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Beauty Source キレイの魔法

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ふたりのマダム・ジリー

December 13, 2009
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「ご覧、クレア。君にだけ、このオペラ座の姿を、全てみせておこう。」

地面にほんの少し顔を出している蟻の棲みかが、
思いもかけないほど広大な範囲で広がっているように、あの方の息づく場所も、
それこそオペラ座内部に縦横無尽に張り巡らされている。

あの方は喜々として、オペラ座にある2千以上もの部屋部屋のことごとくを案内し、
その表の面と裏の、本来の姿を開示してくださった。
各部屋のキャビネットやランプや鏡の後ろ潜む通路や抽斗には、様ざまな装備が施され
どこにいても、どんな事態にも対処できるのではないかと思われる。
気に入らぬ者を封じ込めるための踏み板の多さなど、
全てを記憶するのは到底不可能なほどだったけれど、
その先に待っている苦痛を逃れる方法を、あの方は懇切丁寧に教えてくれるのだった。
いつも、私にだけ、という言葉から始めて。

「この鏡面地獄から抜け出るコツはね、鏡に映る姿ではなく、己の影を見ることなんだよ。
リズムを刻んで、そう。いつも君が生徒達に教えるステップのようにね。」

あの方の住まいへ通じる道も、いくたりもあった。

ひとつめは、幾重にも積み重なる螺旋階段を降りることで、
それは奈落に向うような感覚と戦いながらの道行きとなる。
しかもその途中には、本物の奈落、すなわち招かれざる客人をいざなう罠が
いくつも仕掛けられていたから、万が一その道を目指そうとする酔狂なものが
現われても、あの方の住まいに到着するのは困難なのだった。

もうひとつは、楽屋の裏に通じているごく緩やかなスロープで、
あの方の言葉を借りれば「ご婦人向き」な通路。
昼夜問わず明りが灯り、通り抜ける客人を照らし出す。
あの方の住まいへの到達を阻む罠はないかわりに、通ったものを確実に
虜にしてしまう荘厳で甘美な妖気が漂っている。
おそらくあの明りの燃料のなかには、なんらかの媚薬が入っているのではないかと思う。
ここを通ったときは、到着後しばらくして気を失ってしまうのが常だから。
とても甘やかな心地のままに。

あの方の手に引かれて、地下にある住まいも見せていただくことになる。
以前アパルトマンで暮らしていたときと同じように、
絵画の空間、音楽の空間が綴れ折のように重なり、
その奥に秘薬のつまった実験室と膨大な書物の収められた書庫がある。

寝室は二箇所、グスタフと対のベットが鎮座している部屋と
絹布と黄金に飾られた流麗な貝殻の寝床のある場所。
そのほかのいくつかの小部屋には、ご自分で作ったり作らせたりした仮面や、
人形や、衣装や、各国の皇室から内々に贈られた品々が無造作におかれていた。
そしてどの空間にも必ずあるのが、天驚絨に覆われた大きな鏡だった。

「最後の通路を君だけに教える。ここを使うのは私がこの住まいを去るときだけだ。
覚えておいてくれるね。」
「こちらを去られるとき?」
「そうだ。このベットごと運びだされるとき、つまり棺桶が本来の用を足すときか、
もしくはこの住まいを世の連中に知られてしまったときさ。」

あの方は、いくつもならんだ鏡のなかの、一つの覆いを取り去る。
「この鏡の向うに、通路があるのですね。」
「ああ。」
「どこに開け口があるのでしょう。楽屋にあったものとは違うようですけれど。」
「鏡の扉そのものを壊してしまうのだから、必要ないのだよ、クレア。
ここを通るときは、二度と再び、帰ることはないのだから。」
そのときのことを予期するかのように、あの方は苦く笑った。

私はあの方が作り上げたものの、真の姿を知る。
十重二十重に囲まれた創造力の源泉。
選ばれ身をゆだねたものとっては楽園となり、そうでないものにとっては煉獄となる。
それはきっと、あの方自身にとっても。

*ルイーズ・ガルニエ・ジリー 妹 
オペラ座ボックス案内人 シャルル・ガルニエの妻 マドレーヌの母

*クレア・ジリー 姉 
オペラ座のバレエ指導者 メグ・ジリーの母 

*ファントム
オペラ座の怪人 建築家・作曲家 グスタフおよびエリザベートの友人

  

「ふたりのマダム・ジリーの日記」「オペラの華」他30数編
日本公演5000回目の日に再開






Last updated  December 13, 2009 07:57:18 AM


March 8, 2006
いよいよそのときがやってきた。
控え室のルイーズに会いにゆくと、彼女は挨拶もそこそこにそわそわし続け、
シャルルに何度も、髪の具合やドレスの襞の様子を点検してもらっている。

私はといえば、新・オペラ座バレエ学校の生徒たちに貴人たちに疎そうのないよう
申し渡した他は、羽目を外さない程度にレッスン室で自由にさせてあった。
今日の主役は、このオペラ座そのもの。
建築家・シャルル=ガルニエと、そしてあの方がこの15年間、
心血を注いで造り上げてきた芸術の殿堂。

完成が迫ったひと月ほど前、亡くなったグスタフの娘がバレエ学校に入ってきた。
私のパトロンであり、オペラ座財政にも多大の影響力を持つフィリップ・ド・シャニュイ伯爵は
表立ってではないものの、彼女の後ろ盾となってくれている。
グスタフとも親しく、最期を向えるためにオーステンドの別荘を提供し、
クリスティーヌの出生の秘密を知っている数少ない人物の一人だ。

もっとも、バレエ学校には、彼女のような貴人の御落胤ともいえる少女が
少なからずいて、私のメグもその中に入るともいえる。
いずれにしても、オペラ座の開場までに少女たちはすでにこの場所に親しみ、
寄宿生同士、どちらかといえば敵愾心に近い友情を育みつつある。
幸いというべきか、メグはクリスティーヌと気が合い、互いに教え競う親友になっった。
私は後見の一人としても、母としての役目も、一段終えたような状態になり、
カリキュラムの整備に没頭することができた。

開場直前、私はフィリップを含めたごく選ばれた貴族たちを、
オペラ座の見どころある場所へ案内する役も仰せつかった。
エントランスの豪華さも、ボックス席の優美さも、舞台の近さと奥行きも、
どれもスノッブたちを満足させたが、最も彼らの興味をひいたのは
舞台の裏側だったかもしれない。

その夜の公演のための、幾多の仕掛け。
ワイヤーを使った宙乗りや、客席にまで飛ぶ噴水のプランなど、あの方が
こっそり舞台監督のノートに紛れ込ませたアイディアもある。
柿落としにふさわしい幻想をと。

「姉さん、本当は私より、この場にいるのはエリックがふさわしいんですよ。
彼なくしては、このオペラ座は決して完成はしなかった。
彼の精緻な技術、飽くことを知らない芸術への情熱、
私を鼓舞し、慰め、助け続けてくれた15年間は・・・。」
シャルルが感極まったように目を潤ませる。

「あの方は、わかっていらっしゃるわ。それに私たちの目には見えなくとも
あの方は、ちゃんといらっしゃる。
居並ぶ貴族たちのすぐ横に、舞台のそでに、回廊のかげにね。」
そのとおりだ、クレア、シャルル。
「ほらね。」

設計者であるシャルルは下層の出身ということから
軽んじられ、用意された場所も末席に近いものだった。
それでも、いったん彼が妻であるルイーズを伴って客席に入ってゆくと
会場の誰もが、真の立役者が誰であるかを知っていて、
総立ちと大拍手で迎えられたのだった。
まさに彼にとって、勝利の夜。
それはあの方にとっても、オペラ座における再びの凱歌の時。
聞いていらして、この歓声を?

