて、売店もあったので、駅というものは鉄道だけではないというのはよく実感できる。

 取り扱いも全国に及び、私の出身県や住んでいる県の駅名も結構ある。第一章の「変わった駅名」の中に「知らなければ読めない駅名」という節がある。全国的にも難読駅名として有名な山陰本線にある「特牛(こっとい)」は載っていたのだが、「厚保」はなかった。これはJR美祢線の駅で、「アホ」ではなく「アツ」と読むのだが、絶対に知ってないと読めないと思う。このように自分の知っている変わった駅名があれば本書に掲載されているかどうかを探してみるというのも楽しい。

 全編、駅名に関する豆知識がいっぱい。読んでいると楽しくなり、各駅停車に乗ってのんびりと旅がしてみたくなってくる。鉄道ファンの人におススメの一冊。特に乗り鉄を自認する人にはいいかな。

※初出は、​「風竜胆の書評」​です。






最終更新日  2018.08.10 10:05:20
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2018.07.29

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地理 2018年 07月号 [雑誌]
価格:1300円(税込、送料無料) (2018/7/29時点)





 すっかり嵌ってしまった月刊地理。今月号の特集は、「インド 変わる大都市圏」だ。インドというと多くの人は次のようなことを連想するのではないだろうか。仏教の古里。ヒンズー教とカースト制度、ヨガなど。インダス文明、ガンジス文明発祥の国。近年はIT大国として知られていることなどを思った人はかなり立派な人だ。インド出身の天才数学者ラマヌジャンを思い浮かべた人は稀有といってもいいだろう。かように私たちは、インドについて知っていることは少ないのである。

 そのインドは、近年経済成長によりその姿をどんどん変えている。本特集はインドの大都市圏が近年どのように変わっていくかについて述べたものだ。例えば、インドでは、近年の急激な経済成長に伴って、都市圏がどんどん拡がっている。例えば、首都のニューデリーを含む首都特別地域であるデリーは、最初は都市面積わずか43.3平方キロしかなかったものが、どんどん拡大して、現在の1483.0平方キロになった。

 消費市場も拡大しており、ショッピングモールなどの新しい流通システムも見られるようになった。eコマースも急拡大。かってはビジネス関係の講演会などに行くと、車の例がよく語られていた。日本は、インド向けのスペックで作らないから売れない。日本と同じように考えるとオーバースペックになってしまい高価なものになるからだと。しかし、今インドで一番車を販売しているのは日経企業のマルチ・スズキ社だ。時代はどんどん変わっている。

 「アーバンビレッジ」というものもなかなか興味深い。「アーバンビレッジ」というのは都市計画区域から除外された農村集落で上下水道や道路などが未整備ではあり、多くの地域問題はあるものの、大都市圏への安い住宅の供給地として重要な役目を果たしているという。

 ちょっと気にかかることがある。「デリー首都圏における市街地の形成と変化」では、同じ論文の中で、面積の単位に平方キロを使うだけでなく、エーカーを使ったり平方ヤードを使っているのはどうなのだろうか。普段からこの単位に馴染みがあれば、問題はないのだが、日本にはそれほど馴染みがないのではないだろうか(最も、ヤードはゴルファーなら馴染んでいるかも)また、インドの貨幣単位ルピーも分かりにくい。ここは注釈でも日本円で大体いくらくらいの記載をして欲しかった。(為替レートの変動があるので、正確にはできないが、〇月〇日で日付を限って換算すれば、不可能ではないと思う。)

 兵法の一つに遠交近攻というのものがある。近い国とは争って遠い国とは親交を結ぶというものだ。この時代に、戦争をするというのは論外だが、私たちはもっとインドのことを知ってもいいのではないだろうか。インドは対日感情もいいと聞く。アジアで国として最も親交を結ぶべきはインドだろうと思う。

 ところで、この号を読んでいる時に、たまたまテレビでインド版「巨人の星」を紹介していた。ただし野球ではなく、インドの国民的スポーツであるクリケットが対象だ。インドならではの変更点もいろいろとあるようだが、案外こんなところから相互理解が進んでいくのかもしれない。






最終更新日  2018.07.29 10:49:59
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2018.07.25





 2015年に、「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されたが、これは全部で23資産で構成されている。このように複数の資産が同じテーマを持って一括で認定される方式を「シリアル・ノミネーション方式」と呼ぶようだ。本書によれば、「シリアル・ノミネーション方式」で登録された世界遺産は他にもあるようだが、東は岩手県釜石から西は鹿児島までという、地理的に広範囲で構成資産も内容的に別々に見えるものは、珍しいという。

