仕事の質とスピードがUPする 課題解決思考の技術
仕事の質とスピードがUPする 課題解決思考の技術 [ 寺嶋 直史 ]価格:3,190円(税込、送料無料) (2025/4/24時点)楽天で購入 最近は下火になっているようだが、QCサークルが大流行していた時期があった。下火になった原因としてよく聞くのが、現場でQCサークルで改善できるのはせいぜい何十万。しかし、経営でのミスジャッジをすると、何億、何十億の損失が出てしまうということだ。そして多くは会社の上司が色々と口出しするのに、自主活動ということにして労働時間の定義も明確ではない。要するにバカバカしいのだ。 このQCサークルの後期によく言われたのが「問題解決型」から「課題達成型」へということである。だから最初は本書で使っている課題解決思考とはQCで言う課題達成型と同じようなものだと思っていた。しかし言葉は似ていても、その定義は違うようだ。 本書で言う「問題」と「課題」の定義とは次のように書いてある。「問題」とは、目標と現状との間にあるギャップ、差異のことです。そして「課題」とは、目標と現状とのギャップを埋めるためにやるべきことで、「問題」を解消するための取り組みのことです。 (p2)色々と調べてみたが、みな同じようになっているので、これが共通の定義なのだろう。 ちなみに、QCで言う問題解決型というのは、目標と現状との間にギャップがある場合、既存のやり方を前提として解決しようとする活動であり、課題達成型とは目標を達成するために新たにやり方をつくりだして達成しようとする活動のことである。(QCサークルのための課題達成型QCストーリー;狩野紀昭監修;1993 日科技連:用語を合わせるために一部修正)これを本書で言う「問題」「課題」の定義と比べてみると似ているが微妙に違う。要するに本書でいう問題と課題は一連の話であるのに対してQCサークルでは両者は切り離されているように思える。 本書は初級編、中級編、上級編、実践編に分かれており、自分は中級や上級だと思えばそれより下級編はざっと目を通すのもありだと思う。そしてもし、気になる箇所があればそれを熟読するくらいが良いと思う。また折に触れ使ってみるのもいいだろう。人間は読んだだけでは本当の意味で身につかないものだ。使ってみることにより、自家薬籠中のものになるのである。この意見には大賛成だ。ホームページや営業ツールの「コンテンツ」については、外部の業者でなく自社で構成することです。 外部専門家は自社の製品や強みをよく理解していません。外部の専門業者に依頼すると、デザインなどは綺麗につくりますが中身のないものに仕上がってしまい、「自社の価値を詳細に浸透させる」というホームページ本来の目的を達成することができなくなります。 チラシや営業ツールも同様で(以下略)(p179) こんなことはないだろうか。同じことを言っても、社内から出てきた声と外部コンサルタントでは扱いが違う。上の方は。外部コンサルタントの言うことばかりありがたがる。経営者に能力が不足している場合によく聞く話だ。ある程度以上の規模の会社ならコンサルタントより何倍も能力のある社員はいるものだ。なのにどうして高い金を出して外部コンサルタントをやとうのだろう。私には理解できない。金銭的な損失に加えて、社員が伸びる機会を奪う。私なら絶対にしないことである。 もうひとつ注意したいのが、ある手法に拘っているコンサルタントがいるということである。彼らは特定の手法で何でも解決できるといっている。まあ、莫大な資源をつぎ込めば不可能ではないかもしれないが、非効率になるのは否めない。手法は課題解決のためのツールである。ツールは課題に合ったものを選ぶというのは当然の行為だ。☆☆☆☆