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Blog de 院長日誌★医院をめぐる物語り

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2008.02.22
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カテゴリ:医院の「物語り」

「医師と患者が、お互いを承認し、良い人間関係を成立させることに焦点を合わせること。」

「患者と良い人間関係をつくるには、患者をモノとしてみないで、人としてみる。その人はどんな思いであなたの前に来たのか。その人があなたに会うために使った労力、時間、お金について考えてみよう。」

「わたしたち内科医にとっての心療の成果とは、患者の成長と、患者の人間関係の改善なのです。」

これらは、PIPCアドバンスト・コースでのIDEE先生語録の一部であります。

バリント先生の「医者というクスリ(Doctor as a medicine)」と、ほととんど同じ思想が語られていますね。「心療」というものを、つきつめていくと、すぐれた臨床家はみな同じような答えにたどり着くようです。

あちこちの病院で検査を受けても「異常なし」と言われつづけて、医療に傷ついた「医学的に説明困難な症状(MUS)」を持つ患者さんに対して、IDEE先生は以下のように声をかけるそうです。

「これだけ検査したから言えることですが、あなたはよくなります!」
「なぜなら、これだけ検査してもあなたが良くならない!という証拠は、ひとつもみつからなかった、そうですね?」
「あれだけ大変な思いをして検査したのだから、そう言えるのですよ。はったりではありません!!」
「なぜ痛いのだろう、どうして痛いのだろうと考えるのを手放しましょう。どうすれば、この痛みがとれるのだろう?という解決策に焦点を当てるのです。あなたが欲しいのは原因ですか?それとも解決策ですか?」
「つまり、あなたが本当に得たいものにしっかりと焦点を合わすということ」

わたしは、これを教えてもらったときに、「なるほど、こんな手があったんだ!」と、ホントに感心して、さっそく自分でもマネして使いはじめました。じつに見事な「医者というクスリ」の使いかたであり、患者さんの認知の歪みを修正する「認知行動療法」的診察にもなっているところがスゴイ。

1984年に開かれた「全人的医療を考える会・第1回軽井沢ワークショップ」という医学生のための教育ワークショップに偶然参加したわたし(当時23歳!)は、わが国における心療内科のパイオニアである故・池見酉次郎先生(九州大学心療内科教授)から、バリントの仕事と、「医者というクスリ(Doctor as a medicine)」という言葉を教えていただき、強い印象を受けました。

それ以来、いつも自らの「医者というクスリ」の効果を意識しながら今日まで仕事をしてきましたが、今回のアドバンスト・コースに参加したことで、再び「医者というクスリ」について深く考えることができました。また「治療的自我」を磨くということの大切さも再認識できたと思います。

IDEE先生、ありがとうございました。 今後とも、ご指導お願いします!






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最終更新日  2008.02.23 08:16:26
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