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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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July 16, 2007
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 どうも日本人には、まだまだ欧米に対して憧れがあるのだろうか。欧米への留学を希望する若者が結構いるようである。しっかりと目的を持っていくのなら、それなりの投資効果は得られるであろうが、ただ漠然と英語がうまくなりたいとか、行けば何かいいことがありそうだ位の気持ちで行く者も多いようだ。「留学で人生を棒に振る日本人」(栄陽子:扶桑社)はそんな安易な留学に対して、警鐘を鳴らす書である。著者の栄陽子氏は、自らも留学経験があり、現在は留学エージェントなどをしている人である。栄氏が自らのエージェント経験などをもとに書いたのが本書である。

 読むと、留学に関する様々な悲惨な事例が出てくる。向こうでの教育事情などを良く調べないままに、エージェントの言うことを鵜呑みにして、間違った留学をしてしまうのである。留学エージェントの方にもピンキリがあるようだ。何の知識も無いと言われてもしかたのない業者もいるらしい。

 留学に対する最も大きな勘違いは、「英語を勉強しに留学する」と言うものであろう。日本で英語が出きるようにならなかったので、向こうに行けばなんとかなるだろうと思ってのことであろうが、この本で栄氏が言っているように、「日本で六年も八年も英語を勉強したのに伸びなかった英語力が、場所を変えただけで突然上がるわけが」ないのである。そもそも英語は、単なる道具に過ぎないのであるが、手段と目的が入れ替わっていることがいかに多いことか。

 ハーバード等の名門大学希望していた者が、エージェントに言われるままにコミュニティカレッジに入学し、そこが想像していたところとまったく違うという現実を知り唖然とする。笑えない話だ。

 留学を考えている人には、ぜひ一読することをお勧めしたい本である。



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「留学で人生を棒に振る日本人」(栄陽子:扶桑社)
  





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Last updated  April 29, 2009 10:55:41 PM
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