花火が打ち上げられ、お祭り騒ぎの始まった人ごみに紛れて、そっと席をはずす。
あの方から時間になったら来るようにとのカードを受け取っていたからだ。
楽屋でひとりになると、お会いしてからの30余年の月日がゆらゆらと駆け巡る。

贈られたおびただしい花々の馥郁たる香りに頭をもたせかけ、
急に眩暈を感じて視界が利かなくなったと思った瞬間、私は
あの方の胸中に拉致されていた。
「待たせたね、クレア。では行こうか。新しきオペラ座の裏庭へ、真の芸術の殿堂へ。
君をこそ、最初に案内しよう。」

真の勝利者の手に導かれ、私は心の中で嗚咽する。
あの方の言葉を抱き、このまま儚くなってもかまわない。

オペラ座の怪人
【オペラ座の怪人】

***
映画・「オペラ座の怪人」初鑑賞したのが、去年の今日でした。
すぐにファントムに魅せられ、原作本やその他関連の品々に親しみ、
舞台から映画になるまでの経緯、曲を聞き込んで歌詞を追い、
ジェラルド・バトラー氏の過去の出演作品を遡って鑑賞するうちに
すべての要素がこの素晴らしい映画に昇華するために
あったのだということがしみじみとわかったのでした。

その中で唯一、原作と、映画・舞台との設定の違いが気になったのがマダム・ジリー。
原作では、ボックス案内人、映画・舞台ではバレエの講師、
ともにファントムの意志を世間に伝えるための重要な役割。
このもっとも、謎めいた人物の一人、ファントムを敬愛してやまない
毅然とした美しさを持った女性に当初から共感し、
原作と、映画・舞台との矛盾に見える部分や、
ヒントがあるのみで明らかになっていないところに愉しく想像力を羽ばたかせながら
映画とガストン・ルルーの原作、スーザン・ケイの「ファントム」及び、
ジェラルド・ファントムとマダム・ジリーにヒントを得て
「ふたりのマダム・ジリー」を書き始め、エピソードも30を越えました。

「ファントム」をお読みいただくと、年代にそって登場人物が語る形式で、
原作に散りばめられたモチーフを拾い集め、
ファントムの生い立ちから細かく描かれています。
ローマでの建築の修業や、ペルシア王宮での出会い、母親との関係など
非常に興味深く、ファントムがいかにファントムになっていったかがわかる趣向に。
映画はこの「ファントム」にもヒントを得たとのことですので、
数あるパスティーシュの中でも、もっともリスペクトされている作品ではないかと思います。

この「ファントム」の中にも、描かれていない年代があり、
映画で新たに出現した謎もいくたりもあって、そのあたりも埋めてゆきたいなと。
この衝動も、オークションシーンでの年齢にしては(多分80歳位)
あまりに若いマダム・ジリーの美しさ、彼女の秘密にアプローチしてみたい、
年ふりても美しいままでいられる、その源は何なのかということから。

映画に熱狂していらっしゃる方々が、様ざまに愉しみ、想像・創造力を飛翔させ
生き生きと美しくなってゆかれる様子をも拝見しながら、
ファントムがもたらしてくれたものを書き留めておこうと思っています。

拙き戯れ言、読んでいただいてありがとうございました。

「ふたりのマダム・ジリー&二度目の手紙」

「ファントム(上)」
「ファントム(下)」






Last updated  March 12, 2006 07:31:05 PM
January 5, 2006
ジェイムズの持ってきたデッサンはなかなかよくできていた。
顔全てを覆うものと、上半面を隠すだけのもの。
額に浮かぶように走らせたケルト文字も気が利いている。
私は二、三のデッサンの狂いを直して紙片を返し、
自分の持っている仮面のひとつを渡し型を取るように指示した。
グスタフの分は昨夜取っておいたものを取り出して確認する。
デスマスクには気が早いが、これがかわりになるだろう。
素材をいくつか指定して、謝肉祭に間に合うように注文を出す。

「あの、ひとつ質問があるんですが。」
ジェイムズがおずおずと言った。
「だんなさまは、いつもその仮面をつけているんですか?」
「そうだ。」
声音がやや無愛想になる。
仮面のことを指摘されると、やはり心が波立つのを抑えられないが、
少年はかまわず嬉しげな応えを返してきた。
「よかった。僕もそうなんです。いえ、いつも身につけていたいんですけど
母に取り上げられることもあって。今日は大事なお客さまの家をお訪ねするからって。」
「それで?」
「僕が住みたいのは、誰もがいつも仮面をつけている場所なんです。
いいえ、僕には、いまでも誰もが仮面をつけているように見える。
人によっては、その姿が骸骨にもみえるんです。
この小さな町で、僕は周りにいる人も、周りにいるものも、全部そんな風に見えて。
絵にも描いてきました。
鏡を見るとき、仮面をつけていないと自分と気づかないくらいです。」

「君には、立派な顔があるだろう?」
「この顔なんか、なんの役にも立ちはしません。いいえ、そりゃいまはここにありますよ。
僕の骨に張りついてくれています。でも・・・。」
「いつも骸骨で遊んでいる君には、肉より骨の方が親しいというわけか。」
「この小さな町にいるからこそ、そんな風に思うのかと。
でも、あなたに海辺で出会った時、この世界全てが、そうなんじゃないかって。」
「・・・。」
「あなたはパリからやってきたそうですね。都会にゆけば、
あなたのような方がたくさんいらっしゃるんでしょうか?
その、単に仮面をつけているというだけでなく・・・。」
「嘘が本当になり、本当がもっと真実になる。
悪しきものも善人になり、善人はその偽りの皮を脱いで本当の姿に戻る世界。」
「ああ、そうなんです!」

「それは、君が実際にみて確かめるべきことだな。
私は人付き合いはあまりしていないのでね。これからはもっと・・・。」
「あなたに会うには、どうしたらいいんですか?その、パリにお戻りになってからは?」
「そんなことより、早く帰って仮面を仕上げてきたまえ。
出来映えによっては、パリに帰ってからも君に仕事を依頼するから。」
「わかりました。ええ、びっくりするほど素晴らしいものをお目にかけますよ。」

少年は意気揚揚と帰ってゆく。
まったくこの町は、寡黙なグスタフに雄弁さを与え、
年端もゆかぬ少年にまだ見なくてよいものまで見せてしまうものらしい。
なぜか、笑いがこみ上げてきた。
私は上機嫌になり、謝肉祭で使う音楽を五線譜に落し始める。
緋色と純白のローブを纏った二対の骸骨が、運命の輪の上で踊り始めた。

「ふたりのマダム・ジリー 29章 エリック1874年  『真実』」

***


追記・ ムービースター誌&Hello Magazine☆.
毎月三冊入荷の書店で、すでに最後の一冊になっていたムービースター誌。
ファンの方が増えているのねと嬉しく思いつつ、遅ればせながら購入しました。

スター・ウォーズ」、「チョコレート工場」と共に「オペラ座の怪人」が
並んでいるのも、05年を通してこの作品とジェラルド・バトラー氏を載せ続けてくれた
ムービースター誌さんならでは。
○○年、読者が選らぶ人気ベスト15」は毎年恒例の企画ということですが、
まさか彼が、それもジョニー・デップとトップを争うなど、去年の今頃
誰が予想したことでしょう。

圏外からの7位ランクインは、5月。
6月に3位、7月に1位となってからは4ヶ月キープ。
ジョニー10年ぶりの来日&映画公開の影響で、1度首位を明け渡したものの、
次号ではすぐに返り咲き。
去年の6月以降、トップ3から1度も出ていないのも、
皆さまの熱い支持のおかげですね☆

