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カテゴリ:日々の読書(ミステリー)
膨大な知識とロジカルシンキングで、どんなものの真贋もただちに鑑定してしまう万能鑑定士・凜田莉子が活躍する、シリーズ第5弾、「万能鑑定士Qの事件簿5」(松岡圭祐:角川書店)。今回は、なんと莉子がフランスに旅立つ。勉強熱心な莉子は、前からルーブルやオルセーの展示品を見たかったという。この巻の大きな特徴は、いつもは莉子の相棒役を務めている、週刊角川記者の小笠原悠斗がほんの少ししか登場しないことだ。 代って莉子の相棒を務めるのは、彼女の高校時代の担任の喜屋武友禅。なにしろ、莉子の高校時代のおバカぶりは、巣像を絶するものだった。その頃の記憶が頭から抜けない喜屋武先生、莉子が一人で外国に行くなんて無謀だと、押しかけ保護者として着いてきたという訳だ。これに、莉子の高校時代の同級生で、フランスで料理を勉強している楚辺瑛翔も加わり、フランス珍道中の始まりかと思いきや、楚辺の勤めていたレストランで食中毒事件が起こったため、莉子たちはこの事件に関与する事になる。 最初は、完全にお邪魔虫と思われた喜屋武だが、意外や意外、ここぞと言う時には、案外と役に立つところを見せる。そして、最後は、莉子にとっては、とっても良い話で終わった。 ところで、楚辺に、<いま、彼氏は?>と聞かれた際に、莉子は、<いるといえば嘘になる。でも、いないといえば・・・本当にそうなのかな>と考え込んでしまった。たぶん、彼女の脳裏には、小笠原のことがひっかかっているのだろう。小笠原君、見込みはありそうだが、ちょっと微妙な立ち位置だ(笑)。 肝心の事件の方は、思いもかけない展開をみせ、今回も莉子の見事な推理が光っていた。 ※ 本記事は、「本の宇宙」掲載記事の写しです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 22, 2012 07:41:51 PM
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