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カテゴリ:ラグビー
ラグビー界のIT対決、東芝府中対NECの一戦が、9日秩父宮ラグビー場で行われ、まれに見るガチンコ勝負に心躍った。
既に東芝はリーグ戦の優勝を決めており、スタンドも6300人とお寒い状況。しかしながら、ピッチ上では熱い好ゲームが展開された。 序盤から地力に勝る東芝のフォワード陣を、NECが何とか食い止める。東芝が終始NEC陣内に入り込み、前半16分に先制。 そのまま圧倒し続けるかと思われたが、この試合の勝利如何で日本選手権出場が決まるNECは、箕内、グレン・マーシュら協力FWが密集で積極的にボールに絡み、相手ボールを奪取し続けるという、正しくワールドクラスのプレーを見せ付けた。さらにSH辻が、出血をものともせず、顔中にテーピングをして、まるで映画に出てくる「透明人間」「ミイラ男」の様相。 SO安藤のキックが不安定なため、タッチキックでゲームを切ることができずに不用意に相手にボールを渡すシーンがあったものの、大相撲の初場所を凌駕するかのごとき肉弾戦に、スタンドも沸いた。 前半も終わってみれば、いつのまにかNECTが12対5とリードし、後半に突入。 後半25分、豪腕を見せ付けていたグレン・マーシュのトライでようやく試合が動き出す。東芝としても勝って優勝を飾りたいところが、交替選手もことごとく空回り。終わってみれば20対5という意外な結果だった。 安藤選手のキックがもう少し正確であったら、更に点差が開いたことだろう。原田主審のレフェリングも、アドバンテージの有無について、動作が大きくとても分かりやすいものだった。 殊勲賞 グレンマーシュ 敢闘賞 辻 高志 もっとがんばりま賞 安藤 栄次(以上NEC) 貴方のタックルは危険で賞 バツベイ 落ち着きま賞 立川 剛士(以上東芝) さて、トップリーグの日程が終了したところで、やはり気になるのは観客動員と秩父宮の芝の状態。 観客動員については、これだけ僅差でわくわくする試合が繰り広げられているのだから、協会の営業努力を期待する。BSデジタル放送や、地上デジタル時代の到来で、放送業界としてはコンテンツを探している。安易にお笑いやクイズに流れやすいのが現状だが、デジタルの高画質と横長大画面は、スポーツにこそ本領を発揮する。大学時代、ラグビー選手だったものが就職先として広告代理店や、放送業界に入っている例も多いのだから、OBも社内で声を挙げて欲しい。K-1やPRIDEができたのだから、ラグビー界も知恵を結集しよう。 さて、問題の秩父宮の芝の状態である。メインスタンド側の方が屋根のある影響からか芝の状態が悪い。ほとんど砂場のようなところもあり、選手が足を取られるケースもよく見かける。選手のパフォーマンスを考えて芝の養生や張り替え、開催日程の変更など、考えてもらいたい。 選手のこけるシーンや、スクラムの再三の組みなおしは試合のリズムをぶち壊してしまう。ナイター設備や競技場近隣の整備も含めて、第二の公設ラグビー場建設の時期に来ていると思う。このあたりは、2016年のオリンピック誘致との関係、2015年ワールドカップ誘致も含めて、国と協会、地方自治体で総合的に考える時だ。(一説には、第二国立競技場を代々木公園に作る話がある。富ヶ谷交差点付近のことだと思うが、明治神宮も近く、騒音やヒートアイランドとの関係もあるので、その点は注意すべきと思う。) さすがに、秩父宮の現状ではワールドカップ会場としては使えない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月10日 16時29分14秒
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