掘り起こした地域の宝を、地域資源と絡めてどのように活用するか 石北ネットツアーに参加して
去る11月3日から4日にかけて開催された、石北沿線ふるさとネットワーク主催のツアーに参加してまいりました。 今回は、石北本線沿線にある産業遺産(濁川森林鉄道跡、鴻之舞鉱山跡、北の王鉱山跡、武利意森林鉄道跡…丸瀬布雨宮21号蒸気機関車)を、鉄道や路線バスなどの公共交通機関をできるだけ利用して巡るというもので、北見周辺だけでなく、札幌、旭川、そして道外からも含め、26名の方々が参加しました。 サブテーマが「オホーツク「黄金郷」の時代をたずねる」となっていて、近年「地域の宝」として歴史の掘り起こし作業が進んできた、2か所の森林鉄道と2か所の鉱山(いずれも金鉱石)を巡るとともに、地域の特産である食材を用いた料理に舌鼓を打つという、多くの方々には「未知の領域」ともいえるツアーではなかったかと思います。 実は私は、以前この4か所をツアーで訪問したことがあります。今回、改めての訪問だったのですが、何とも新鮮でスリリングな旅となりました。 なぜ、そのように感じたのか。ひとつは、それぞれの産業遺産の研究が進み、鉄道が走った時代、鉱山が操業していた時代が、より立体的に理解できるようになったことがあると思います。もう一点は、外来者を受け入れる体制(表示、語り部、展示等)が少しずつ整備されてきたことがあると思います。あまり整備が大規模になりますと、産業遺産のリアルさがかえって失われてしまう恐れもありますが、まだそこまで達していない、あるいは地域の方々が気を付けて取り組まれていると感じられました。 そして「食」の分野においても、地域での取組みが進んでいると感じました。今回の訪問先のひとつである遠軽町では、「えんがアる愛食フェア」が開催中で、地元産の食材を前面に出した料理が並ぶこととなりました。今まで道内では、食材は良くてもそれを活かす供食体制が整っていないという指摘を受け続けてきました。それぞれの地域で、地元のいいものを使ったいい料理が提供され始めた感じを受けました。 今回のツアーでは、思わぬ「ハプニング」もありました。(よく考えればこの季節、あり得る話ですが。)それは、ツアー2日目の未明に雪が降り、積雪の中での北の王鉱山探索となったことです。 雪に隠れて見えなくなってしまうことから、積雪の中での産業遺産の探索は、普通はやりません。しかし、雪に覆われた産業遺産群は非常に幻想的であり、なかなかお目にかかれない風景の中に佇むことができたのは、強い印象として残りました。 ツアーが終わり、改めて考えてみると、掘り起こされて地域の宝を、いかに発信していくか。そして鉄道や路線バスといった公共交通機関の機能とどのように連携させていくか。この辺を強く意識して進めていく必要を感じました。特に今回は、鉄道と接続する二次交通をどうするか。路線網の問題(そもそも二次交通がない)、鉄道との接続等、鉄道存続は「鉄道だけ」ではダメだということを、改めて感じたところです。特快きたみ号で移動北の王鉱山跡 何とも言えない味わい参加者は大変でしたが、充実したのでは地元遠軽の食材を使ったスープカレー