佐久間式アンプーレストラン コンコルド(3)
佐久間アンプ作製顛末以前、佐久間氏の回路をマネて何台か作った。「何台作った」と明確に言えないのは、 バラしたり、組んだりして正確な台数が判然としないから。最初の2台だけは判る。ほぼデッドコピーだからだ。1台目ー4P55シングル・6550バッファーアンプ付きモノラルアンプ TN-347(モノ変換) → 6550三結 → A4714 → VR → STU-001 → 4P55 → F2004 電源 PC3004,PMC-131, A4004 X 3, GZ-34 X 3 コンデンサ:全てSPRAGUE ATOM 抵抗:タクマンの酸金とセメント、ブリーダーのみDALE 配線材:DC500V以上の部分があるのにACコードはいやだったのでBELDEN+3㎜銅単線 半田:タムラ化成の共晶半田 佐久間氏の手法を踏襲してアース母線、2点アース、SG別電源、半田ガバ盛りチェック後にCDプレーヤーとスピーカーにつなぎ、ジャニスジョプリンのパールをかけた瞬間に佐久間アンプのファンになってしまった。モノーラルなのに実在感や音場の広がりがすごい。故・宍戸公一氏が著書で述べられた通りだ。適度?な歪のある音の出方なのか?中音が強調されたカマボコ型だが、「これはこれでアリだ」と思った。これでステレオにしたら、どういう事になってしまうんだ? ・・・で、ステレオ構成の2台目を作った。2台目ーKT-88シングル・6SN7バッファーアンプ付きステレオアンプ(MJ誌2005年5月号) 使用真空管のみKT-88ではなくRCA6550に変更。あとはデッドコピーで作製。きれいな音だが、モノーラルである1台目のような音の出方は全く失せてしまった。なんだか期待外れ。しかも音量を上げてゆくにつれて、なんだか体がゾワゾワして気持ち悪い。大音量にすると・・・ドラムの音が出る度に、スピーカーとスピーカーの間の空間が、ブレて見え始めた。重力波が発生しているのか??気のせいかと思い、当時近所に住んでいた姪を呼んで聞いてもらった。やはり私と同じ様に感じると言い 気味悪がって帰ってしまった。・・・何が起こっているのか??佐久間アンプでは御法度だが、やむを得ず測定をした。測定結果の数値やグラフ、波形の写真を貼るような野暮な事はしない。製品として販売するのではないので 何が問題かは人それぞれなのだが、私的には何も問題はない。その後、片チャンネルのみの音出しだと4P55アンプには劣るが同じような心地よい音になる事に気付いた。自分なりの結論佐久間アンプはモノーラルでは心地よいが、ステレオにすると何やら得体のしれない波動が、十字砲火を形成し音がつまらなくなる。そのうえ不快。佐久間アンプを作るならモノーラルで。佐久間氏が目指していた音というのは自分の店のどこに座っていても耳元で聴こえるような音、南部風鈴のような通りの良い音なのかな? と勝手に解釈している。1号、2号を解体し4P55 2チャンネルアンプに組みなおした1台のみが現役であり、たまに聴いている。