ジェリーの記事がよく載るようになってから、
何故か裏面にジョニーの記事がくることがよくあるように思え、
二人の共通項にも気づくようになりました。
バーンズのオファーが、はじめジョニーの方に行っていたのを
「ラッキーだよ。僕が彼に勝てる点なんてひとつもないんだからね。」と語っていたジェリー。
来るべき人のところに、お役目はやってくるのだということを、
今は本人も周りも認めているのではないかと思います。

06年度はぜひ、ずっと首位キープで、来年の2月号には中央に載せていただけるよう、
これからも応援よろしくお願いいたします☆

最新号のお知らせボタンから、アンケート・フォームに進むと
インロック社さん「Moviestar」誌に投票&希望をお伝えできます☆

☆同じページの左上「読者アンケート」では
・05年 一番活躍した俳優
・05年 一番面白かった映画

・今一番注目してる新人俳優
・私なら、この人の演技にアカデミー賞をあげたい!(映画タイトルと俳優名)
・05年 一番ビックリしたニュース
などをお答えになれますよ。プレゼント付きだそうです。

☆前回送ったムービースター誌さんへのファンメール
今回もジェラルド・バトラー氏の記事に多くのページを割いてくださってありがとうございます。
おかげさまで、全国に「オペラ座の怪人」の再上映の動きが広まり、ついにこちらでも半年ぶりに、
伏見ミリオン座さんで大晦日オールナイトが挙行されることになりました。
これもこれまで熱くバトラー氏に関する記事を掲載してくださった、
地元紙ムービースターさんのお力が非常に大きく、バトラー氏にお目にかかれない間、
貴誌がどれほど心の支えになっていたか、計り知れません。本当にありがとうございます。
2005年にブレイクし、もっとも安定した人気を保っているバトラー氏。
彼を招いた作品公開一周年イベントなど主催してくださったらとてもうれしいのですが。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。

***【ジェラルド・バトラー氏】***
映画・「オペラ座の怪人」・ファントム役で日本でもブレイク。
タイトルロールを難なくこなす才能と、先回の来日時には500人ものファンと
握手をしたという気さくさ、というギャップに魅せられている方々は数知れず。
共演者やスタッフと同じくらい、ファンを大切にしてくれる得がたき役者さん。
出演ごとにまったく違った顔を見せてくれるため、いまだに普通に町を歩けるのだそう。
「ジェラルドの発音は難しいので、ジェリーと呼んでね。」とのこと。

現在は、カナダ・モントリオールにてフランク・ミラーの
アメリカン・コミック「300」原作による映画撮影中。
役どころは「テルモピュライの戦い」で壮絶に散ったスパルタ王・レオニダス。

主な役柄
フランス料理店長(ワンモアキス)→吸血鬼(ドラキュリア)→
東からの征服者(アッティラ)→殺し屋(トゥームレイダー2)→
考古学者(タイムライン)→雇われお父さん(Dearフランキー)→
ゴールキーパー(The game of their lives)→怪人(オペラ座の怪人)→
勇者(ベーオウルフ)→スパルタ王レオニダス(300)など。

☆11月13日生まれ・・・蠍座・水のグループ 
情愛のある人と人との関係を大切にする星座群
今年は新しいことをどんどん見つけて愉しむ年。

オペラ座の怪人 通常版 ジェラルド・バトラー in THE GAME OF LIVES Dear フランキー 通常版 ジェラルド・バトラー/2006年カレンダー(DI)
【聖なる怪物 ジェラルド・バトラー氏をご堪能あれ】  【世界独占!2006年カレンダー】


追記
GB.netさまよりメールでも「昨年最も魅力的だった男性は?」投票
(「Hello Magazine」主催)のご案内が来ました。
直にご連絡ということは、相当、力を入れていらっしゃるのでしょう。
現在、オーランド・ブルームが5万票台で1位、ジェリーは2万票台で3位の模様。
昨年は3位でしたので、今年もどうぞよろしくとのこと。
1月13日まで、15分おきに投票できますよ☆
「Hello Magazine Who was the most attractive man on our site last year? 」






Last updated  March 7, 2006 06:25:14 PM
December 4, 2005
「ああ、ジェラール、どこに行っていたんだ?」
「ちょっと用足しにね。ところで、君の天使はどこにいるんだ?」
「娘なら、懇意にしているシャニュイ伯爵家の別荘に。
私の調子が悪くなってから、あずかっていただいているんだ。
午後に一度、顔を見せにくるよ。」
「彼女はもう、10歳になるんだろう?君の世話をさせても・・・。」
「歌をね、歌わせているんだ。レッスンに差し支えるし、
私の肺病をうつしたくないんだよ。ああ、やってきたようだ。
ジェラール?どこへ行く?」
「彼女に会うのは、今はご免蒙らせていただくよ。この成りでは、
父上を連れにきた死神に見えるかもしれないからね。」

私はすぐ隣の部屋のドアから、父娘の様子を見ることにした。
娘はグスタフのベットに近づき、父親の顔色が悪くなっているのを
心配そうに覗き込んでいる。
ほっそりした体つきの、いつも夢見るような瞳をしていた彼女の母親の幼い頃に、
やはり似ているような気がする。
髪の色は、バイエルンの方だろうか。

「お父さま、お願い。あのお話を聞かせて。」
「君は、天使の話が大好きだね。」
「だって、だってもし、お父さまとお会いできなくなったら・・・。」
「そうだよ、クリスティーヌ。私がいなくなっても必ず、君のところに
音楽の天使がやってくる。君を歌の道に導くためにね。」
「どうやったら、お会いできるの?」
「君が、いつまでも天使のことを信じていれば。」
「ああ、もちろん信じるわ、お父様。天使はどんな様子をしているのかしら?
きっと、とても美しいわね。声も素晴らしいに違いないわ。
背がとても高くて、瞳の色は透き通るようなブルーで、髪は・・・。」
「クリスティーヌ、もしかすると、音楽の天使は姿は見せてくれないかもしれないよ。
とても誇り高く、人間には近寄り難い存在だからね。」
「まあ。ではどうして天使がやってきたことがわかるの?」
「歌だよ。一度聞いたら、君にはそれが天使のものだと、きっとわかる。」
「はい。」
「じゃあ、クリスティーヌ、今日レッスンした歌を聴かせておくれ。」

娘はか細い声で歌い始めた。
まだ決して上手いとはいえない。
だが、このピッチの正確さはどうだろう。
歌が中盤に入るにつれ、彼女の声は少しずつ伸びやかになり、
高音域も無理なく出していることがわかった。
あきらかに、私がこれまで会ってきた少女たちとは違うようだ。
私は、久しぶりに胸が高鳴るのを覚える。

「どうだったかな、彼女の歌・・・。」
娘が帰ると、グスタフはドア越しの私に呼び掛けた。
「聴いていたんだろう?ジェラール。気に入ったかどうか、教えてくれ。」
真っ直ぐこちらを見る瞳が、私を捉えた。
「聞かなくても、親である君が一番よくわかっているだろう、彼女の才能は。」
「では、天使のオーディションには合格だね。」
「天使の?」
「そうだよ、ジェラール。シシーとの約束だろう?困った時は、いつでも助けにくると。」
「・・・。」
「僕はこの10年、その約束を果たし続けた。今度はジェラールの番だよ。」
グスタフは朗らかに笑った。

