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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Apr 15, 2009
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カテゴリ:映画
驚くべきはベルイマン、ビレ・アウグストの「愛の風景」('92)のときもそうだったが今回拝見したリヴ・ウルマン監督作の「不実の愛、かくも燃え」(2000)、双方ともベルイマン脚本とはいえ、徹頭徹尾ベルイマン色、とことんを喋り合いせめぎあう男女関係の筆法は、追随を許さない境地までをイヤでも運んでくれるその極限ではある。

指揮者と女優の妻、そして不実の愛とはその妻と演出家との関係。
ここまでの修羅場に、淡白な日本人は耐えられるかというほど、粘液質に、抜き差しならないところまでこの3人が互いを追い込みあうのを見ていると、第3者の視点さえ保てないほどの様相を呈する。それこそがベルイマン流なのであるが、まさしく死生観の相違の中で浮かび上がるのは荒涼たる風景、疲労のみなのではある。――が、ハイチャさようならと終わらぬ余韻がこれぞベルイマン。

たっぷりと愛憎の極北を味わうと、適当に上手く泳ぐだけが人生の嘘寒さも、同時に照射されてくるわけで、2時間34分と長尺ながら予断を許さない緊迫の進行は、長いばかりが価値と勘違いしている水割り映画も照射する。
およそ自らの体験を素材に、しかしこのなまなかではいかないその追いつめ方は、なるほど世界有数の巨匠は自らへの見つめ方も凡百をはるか超えた自己投影を示したのではある。

ベルイマン生前の作品であるから、現場へのいくばくかの参加は最低でもあったと思われるけれども、としたってこのリヴ・ウルマンもまたその愛憎の当事者としても重なった時代もあり、ベルイマン宇宙の伝承者にかくも達者な存在がいるとはこれもビレ・アウグストともども驚きではある。さほどに余計余分な解釈を近づけない、彫琢の完成された脚本なのであったのだろうことも想像されはするのだけれども。
いつも気構えを要するが、また洗礼を浴びに来たいベルイマン・ワールドではある。
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Last updated  Apr 15, 2009 11:13:24 AM
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