 本書は、それらの構成資産についてそれに尽力した人の物語とともに一冊に纏めたものである。

 明治維新の勝ち組は、俗に薩長土肥というが、直接描かれているのは、薩長肥で、それぞれ章を割いて解説している。土佐が直接出てこないのは、四国にこの産業革命遺産として指定されたものがないからだろう。しかし、間接的には、三菱の創始者である岩崎弥太郎を通じて語られている。岩崎弥太郎は、元々土佐の郷士が郷士株を手放して没落した地下浪人だった。ただし、彼が関連した施設は長崎に多い。

 日本の近代化のため尽くしたのはなにも維新の勝ち組だけではない。幕臣である伊豆代官江川英龍やイギリス人でありながら長州ファイブや薩摩スチューデントなどを支援したグラバーの貢献を忘れてはならない。

 西洋列強の力がちらつく中、幕末から明治にかけては多くの人材が国を守るために活躍したのだ。表紙にあるようにまさにラストサムライの挑戦。近代日本の成立には、このように多くの人々が関わっているということが本書を読めばよく分かる。当時は、国の力がなければ、他の多くのアジア諸国のように欧米の植民地にされていたような時代だ。彼らの働きがあったからこそ、日本は欧米の植民地になることなく明治の世を迎えられたのだろう。

※初出は、「風竜胆の書評」です。






最終更新日  2018.07.25 10:44:13
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2018.06.15



<『日本書紀』は日本の過去をありのままに記したような書物ではない。それは、権力の座についた氏族たちが自分たちの権力の根拠と正当性を神話と歴史から述べた政治の書物であり、過去を支配することを目的とした書物であった。>(p225)

 本書の主張は、「日本書紀」とは、極めて政治的な書物であるというものだ。この書物は、過去の支配、勝者が自らの正当性を主張するために編纂され、我々は、今なお、この呪縛に囚われているのではないかというのである。

 日本書記は、全30巻。神話の部分も含めて、戦前は金科玉条のように扱われていたが、戦後前半の3分の2は削除された。しかし、後ろの3分の1は残り、我が国の歴史のベースとなっている。まさか、この現在において神話部分を信じている者がいるとは思えないが、例えばアメリカでは今なお、キリスト教の影響で、進化論を信じない人が少なくないというから何ともいえない。

 これまでの研究成果からは、日本書紀の内容はかなり盛られているようだ。それは政治的な書物であることから当然のことだろう。勝者が自分たちの支配を正当化するために作り上げた歴史。例えば、大化の改新や聖徳太子の話などである。

 興味深かったのは、「天皇と皇后」の組み合わせについてである。「天皇」の概念は元々中国のもので、その対になるの概念は「天后」だという。つまり「天皇と皇后」の組み合わせが成立したのは、「皇后」のいなかった時代であり、つまりは、天皇号が我が国で成立したのは、天武の途中からではなく、女帝である持統から使われたというのが著者の推測するところだ。

※初出は、「風竜胆の書評」です。






最終更新日  2018.06.15 09:39:26
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2017.05.25
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日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) [ 竹村公太郎 ]
価格:802円(税込、送料無料) (2017/5/25時点)





 書評専用ブログ「風竜胆の書評」に、「日本史の謎は「地形」で解ける」(竹村公太郎、PHP文庫)のレビューを記載しました。人文系の学者のように、資料ばかり眺めているのではなく、地形というものに目をつければ、日本史に潜む様々な謎が明らかになるというものです。興味のある方は、覗いてみてください。






最終更新日  2017.05.25 10:32:21
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2017.05.02
最近少しフリーライター気取りで、ネットレビューなどを書いたりしていますが、「シミルボン」というサイトに2つばかり記事を寄稿しました。

セミからも学べることは多いものです

次世代火力発電について知ろう!

 もし、書評などのご依頼があれば、書評専門のブログとして運用している「風竜胆の書評」のメッセージ欄からご連絡ください。






最終更新日  2017.05.02 10:35:48
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2014.11.23



 「粘菌 その驚くべき知性」の書評を、風竜胆の書評に掲載しました。







最終更新日  2014.11.24 10:24:12
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2014.10.14






最終更新日  2014.10.14 21:44:12
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