「ちょっと待ってくれ。クリスティーヌと過ごしたのは、君が恋に殉じたからではなかったのか?」
「もちろん、そうだよ。恋する人とそっくりな少女が育ってゆくさまをみるのは、
愉しいことでもあり、息がつまるほど苦しいことでもあった。
決して手に入れられない親娘を、二代に渡って見つめ続けてきたのだもの。
だから次の10年は、君がこれを味わうべきだよ。」

「私は、恋などしたことはない。」
「ジェラール。賢いものほど、自分のことが見えないというのは本当だね。
いいかい。君には母親がいて、いつも恋しいと思っていただろう?隠しても無駄だよ。
僕は君と、ひとつベッドに寝入ったことが何度もあるんだからね。
眠ると心にしている蓋がはずれてしまうんだよ。
シシーにそっくりな、君の母親にころあいの女性を描いているのも見ているし。」
「だから?」
「君がいままで、いろんな女性を渡り歩いているのは知っているよ。
だけどね、そういった男が本当に愛せるのは、聖母ただひとり。
そして母親の幻影を、完全に手放さない限り、幸せは決して訪れない。」
「・・・。」
「クリスティーヌは、きっと美しくなるよ。今はまだなにも思わないかもしれないけれど、
きっと今に、君は恋に狂う。僕が妖精に殉じたようにね。」
「・・・。」
「一度、遊びではなく、完全に狂ってみたまえ。手の届かないものをそばに置き、
恋する苦しさを味わうんだ。
そうすればきっと、見るべきものが見えてくる。」

肺病特有の、赤みが刺した頬でグスタフは言い募り、すべてを言い終えると
寝入ってしまった。
私は取り残され、死の舞踏会について考えるどころではなくなってしまう。
恋、恋、恋など!

「二人のマダム・ジリー 28章 エリック 1874年 『約束』」

***
追記・3000票を越えました☆「オペラ座の怪人」再上映リクエスト

☆「オペラ座の怪人」投票&アンケートでリクエストを!
東京のシネアミューズさんの「あなたが選ぶ思い出の一本」。
毎日1回ずつ投票できます。
ぜひ、皆さまのお力をお貸しくださいね。
シネアミューズ
サイトのトップ「あなたが選らぶ思い出の一本」→「2005年」(2005年がクリックできないときは、
いったん他の年代をクリックしていただくとできるようになります。)→
「オペラ座の怪人」(左列上から6番目)→「この作品に投票する」

15位→11位→9位→8位→7位→5位→4位→3位と徐々に順位が上がり、
ついに、2位になりました。
皆さまのおかげですね。ありがとうございます☆

さきほど、結果を拝見。最終的に4位になりました。
1ー4位は3000票を越え、ほとんど拮抗する大健闘。
シネアミューズさんもその点、ご考慮いただけるかと思います。
さきほど、すかさずアンケートをお送りしておきました。

ランキング投票のほかに、アンケートでもオペラ座の怪人のリクエストをお送りすることができます。
(トップページの右下の「アンケート」というボタンより。)

うなぎのぼりの票数と応援文。
両サイドからお願いすれば再上映の可能性、高くなるかと思います。
皆さまの常日頃の熱き思いを書き綴り、お送りされてみてはいかがでしょうか?

一ヶ所で決まると連鎖反応で広がってゆくのはwakaba21さんのサイトで実証済みですので、
シネアミューズさんのように何を根拠に再上映されたかが明らかになれば、
他の地域にもこの動きが出ると思います。

「オペラ座の怪人」公開一周年を目指して、日本全国津々浦々まで再上映されるといいなと。
9日の結果が楽しみですね!!

「オペラ座の怪人」再上映の動きをこのまま全国に、あなたの街にまで広げましょう!

さきほど、結果を拝見。最終的に4位になりました。
1ー4位は3000票を越え、ほとんど拮抗する大健闘。
シネアミューズさんもその点、ご考慮いただけるかと思います。
さきほど、すかさずアンケートをお送りしておきました。

***
ムービースター一月号人気投票にて、ジェラルド・バトラー氏が
めでたく一位に御還り咲きでございます。
付録のカレンダ付きクリアーファイルにも、トップの一月に登場。
裏表紙にも真ん中と別枠にて掲載☆
おめでとう、ジェリー!皆さまのお力の結晶ですね☆

「ベーオウルフ アンド グレンデル」、「ゲーム オブ ゼア ライブス」に
関するインタビューも、とても詳しく載せていただき、
イン・ロックさま、感謝いたします☆

最新号のお知らせボタンから、アンケート・フォームに進むと
インロック社さん「Moviestar」誌に投票&希望をお伝えできます☆

☆11月13日生まれ・・・蠍座・水のグループ 
情愛のある人と人との関係を大切にする星座群
来年は新しいことをどんどん見つけて愉しむ年。
御一緒いたしますわ☆

オペラ座の怪人 通常版 ジェラルド・バトラー in THE GAME OF LIVES Dear フランキー 通常版 ジェラルド・バトラー/2006年カレンダー(DI)
【聖なる怪物 ジェラルド・バトラー氏をご堪能あれ】  【再入荷!2006年カレンダー】

☆ムービースター誌さんへのファンメール
今回もジェラルド・バトラー氏の記事に多くのページを割いてくださってありがとうございます。おかげさまで、全国に「オペラ座の怪人」の再上映の動きが広まり、ついにこちらでも半年ぶりに、伏見ミリオン座さんで大晦日オールナイトが挙行されることになりました。これもこれまで熱くバトラー氏に関する記事を掲載してくださった、地元紙ムービースターさんのお力が非常に大きく、バトラー氏にお目にかかれない間、貴誌がどれほど心の支えになっていたか、計り知れません。本当にありがとうございます。2005年にブレイクし、もっとも安定した人気を保っているバトラー氏。彼を招いた作品公開一周年イベントなど主催してくださったらとてもうれしいのですが。今後もどうぞよろしくお願いいたします。






Last updated  March 7, 2006 06:24:52 PM
November 29, 2005
クレアから、いよいよグスタフが危ういと聞き、私はオーステンドについた。
グレートブリテンと大陸がもっとも近づく港町。
放浪を続ける彼の妖精が、いま留まっているという土地に、
海を隔てても臨んでいたいのだろうか。

「グスタフ、ああ、静かに。そのままにしていてくれ。」
「ジェラール・・・、オペラ座の方は・・・、君がパリを離れてもいいのかい。」
すでに死相のあらわれた顔を持ち上げ、グスタフは再び力なく枕についた。
「工事はほとんど終了したよ。あとは内装を仕上げるばかりさ。
もっとも、私が居心地良くいられるように、細工はいろいろ施さなくてはならないがね。」
「本気なんだね、新しいオペラ座に棲むっていうのは・・・。」
「そうだよ。音楽と美の殿堂であり、静かなる隠れ家でもある理想郷だ。
巨大な棺桶みたいなものでもあるな。」
「僕のものも、ぜひ君に作ってもらいたいな。」
「何を?」
「天使のラッパが鳴り響くまで、横たわりて、しばしの静寂を味わう冷たき寝床をさ。」
「・・・心得たよ、グスタフ。では、私が地下に運び込むベッドと対で作ろう。」

半ば骸骨と会話しているような気持ちを抱えて、私は外に出て町をうろついた。
夏は避暑地として観光客で賑わうここも、いまは静かなものだ。
通りに連なる土産物屋には、たくさんの仮面が並んでいて、
そのどれもが、虚ろな面を見せている。
「謝肉祭がはじまるまではね、寂しいもんですよ。ここいらの有名な仮装パーティを見に?
ええ、来週の終わりにね。『死んだ鼠の舞踏会』っていうんですけど。
その格好ならそのまま参加できますよ。」
「アンソール骨董品店」と看板が掲げられた店の女主人が、私の姿をしげしげと見て言った。
死んだ鼠(ラモルト)の舞踏会?そいつはまた趣味のよい。
ゴーストからの、死にかけた男への手向けにふさわしい宴ではないか。

