らせん
以前、「リング」について書いたが、その続編にあたるのが「らせん」(鈴木光司:角川書店)である。 この作でのの中心人物は、監察医の安藤満男。幼い息子を海で亡くし、それが原因で妻と離婚している。その安藤が、大学で同級生だった高山竜司を、司法解剖することになる。そして、冠動脈にできていた謎の腫瘍。 今回、呪いの原因は、リングウィルスと特定されているが、このウィルス、ビデオを見たり、「リング」の小説を読んだだけで、体の中から自然に発生してくるし、貞子のDNAを他人の卵子にコピーして復活・増殖させるし、役に立たないやつは、心筋梗塞で殺してしまうし、正に何でもありという感じである。 どんどん増殖していく貞子。このままだと、やがて世界は貞子で一杯に。その光景を想像して、思わず笑ってしまった。雌雄同体ながら、ものすごい美人だと言う設定なので、少し位ならいてもいいかなとも思うのだが、世の中が貞子で埋め尽くされるのは、さすがにちょっと困る。 恐怖というものは、日常のすぐ隣にあるものが一番怖いのである。ここまで荒唐無稽だと、まず恐怖の感情は湧いてこない。これは、ホラー小説というよりは、SF小説に分類した方が良いのかもしれないな。 なお、表題の「らせん」というのは、DNAの二重らせんから来ているようだ。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「リング」,「らせん」(鈴木光司:角川ホラー文庫) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら