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カテゴリ:エロゲ
エロゲ会社OverFlowが『SHINY DAYS』を最後に倒産するらしい (外部リンク) ![]() 当時の世情といえば、丁度kanonだとか加奈だとかが発売された年代で、 国語の教科書とエロゲーでしか活字に触れる機会のない、 オタク共のすれっからしの涙腺を刺激するような泣きゲーがブームに乗りつつある、 そんな時代の節目でもありました。 また、現在のようにインターネットがまだまだ活性化してなく、エロゲーの情報といえば パソコンパラダイスだとかPC-ANGELだとか、 そういった専門雑誌にまだまだ情報が掌握されていた年でもありました。 そんな時代だったから、私のようなガキンチョに事前情報なんて伝わってくる筈もなく、 店頭で面白そうなゲームを勘で探すという荒業をやってのけてたわけですね。 そんな日のこと、いつものように金貰った日の帰り道、今日も今日とて 近所のエロゲーショップにうきうき足を運んだ、そんなとある秋の夕暮れのこと。 新作コーナーにアリスソフトのダークロウズと寄り添うようにして置かれていた、 ケミカル臭漂うパッケージのゲームを見つけてしまったんです。 それがOverflow渾身のデビュー作で知られる「ら~じPonPon」でした。 ![]() もちろんタイトルで惹かれてしまった私は即購入。 kanon買うための資金を投げ出してまで買う程の一目惚れだったわけですが、 いざゲームを始めてみると「まさかここまで…」と絶句してしまうような ゴキゲンな内容だったのは運が良いのか悪いのか、未だに判断しかねますね。 ![]() 理由は簡単。このゲーム中の主人公の狙撃対象に、妊婦(しかも臨月)が含まれているのです。 その時点で、遅まきながらタイトルの「ら~じPonPon」が 「大きなお腹」を表していることに、やっと気付いてしまったのは一生の不覚です。 まぁ、今の時代じゃ普通かもしれませんが当時にしては脅威中の脅威。 なにせ、主人公の精神注入棒をブチ込んでる最中に産気づくなんてのは序の口。 破水の際に主人公がブッ飛ばした子種が一緒に出てくる描写など、 プレイしているだけで頭の中で危険を知らせるサイレンが鳴りっぱなしのデンジャーぶり。 生命の尊厳を根本からブチ壊す、そんなアナーキーさが素敵すぎましたね。 あと、このゲームはヒロインが複数いるマルチエンディング方式なのですが 各ヒロインの攻略を同時進行すると、 各ヒロインごとのエンディングも一度に見れるのが実に革命的でした。 鳴海さんの記憶では、エンディングで少なくとも3人と結婚した主人公ですが、 それは日本では犯罪行為だと知らないのでしょうか。 そんなこんなで、いちいちツッコミがいのあるところが多すぎて素敵指数がMAXな本作。 プレイし終える頃には、鳴海さんの脳内に 「Overflowは頭がおかしいメーカー」とインプットされるなど第一印象はバッチリです。 そんな調子ですから、翌年の秋にエロゲーショップに赴いた日、 新作コーナーに2作目の「Pure Mail」が、かのAIRと隣り合わせで売られてた時も AIRそっちのけで購入に踏み切れたというものです。 ![]() 基本的に、狙った女性をストーカーよろしく陰湿に追い回すゲームシステムが 当時の若人の粘着体質を表現していて、好感がもてた傑作です。 とはいえ、イベント発生がランダムで、しかもイベント連鎖しないと 攻略もままならないという事実を知った瞬間、またしても私の手にはバイナリーエディタが。 心ならずも改造してしまいましたが、ゲーム自体もかなり苦しい出来なのは否めませんね。 もちろんシナリオもファンキーの一言。 主人公は現実世界で生きることに疲れ果て、 電脳世界でこそ自分の生きる場だ、という見解に辿りついた高校生。 カノジョとか友達とか興味ないとか言ってるくせに、 チャットに女性が入ってきた瞬間いきり立つようなヒキオタです。 そんなゴミクズ相手に、メール何通と数回の邂逅で身も心もメロメロになってしまう ヒロイン達の女性心理に感服しきり。 とはいえ、主人公が豪快なまでに女性陣を股間の最終決戦兵器で粉砕していく様は爽快の一言。 学生の本分は何たるかを身を以て教えてくれた主人公とヒロインには感謝するしかありません。 2002年に出した「妹でいこう!」も秀逸でしたね。 ![]() ある日突然家に転がり込んできた異星人を妹にするという、 「未知との遭遇」もビックリのボーイ・ミーツ・ガールなシナリオがゴキゲンの怪☆作です。 千歩譲って妹にするだけならまだしも、ましてやそいつが恋愛対象になるなんて ウォルト・ディズニーさえ予想だにしないセンス・オブ・ワンダーですよ。 なお、主人公にクシ刺しにされるために、赤の他人を「お兄ちゃん」呼ばわりする パラノイアなかわい子ちゃんは全部で5人。 