「いっそ骸骨は、売っていないのかな。」
「骸骨?お土産にでも?」
「いや。なければいいんだ。」
「ここにはいま置いていないけど、よかったら海岸においでなさい。
ちょうど、うちのジェームズがいますから。ここをまっすぐいって、そう。
何か描いてると思うから、つかまえて聞いてやってくださいよ。
喜んで見せてくれるでしょう。」

ジェームズとやらは、すぐに見つかった。
14.5歳の少年で、青い仮面を被り、一心不乱に筆を動かしている。
声をかける前に、画帳を覗いてみて驚いた。
船かカモメでもと思ったそこに、夥しいしゃれこうべが並んでいたのだ。
たしかな筆致で描かれたそのどれもが、様ざまな色かたちの仮面を被って、
こちらを見据えている。

「骸骨を見せてくれると、君のお母さんに店できいてきたのだが。
この絵のことだったのかな。」
少年は私の顔をみて何も言わずに立ち上がると、数歩進んで足元の砂を、
慣れた手つきで掘り始めた。
たちまち、ごろごろと人骨が出始め、しゃれこうべも数個、顔を出した。

200年前のスペインとの戦闘で、この町には何万人もの犠牲が出たのだそうだ。
この文明の19世紀になっても、まだそのままにおかれていると。
この少年は店にある仮面と海岸にある骸骨に、日々親しみ、それらを写し取っているらしい。
もっと他にも、描くものはあるのだろうに。
この陽光の下であってさえ、導かれるものには逆らえないのだろう。

私は少年と店に戻り、女主人に骸骨の仮面の注文を出した。
「来週の舞踏会までに、至急頼む。できれば君の息子に、作らせてやってくれるかな。」
少年の顔が輝き、私はデッサンをグスタフの住まいに届けるよう伝えた。
私も生きたる骸骨のようなもの。
どうせなら盛大に、仲間同士でグスタフを送ってやろう。

「ふたりのマダム・ジリー エリック 1874 海岸」27章
***
「オペラ座の怪人」が東海地方で復活☆
12月31日に伏見ミリオン座にて「オペラ座の怪人」のオールナイト上映。
21:30~23:50、2:10~4:30の二回。
「ネバーランド」との二本立てで前売りは1300円、
シネクラブ会員の方は無料だそうです。

東海地方のファンの皆さま、半年間、待った甲斐がございましたね。
きっとたくさんの方がリクエストしてくださったのですね。
真新しい大画面でのファントムはさぞ美しいことでしょう。

オペラ座でのニューイヤーマスカレードを愉しんだ後、
初日の出なんて、素敵ですね。

☆☆☆スターキャットさま、深く感謝いたします☆☆☆
    「12月17日オープン伏見ミリオンHP」

           〔送料無料キャンペーン中〕オペラ座の怪人 【通常版】-DVD-
          【親愛なるファントムさま、
           ご帰還お喜び申し上げます。
           願わくば、一夜を千夜に、
           末永くご滞在のほどを。】

***
スターキャットさまに出したファンメール
伏見ミリオン座オープン、おめでとうございます。
また、おおみそかに「オペラ座の怪人」のオールナイトを企画していただき、
東海地方のファン一同、非常に喜び、感謝しております。
6月の三越さんでの上映以来、名古屋近辺での上映がなく、
他地方で続々と再上映がなされる中、
京都、大阪、神戸まで遠征して観る方々がたくさんいらしたのです。
(スターキャットさんで「Dearフランキーを上映していた頃に会員になった方、
何人かいらしたのではないでしょうか?
上映はされないようですが「The game of their lives」を
こちらで上映していただくことを願って、入った方も多かったようです。)
それだけに、今回の企画は本当にうれしく、
バトラー氏の海外ファンサイトの日本語フォーラムにも
この情報は載せたいという方もいらっしゃいました。
今後も、どうぞ映画ファンの気持ちをくんでいただける場所でいらしてくださいね。
***






Last updated  March 7, 2006 06:15:34 PM
November 13, 2005
建築途中の新オペラ座が、パリ・コミューンに封鎖されてひと月。
シャルルは心労のため、寝込んでしまっています。
建築現場に入り浸りで、たまの閑暇があってもややもすれば、
このアパルトマンよりも実家の父のもとに行ってしまう夫が
落ち着いたのを、かえってほっとする思いで迎えてはいたのでした。

「占拠された建物は、内部はバスティーユさながらの要塞と化し、
日毎夜毎、阿鼻叫喚が繰り広げられてるらしい。」
厳戒態勢のパリの町を、闇に紛れ潜り抜けて訪ねてきてくださったあの方は
どちらかといえば浮き浮きと、シャルルに報告なさいました。

「なんということだ。君と私が心血を注いだ殿堂が、芸術の何もわからぬ暴徒達の根城になるなど。」
「確かに、君の作ったオペラ座は、要塞にふさわしい装備を備えてはいるよ。
楽屋とレッスン室のために仕切られた柱は、即、牢獄になるし、
ロープを蓄えた綱元は、ハンキングにはもってこいだ。
地下には水責めと逃亡にぴったりの水路まであるのだからね。
暴徒たちも、なかなか目が高い。」
「なんだか嬉しそうだな、エリック。」
「シャルル。いにしえのギリシア、エジプトを振り返ってみても、神性なる巨大建築物には
大なり小なり、犠牲が必要とされてきた。
それは人足たちの事故による落命であったり、シャーマンの神託と称した生贄であったり。
私が携わった日本の河川の工事でも、自ら進んで殉死した人々がいたそうだ。
ましてや、花の都に建つ美と芸術の神殿に、いくらかの供物が捧げられてもいたしかたないだろう。」
「芸術の神が、犠牲を求めたというのか。」
「そうとでも考えなければ、君の神性な作品に申し訳がないだろう。
たとえ血塗られてしまったとしても、かの殿堂は処女マリアの如くいささかの穢れもない。
まあとにかく、バスティーユが落ちてからというものここ100年、パリジャンはこういった騒ぎが
お好みらしいが、そう長く続くこともないだろう。
封鎖が解かれたときのことを考えて、建材調達ルートでも押さえておくさ。」

シャルルの部屋をでて、あの方がそっと居間に入っていらっしゃいました。
「ご夫君はお疲れのようだ。グラス一杯のワインで眠ってしまったよ。」
「まあジェラールさん、またシャルルに何か盛ったのでしょう?」
「彼には神経が安息が必要だからね。大丈夫、毒ではないよ。
だが明日の昼まで静かにしているだろう。」
「安息だなんて、あなたがおっしゃることではありませんわね。」
「違いない。だがもちろん、細君である君にも言えたセリフではないだろう?」
こちらへおいでと視線でおっしゃるのに、抗う術は私にはないのでした。

