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April 6, 2014
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カテゴリ:映画
The Prestige 2006年のアメリカ映画

監督:クリストファー・ノーラン
主演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール





内容

過去の因縁によって互いに競い合う2人のマジシャンを描くサスペンス・SF映画。



感想

以前、伊集院光のラジオ番組でパックン(パックンマックン。パトリック・ハーラン)がこの映画を勧めていて。伏線だらけで良いと。それで私も試しに観てみたのですが、一回では内容を把握しきれず、2回観ました。2回目の視聴は本当に面白かった。この映画には一つの無駄もない。すべてが伏線になっている。

☆以下、ネタバレ含みます☆

2回目の視聴で私が知りたかったのは、結局勝ったのは2人のボーデンの内どちらなのかということ。奥さんのサラを愛していたボーデンだったのか、彼の替え玉でオリビアを愛したボーデン(ファロン)だったのか。酒場でアンジャーの替え玉ルートにボーデンが語ったように『気をつけないと替え玉に支配権を握られる』ことが現実となっての幕引きだったのかを知りたかった。
オリビアと深い仲になった方をファロンと呼びますが、すべてはファロンの計画通りだったのか。
これについては、ボーデンは最後のシーンでアンジャーを前にして『僕はサラ、彼はオリビアを』と告白していますから、サラを愛した方のボーデンが生き残り、娘を奪回したことがわかる。
サラの首つり自殺も、秘密を見破られそうになり口論になったファロンが仕事場にトリックを仕掛けて故意にサラを殺したのでは。だからファロンの絞首刑もまったくの冤罪でもないんじゃないかな。アンジャーの妻ジュリアを死亡させたのもファロンだったのかもしれない。サラを愛したボーデンは冷静で穏やかな性格だけれど、ファロンは攻撃的な部分が目立っていた。

このボーデン最大の秘密について、最初、「設定は19世紀末のロンドンだし、ジキル博士とハイド氏みたいなことかな……それにしても人体瞬間移動の説明がつかないし」などと考えていたのですが、実際のマジックのタネはまさかの双子。伊集院光は「ボーデンもテスラの機械を使って増やしたんじゃないの?」と言っていましたが、それはないと思う。なぜなら鳥を殺すマジックでサラと知り合った時、すでにもう一人のボーデンがサラの部屋の中にいたから。そして「(アンジャーに渡した暗号の)『テスラ』は単に日記のキー。マジックのではない」と本人が日記に書いているから。アンジャーとボーデンがマジシャンの卵だった頃、中国人奇術師について「彼は日々を犠牲にしている」といち早く見抜いたのもボーデン。「自分は誰にも真似できないマジックを持っている」とも語っていたし、最初から2人が存在していたと考えた方が自然な気がする。
それに、アンジャーが実験室を訪れた時テスラは「処女航海だ」と言って初めてシルクハットの瞬間移動を試みている。おそらくボーデンは一度もテスラに会っていない。

テスラの機械の性能、一連の出来事についてはアンジャーの日記にしか出て来ない。テスラは実在の人物だけれど、アンジャーの経験が本当かどうかは本人以外わからない。だから、実はアンジャーも双子の可能性があるな、とも思った。替え玉が水中に沈み、ボーデンが来ない日は南京錠を外して脱出していたのかもしれない。舞台下には盲目の老人しかいないから何が行われていたのかは誰も見ていない。あの時水中でもがいていた男は、本当にアンジャーだったのか、アンジャーの兄弟だったのか、アンジャーの替え玉ルートだったのか…消えて行く者に誰も注意を払わない。

最後のシーンで、だまされてアメリカに渡り大金を使ったアンジャーに対してボーデンが「愚かに無駄なことをしたな」と言うのですが、アンジャーは「無駄?……君は我々のしたことがわかってない。観客は真実を知ってる。世界は単純で、みじめで、すべて決まりきってる。だから彼らを騙せたら、たとえ一瞬でも驚かすことができれば、そのとき、君も素晴らしいものを見る。知っているだろう? 観客のあの表情」と言い残し息を引き取る。これこそがクリストファー・ノーラン監督の言いたい事なのだろう。世の中の仕事は、人の生き死にに直接関わること以外、ほとんどが無駄と言えば無駄なんだけど、マジックや映画といった人々の娯楽を担う分野は特に軽視されがちだ。しかしその無駄があるから大衆は明日も生きようと思える。人はパンのみにて生きるにあらず。









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Last updated  April 8, 2014 04:19:03 AM
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