目からレーザー放つヤツとか、数十年前から生きているのに妹を自称するヤツとか、 登場ヒロインに欠陥人物しかいないのはさすがのOverflow。 プレイし終わっても何の感想も思い浮かばないのは歯がゆいですが、 中古500円以内で売ってたら購入を検討するのも一興といえましょう。 2004年に発売した「LOST M」も何ともいえない出来栄えでした。 ![]() 離婚して離れ離れになった実の母親に思いを寄せる主人公が、 再婚してノコノコやってきた義理の母親をパックンチョするアシッド☆ラブロマンスです。 なお、義理のママは皆さんが期待されるとおりのフェロモン系。 乳の大きさなんて完全にJIS規格外で、煩悩の記号化が これほど顕著に現れたのは戦後初のレベルといえましょう。勿論性格は押しに弱く、 「見せて」と言われれば見せ、「舐めて」と言われれば舐める完全奴隷体質。 主人公と結合する際「これがIDEで言うところのSLAVE接続なのか」 と観念的に理解してしまいました。 普通の人間であれば、見ず知らずの人間が家庭に現れたら 多少人見知りするのが当然だと思いますが、本作の主人公は初対面で 「いい胸してるじゃねーか」という感想を抱いただけ。 そのまるで若さがない感性に心底共感しました。 そして、もうそれからはいかに義母とヤルかだけを考え続ける主人公。 "義母"という言葉の意味をまるっきり理解していない行動も好印象です。 度を越えた純粋さは毒になるということですね。 その後の主人公の蛮勇ぶりも筆舌に尽くしがたいものがあります。 義理の妹に野外で襲いかかるだけでは飽き足らず、 実の母親までも毒牙にかける主人公のソリッドぶりには感動もひとしお。 しかも、ちゃっかりハッピーエンドに到達する世渡り上手ぶりを見ていると、 私はなんて生きるのが不器用だったのか、と猛省してしまいました。 最後に、義母との結婚式のシーンに移るのですが、そこでも懲りずにヤッてばかりの主人公達。 誓いのキスの途中に中に出されたアレが流れ出てくるなど、 まるでコントのようなシーンがこれでもかこれでもかと押し寄せます。 そして、感動のエンディングへ…… みんなに祝福されながら教会を出る二人。真っ青な空にハトが舞う、 それはそれはロマンティック☆な一枚絵で終わるのですが 最後の最後に二人を刺し殺そうとしている不審人物が登場するところでエンドロールです。 まぁ、その不審人物が明らかに義理の妹っぽいところが、爽やかな読後感を演出してます。 マジ必見です。 というか、これがトゥルーエンドだということに驚愕しました。 そして2005年。満を持して輩出された「School days」は皆さんもご存じのとおりアニメ化もされ 何の因果か大ヒットを観測しました。主にニコニコ動画方面で。 ![]() 全編フルアニメーションという広告に釣られた人もそう少なくないかと思われます。 が、蓋を開けてみればアニメーションの稚拙さが顕著に表れており、 またスキップ完全不能というシステムの乱雑ぶりには 開発者の顔面に「てめえがやってみろ」と箱ごとゲームを投げつけたい気分でいっぱいになります。 しかし、シナリオ面に関しては流石のOverflowといった出来栄えで、 首をカッ切られるのは序の口、投身自殺やら轢殺やら刺殺やら死亡エンドがてんこもり。 三角関係の恐ろしさをエロゲーで訴えた見事な作風といえなくもありませんね。 そんなこんなで「スクールデイズ」の爆発的ヒットに調子に乗りまくったOverflowは どんどん同作品系列の続編をリリースしまくっていきます。やめときゃいいのに。 一番有名なのは、悪名高きKOTYの2010年総評にも名前が連なった、 「Cross days」でしょう。 ![]() ![]() 全ルート中半分が男とくっつくという、 クロスゲイズという異名に恥ずかしくない展開に当初涙が止まりませんでした。 また、「主人公が女装して前作ヒロインから誠をNTR」ルートに 初回プレイで鳴海さんが辿りついた時、「ああ、これが話題の男の娘か」などと戦慄しきりでしたね。 そのほかあらゆる意味で笑える内容が見どころの本作でしたが、 どうも生粋のファンには馴染めなかったようで、 Overflowに対し雨あられのような抗議を行っていた始末。 私からいわせると、「Overflowにマトモな期待をする方が悪い」といえるのですが。 そんなこんなで、いつだってユーザーに笑いを提供したOverflowも倒産。 本当に世知辛い時代となったものですね。 鳴海さんは誠くんを応援しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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(2012.02.17 20:27:01)
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