「そういえば、姉はいま、グスタフ先生のところにいますわ。」
あの方の膝の上で、私はふと思い出したことを口にしました。
「クレアを行かせたのは私だよ。彼も寝込んでいるらしくてね。今度は危ないかもしれないな。」
「何か重い病だとか。」
「不治の病さ、私たちが一緒にいた頃からの。
ルイーズお嬢さんは知っているかな?恋患いってやつを。」
「もちろん存じ上げておりますわ。よき導き手がいらっしゃいまして。」
「ぜひ、一度その師匠をご紹介願いたいね・・・。とにかく、どうも彼のメランコリックなところは、
その病でさらに増幅されているらしい。
もともと想像力豊かで、夢とうつつの間を彷徨っているところがあったが。
薬もなしに断崖から海に飛び込もうとするなど、考えられない。」
「まあ、グスタフ先生が。ジェラールさんは足をお運びにならなくても?」
「君こそ、彼に会いにゆくべきだろう?物心ついたときから馴染んでいたのだから。
ああそうか、彼は音楽の師のみならず、恋の道でも・・・。」
「それは、どなたのことをおっしゃっていますの?それに、
グスタフ先生を私に就けたのも、いったいとちらの方でしたかしら?」
「彼には私の大事な赤ん坊に、こんなことまで教えよとはいわなかったのだがね・・・。」

いつまでも戯れを続けるあの方。
私がすでに、暴徒たち以上の火薬を抱えていると告げたら、いったいどんなお顔をなさるかしら?
愉しみだこと。

「ふたりのマダム・ジリー 神供」26章
***
Happy,Happy(300times)Birthday,GB!
誕生日がジェリーと同じなのは、木村拓哉さん、
エドワード3世(百年戦争を起こしたイギリスの王)。
彼は「タイムライン」に出演するべくして生まれたんでしょう。
他にはスティーブンソン(「宝島」・「ジキル博士とハイド氏」の作者)
ウーピー・ゴールドバーグさん、由紀さおりさんなど☆
歌が上手く、スター性があり、かつ孤高の放浪者、というのが
11月13日生まれの方々なのかしら?

ジェリーのファンの皆さま、お誕生日をいかがお過ごしでいらっしゃいますか?
酉年の年男、稲妻にのった竜神のごとくブレイクされたジェリー、
おめでとうございます。

本日の午前中はジェリーも通っていたであろう、カソリック教会のチャリティに、
午後は「ジェリーズウノ」か「スターバックス」で食事とラテを、
夜は「一人ジェリー祭オールナイト三本立て」を粛々と行う予定です☆
カフェインでまた眠れないことでしょうから。

オペラ座の怪人公開&ジェリー初来日一周年にDVD発売。
粋な計らいではございませんか?
DVD発売&ジェリー再々来日イベントは、できればプライベートスタイルを希望いたします☆

***

ファントムの孤独は、外的なものではなく内的世界に構築したもの。
オペラ座にいるのも、孤独でいるのも、自らの選択。
どこにいようとも、たとえ修道院や牢獄にいようとも、魂は自由。
闇にいても魂が飛翔できることは、ファントム自身が
クリスティーヌに教えたこと。

「歪んでいるのはあなたの顔ではなく、魂に巣食っているの。」
醜い顔にこだわるファントムが自らを進んで、孤独の中に縛り付けていることを
見抜いてしまったかつての教え子。
クリスティーヌのセリフは、不幸も心のゆがみもすべて
自分の外見の醜さに依存してしまったファントムを完全に突き放すもの。
言い換えれば、あなたがもし美しかったとしても、
私はあなたに、すべてを捧げることはできないということ。

はじめ父親として惹かれ、それが恋になってゆくもっとも甘美で、倒錯的な思い、
しかも子弟として、妻として、美女が野獣に仕えるという究極の献身に溺れることを潔しとせず、
クリスティーヌが選んだのは、自らを引き裂く選択。
外見が醜くとも、美しくとも、あなたにこの身を捧げることはできない。
ただし、あなたにもっとも必要な私の魂だけは置いてゆく。
それがジェラルド・ファントムの美しさで顕現されたのではないかと。
美しいゆえに、より哀しい恋物語として紅涙を絞るのでしょう。

「Jem211さまの日記」から大きなヒントをいただきました。
いつもありがとうございます。 

***

ジェリーズバトン、よろしかったらどうぞ。

     ☆ジェリーズバトン☆
☆Q1 あなたが最初に観たジェラルド・バトラー氏出演の作品は?

☆Q2 彼のどこに魅了されましたか?

☆Q3 好きな作品、または役を5つまで教えてください。

☆Q4 今後、彼に演じてもらいたい役は?

☆Q5 彼の相手役をするとしたら誰になりたいですか?

☆Q6 あなたの好きな彼のセリフ(本人でも作品の中でも)。

☆Q7 ドラキュリア、サム、アンドレ・マレク、ファントム、ストレンジャー、
    ジェリー本人(またはご覧になった作品の役柄)のうち、
    夫、恋人、先生、親友、兄弟、息子にするとしたら?その理由もどうぞ。

☆Q8 彼があなたの目の前にいます。どうしますか?

☆Q9 「君に日本を案内して欲しいのだけど。」と頼まれたら、何処にご案内しますか?

☆Q10 「君に何か食べ物を作って欲しいのだけど。」と頼まれたら、何を作りますか?

☆Q11 ジェリーを一言で言い表してください。

☆Q12 次にバトンに答えていただく方をどうぞ。


☆心愉しく答えてみます☆

☆Q1 あなたが最初に観たジェラルド・バトラー氏出演の作品は?

「オペラ座の怪人」

☆Q2 彼のどこに魅了されましたか?

初めは声と瞳。今は彼のキャラクターすべて☆

☆Q3 好きな作品、または役を5つまで教えてください。
「オペラ座の怪人」「ドラキュリア」「ワン・モア・キス」「Dearフランキー」「タイムライン」

☆Q4 今後、彼に演じてもらいたい役は?

「ジーザス・クライスト・スーパースター」のジーザスとユダ両方。

☆Q5 彼の相手役をするとしたら誰になりたいですか?

クレア☆

☆Q6 あなたの好きな彼のセリフ(本人でも作品の中でも)。

「Make your choice! 」

☆Q7 ドラキュリア、サム、アンドレ・マレク、ファントム、ストレンジャー、
     ジェリー本人(またはご覧になった作品の役)のうち、
     夫、恋人、先生、親友、兄弟、息子にするとしたら?その理由もどうぞ。


ドラキュリア=先生(何千年も生きて何でも知っていそうだから。)
サム=親友(優しくてどこまでも付き合ってくれるから。)
アンドレ・マレク=夫(これほど愛してくれる人はいません。)
ファントム=恋人(尽きぬ泉。いつまでも新鮮な関係でいられそう。)
ストレンジャー=兄弟(休日には仲良く遊びに行きます。)
ジェリー本人=息子(息子は永遠の恋人☆)

☆Q8 彼があなたの目の前にいます。どうしますか?

話し掛けて、彼が与えてくれたものに対する感謝を延べ続ける。

☆Q9 「君に日本を案内して欲しいのだけど。」と頼まれたら、何処にご案内しますか?

上高地 京都御所

☆Q10 「君に何か食べ物を作って欲しいのだけど。」と頼まれたら、何を作りますか?

