必殺仕事人2010
テレビ朝日系で土曜日に放映していた「必殺仕事人2010」。藤田まことが亡くなって、もう新作は無いのかなと思っていたので、感慨もひとしおである。テレビ番組にも、出演者として、藤田まことの名が出ていたので、一体どんな登場の仕方をするのだろうかと気になっていたのだが、結局、名前だけの出演のようで少し残念だった。CGでもなんでもよかったので、新作の中で、もう一度中村主水の勇姿を見たかったのだが。【送料無料!22%OFF!】必殺仕事人 2009 DVD-BOX (上巻)(DVD)価格:15,561円(税込、送料込) この作品では、主水さんは、家には張り紙が一枚残して、急に江戸から旅立ってしまったという設定だ。おまけに主水さんの役宅には、直ぐに子沢山の同心が引っ越してきて、居場所もなくなってしまった。もう、ご本人は出られないし、あれだけのはまり役を代役と言う訳にはいかないだろうから、仕方がないとは思うが、やはり寂しいものだ。 さて、この仕事人のシリーズ、江戸時代を舞台とはしているが、現代の世相をテーマとしていることが多く、今回のテーマは、事業仕分けと財政再建。長引く不況で幕府の財布はすっからかん。財政再建のために、勘定吟味役の風間右京乃助は、次々に公共事業の取りやめを図るが、そのために、不況はますます深刻化し、人々は困窮にあえぐ。人々の不満は、右京乃助に向かい、また、公共事業により甘い汁を吸おうとする連中も反感を露わにする。 財政再建と不況対策の両立、なかなか難しい問題だが、ただやみくもに引き締めればいいというものではない。甘い汁を吸おうとする連中をいかに排除して、本当に職が必要な庶民に職を提供する。この兼ね合いが大事なのだが、このころは、財政が苦しくなると、とにかく倹約倹約で、庶民にまでささやかな贅沢を禁止してしまう。ケインズ理論などは知らない時代だから仕方ないのだろうが。 今回は、藤田まことの追悼番組の性格が強く、そんなシーンがいくつか散りばめられていた。例えば、仕事を引き受ける際に涼次が、主水のいつも座っていた椅子に、彼の取り分を置いていたが、これなどは、まるで仏前のお供えである。主水の抜けた穴は、内藤剛志の演じる「カルタの力」が埋めていたが、もしかすると、彼を入れた新メンバーでの新作への布石だろうか。主水の抜けた「仕事人」は封印して欲しいと思う一方で、新メンバーでの新作も見てみたい、なかなか複雑な気持ちである。(監督)・石原興(出演)・藤田まこと(中村主水) ・和久井映見(花御殿のお菊) ・東山紀之(渡辺小五郎)・松岡昌宏(経師屋の涼次)・内藤剛志(カルタの力)・田中 聖(仕立て屋の匳)・小澤征悦(風間右京乃助/柿本平三郎) ほか○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」