ハムチーズサンドと浅煎りコーヒー低脂肪乳入り

☆Q11 ジェリーを一言で言い表してください。

すべてを与えすべてを奪う稀代の役者

☆Q12 次にバトンに答えていただく方をどうぞ。

オペラ座同盟ご一行さま&信者候補の方々(お答えできるように布教に努めませう☆)。






Last updated  March 7, 2006 06:12:09 PM
November 3, 2005
『・・・さあそこで現れたのが三人の魔女。
名をターヴァ、ティパ、アカフと言う。
それぞれ、風と火と水を操り、猫とゴーストを友とする。
聖者マリフィックが用意した、とこしえの若さに導くドラゴラの根を
差し出すと、魔女たちは奇声をあげて喜んだ。』

古い物語に、二人は息を飲んで聴き入っている。
私が祖母から、そして祖母はまたその母から伝えてもらったという伝説。
それはまた、話す者によって微妙に脚色が加えられ、枝葉をのばし、虹彩と陰影を加えてゆく。
この海岸のさざ波は、目の前の子どもたちの、そして私の想像力をかき立ててくれる。

『・・・聖者が目指すものは、ただひとつ。まことの愛。
王女ハーニスに捧げるために、彼は巨人とも悪霊とも戦う勇気を持っている。』

「僕も、クリスティーヌを守りたいな。」
少女のかたわらで、育ちのよい顔をやや引き締めて少年が言う。
「ラウル、いい子だ。だけど、君はどうやって彼女を守るつもりかな?」
「マリフィックが王女を守ったみたいに・・・。」
「さあどうだろう。彼女はどちらかというと王女というよりも妖精だ。
美しい声で歌い、舟人を惑わせる。本人はだた愉しく歌っているだけなのにね。」

「お父さま、その妖精のお話を聞かせて。」
「いいとも、クリスティーヌ、よくお聞き。」

『一艘の、黒い小さな舟が水面に浮かんでいた。その上に座っているのは白い妖精。
妖精は自分がどこから流れてきたのか知らず、その先を知ろうともせず、
ただ霧の中を漂っていた。小さな声で、愉しげに歌いながら。

ふと気がつくと、舟の端に櫂を捧げもってたたずんでいる影がある。
霧の中ゆえ姿はよく見えないが、黒い衣を纏った背の高い男のようだ。
「お前の歌を聴きに来た。どうか歌っておくれ。」

突然の男の出現とその頼みに妖精は驚いたが、もとより歌が好きなもののこと。
妙なる声で歌い始めた。
「素晴らしい。だが、もっと美しく歌うこともできるだろう。」
男の言葉に、妖精はさらに伸びやかに声を響かせた。
「これは見事。だが、もっともっと麗しく歌うこともできるだろう。」
男の言葉に、妖精は力の限りの声を張り上げた。
「なんと目覚しい。だが、もっともっとより一層艶麗に歌うこともできるだろう。」

妖精は男の尽きぬ期待に応え続けた。
やがて霧は晴れ、妖精は自分が今どこにいるかを悟った。
男の姿は消え、ただ櫂ばかりが残っていた。』

「お父さま、そろそろ歌のレッスンの時間だわ。」
「そうだね。ラウル、遊ぶのはまた明日に。」
「わかりました。じゃあさよなら、僕の妖精。」
「さよなら、ラウル。」

僕の妖精か。
この動乱のさなか、彷徨い続ける美しきかの女性、私のローレライは
いまいったい何処にいるのだろう。

「ふたりのマダム・ジリー 妖精」 25章

***
心にさらなる切り穴を穿つ衝撃のコピーともども 深呼吸なさってどうぞ
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オペラ座の怪人 通常版
「いったい いくつ空けたら お気がすむの?」
「戻ろうとする限り 全世界引き回しも追加♪」

追記 素直に「ラスベガス71」を「300」とセットで購入しました。
   ジェリー、今度から契約書はきちんと読んでもらってくださいまし。
   地道にコツコツ投票、応援いたしますゆえ。

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☆ファントム・ジプシーも板につき、京都、滋賀へと続けて参上。
よき作品を劇場で、しかも何度も観るという習慣も
ジョエル&バトラー氏より賜りましたが、
おそらく同様の方が全国に発生し、最近のシネコンの活性化にも
貢献しているのではないかと。

ご一緒していたwakaba21さんとお話していた中で、面白かったのが
ジェラルド・バトラーという人の役者度。
その名を持つ役の、作品に出ている最中だけを演じるのではなく、
人物の織り込んでいる人生すべてを観ているものに喚起させる
イマジネーションの豊かさ。
彼の作品にタイトルロールが多いのも、さもありなんと思います。

遠方へ足を運ぶと、数々のお楽しみも。
前回は清明神社へ、今回は一般公開の御所へ。
「源氏物語」の舞台にもなったいつもは公開されていない「藤壷」も拝見。
百万遍知恩院での古書展にも立ち寄り、
三島・乱歩・シェイクスピアなどの絶版と思われる本も安価に入手。
どの著者も「仮面」「怪人」に縁の深い方々。
居並ぶ無数のタイトルの中にもこの二つのキーワードについ反応してしまう
「ファントム検索悩」になっていることを改めて発見。
またそれも愉しいのです。
仮面の告白 CONFESSIONI DI UNA MASCHERA 仮面の恐怖王 『ロミオとジュリエット』恋におちる演劇術
【仮面にまつわる物語】

ご一緒いただく方と愉しき時間を過ごすことができ、
思いもかけなかった場所へも行くことができ、
自分の中の情熱に気づき、広げ深める日々。
ジェラルド・ファントムの与え給もうた素晴らしき宝の数々に感謝している次第です。 






Last updated  March 7, 2006 06:11:04 PM
October 27, 2005
その年も暮れようとする頃、私はバイエルンにほど近い山荘に向かっていた。
メグも大きくなってきて、子守りがいれば母親がいなくても何日かは
過ごせるようになっているが、なるべく早く戻らねばならない。
グスタフの、そしてあの方からのたっての頼みでなければ、
心残りをパリにおいての道行きなど、とてもできなかったかったと思う。

新しいオペラ座の建築の合間を縫って、あの方は再び私のもとを訪れてくださるようになっていた。
ルイーズの結婚やメグの誕生は、私が知らせるより先に父から伝えられていて
およそ二年ぶりの対面も、表向きは淡々としたもの。
メグを初めてご覧になったときも「君に良く似ているようだね。」と静かにおっしゃるだけだった。

シャルルとルイーズのもとへ行くのと同じ程度に、あの方は我が家にもいらっしゃる。
男性二人が連れ立ってきて、父と話をしてゆくこともしばしば。
オペラ座の建築は難工事で、礎石を積む前に地下水を掘り当ててしまったのを皮切りに、
次から次へと問題が起っているようだった。
あの方がいなければ、シャルルはこの工事に携わることを放棄してしまったかもしれない。

グスタフからあの方への連絡は、ちょうど2日前に届いた。
エリザベートさまの容態が思わしくなく、とにかく火急に来て欲しいとのこと。
ご自身で向かわれたいのはやまやまだったのだけれど、とにかく今はパリから、
というよりはシャルルのもとから離れることはできない。
地下水はまだどんどん染み出ている状態で、護岸工事をされたこともあるあの方の技術は、
どうしても必要なのだ。

「君が行ってくれるのなら、心強い。」
「私でお役に立てるのでしょうか。」
「一番重大な局面は、すんでしまっているらしい。君にはこの調合薬を届け、
あずかりものを受け取ってきて欲しいのだ。
誰にでも任せるられることではない。極秘中の極秘のことだから。」
あの方の言葉に抗う術など、あろうはずがない。
道中の供にする女性をひとりつけられ、私は馬車で出発した。

エリザベートさまは、確かに衰弱しておられるように拝察した。
婚家の王宮でお暮らしになることを好まれず、王妃となられてからも、
気ままに諸国を旅しておられると聞いていたけれど。
あの方からの薬を世話係に預けたあと、私はグスタフから事情を聞く。
彼はずっと、エリザベートさまのおそば去らずの楽人として過ごしていたらしい。

ご容態が思わしくないのはつまり、産後の肥立ちが良くなくていらっしゃるのだということ。
ご実家か婚家から医師をお呼びになれないのは、要するにどなたにもお知らせしがたい、
予期せぬご出産だったということ。
あの方が私の母の容態を持ち直させたという話を思い出し、
早急にそのときに使った薬の処方と、ある依頼をしたということ。

「その依頼というのは・・・」
「わかりましたわ。そのお子さまを、しばらくお預かりするということですのね。」
供まで、しかもなぜ女性がつけられたのかが、ようやくわかる。
グスタフはエリザベートさまの容態が持ち直したら、北欧に戻って住居を整え、
状況が整い次第、お子さまを迎えにあがると続けた。
放浪を続けていた彼が、子どもを育てるために落ち着くと言うのだ、
エリザベートさまのために。
「相手も非常に高貴なお方だから・・・。」
「心してお世話いたしますわ。お子様のお名前は、なんとおっしゃいますの?」

キリストの祝福を受けたお姫さま。
彼女が天使の角笛までも携えてきたなんて。
生い立った後に、彼女がオペラ座を揺るがす事件のヒロインになるとは
そのとき、誰が予想しただろう。

「ふたりのマダム・ジリー 降臨」 24章

***
 “The Game of Their Lives”の原作
「ワールドカップ伝説 奇跡を起こした11人」を遅まきながら注文、
しばし、ジェリー日照りをしのぐことにしました。

奇跡を起こした11人
「奇蹟を起こした11人」

日本での早期公開、どうぞよろしくお願いいたします、関係者さま☆

☆連日、テロや鳥インフルエンザの情報が並ぶ“SCOTSMAN.COM NEWS”。
それでも今月に入ってボンド情報が二回も届きました。
We expect you to dye, Mr Bond ...
SCOTSMAN.COM NEWS 15 Oct 2005


Bond is back, bad and playing it by the book
SCOTSMAN.COM NEWS 17 Oct 2005


「Dear フランキー」以来のジェリー情報もぜひ☆

「ヴェニスの商人」がアル・パチーノ主演で公開とのこと。
シャイロックもファントムに繋がる人と見ておりましたので、
今年はやはり、ファントム・イヤーなのかしらと。
「パンとワインと愛」 「ドラキュリア」

「ヴェニスの商人」HP

彼の面影をもとめ、こちらにも足を運びますわ。

傍らにいらしたら、彷徨うこともないものを・第21章
「ふたりのマダム・ジリー 誕生」

ジェラルド・バトラー/2006年カレンダー(DI)
【売り切れ御礼!!!
 !!!再入荷待ち】 

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Last updated  March 7, 2006 06:09:58 PM
October 9, 2005
彼に再会したのは1861年、ちょうどシャルルがオペラ座の設計コンペに優勝した年でした。
「あまりぶしつけな手紙をよこしたから、かえって会う気になったんだ。」
なんでも、莫大な資金提供をするかわりに、たぐいまれな才能を持つ自分の趣向を生かせるよう
現場に出入させて欲しい、つまり請負業者になりたいという人物がいるらしいとのこと。

シャルルはオペラ座建設を任されたことで、下層階級からようやく中流にのし上がれると踏んで意気軒昂。
ずっと年下で15になるのを待ってようやく結婚できた私との生活をより向上させたいという
気負いもあるところへの彼の申し出は、少し気短かな夫にとって
プライドと欲望とを激しく闘わせるものだったのかもしれません。
「今晩、このアパルトマンにやってくるから。」
サンジェルマン通りにようやくかまえた我が家の第一番目の客人はどんな人かしら、
家を整えること、妻としての役割を果すことに夢中だった私の方は、そんな軽い気持ちだったんです。

やってきた客人は、黒いマントを身にまとい、シルクハットに顔半分を覆う白い仮面といういでたち。
物腰はあくまで上品で、玄関に出迎えた私に恭しく一礼して、夫への案内を乞いました。
その声を聞いて、私はようやく思い出したんです。
客人が、かつての師匠だということに。
すぐに気がつけなかったなんて、私はお馬鹿さんだったんでしょう!
あっと驚き高ぶる気持ちをようやく抑えて、彼のシルクハットを受け取り、
半ば夢み心地で夫の書斎に客人をつれてゆきました。

二人が挨拶を交わし改めて妻として紹介され、差し出された手を握りしめたあとは、
全身がかすかに震えるのを止めることができず、飲み物の用意をしながら
カップひとつ大きな音をたてて落してしまい、夫が心配してやってくるほどでした。

「・・・あなたには、快適な暮らしをしていただこうと考えているんですよ。
若い奥さまとの家庭のために、素晴らしい住み処を作ってみたいというご希望もあるでしょう?」
狭いアパルトマンの小さな書斎で話す二人の会話は、すべて耳に入ってきます。
彼の声の、あいかわらず美しいこと。
中下層の出身とはいえ、彼のおかげで音楽の手ほどきを受けることのできた私は、
いままで聴いたどの歌手や師のそれよりも芸術的な抑揚を、彼の発する響きに、
改めて確認したんです。

うっとりとその声に聴き惚れながら、交渉がうまくいって欲しいと願いました。
あの声を、どこか懐かしいあの声をずっと聴けるものなら。
夫ははじめ、彼の言葉に懐疑的でしたけれど、あることに気づいて心の垣根を取り払うことになったようです。
「彼は、エリックだ。8歳でこの設計図を描きあげた天才がいると、美術学校で老教授から聞かされたとき、
どんなにショックで、そして感動したか。
彼に出会えるなんて、彼が設計コンペに応募しなかったなんて、私はなんと幸運なんだろう。
お前も本当に幸せものだよ。」
客人と和やかに別れたあと、夫は感に堪えないように私に告げたのです。
本当にそのとおりね、シャルル。
これからは足繁く訪ねてくださることを願い、玄関にたたずんでいるとドアが再びコツコツと鳴りました。

「これをお渡しするのを忘れていました。奥さまに。」
黒い皮手袋に包まれた大きな手で、おずおずと差し出されるタータンチェック柄のチョコレートの箱。
初めてお会いしたときと同じ。
まだ、私を子ども扱いしていらっしゃるのかしら、それとも・・・。
「ジェラールさん、あの・・・。」
言葉を続けようとすると、静かに、というように、彼は人指し指を口もとへもってゆきました。
あいかわらず、なんという瞳の色。
仮面に隠された吸い込まれるようなその力に、かつても幻惑されたことが蘇ります。
いまは、何も話すなということなのですね、いいわ、今後はいつでもお会いできるのですもの。

ガス灯に浮かぶマントと仮面が、今度こそパリの街闇に消えてきました。

「ふたりのマダム・ジリー 再会」 23章

☆パリコミューン1871
☆シャルル・ガルニエ(チャールズ・ガルニエ) Charles GARNIER 1825-1898
1825年 パリの貧家に誕生。
     Ecole Gratuite de Dessinの夜間クラスにて1840年まで学ぶ。
1842年  Ecole des Beaux Artsに入学、ローマ大賞(the Grand Prix de Rome)受賞。
ローマ社会の壮観(pageantry of Roman society)をローマ・アカデミーで5年間学ぶ。
1852年 ギリシアとトルコを訪れ、建築に関する研究が完成。

パリに戻り、5番目と6番目の郡の建築を含むいつくかの市のポストに就くかたわら、
個人の依頼も請負う。
1861年 パリの新オペラ座のコンペを勝ち取る。

ナポレオン三世の意を汲んだデザインは、豪奢な色使いと装飾に富んだもの。
ローマで学んだ壮観さを、オペラの上演のために効果的に生かせるような、
論理的かつ臨機応変な舞台を作り上げ、新オペラ座は“ナポレオン三世スタイル”
として、世人に認知された。

***
「いつどこに舞い降りるか 古今誰にもわからぬ翼 味わい尽くしてこその」  20章
「二人のマダム・ジリー 恋」

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Last updated  March 7, 2006 06:08:12 PM
October 4, 2005
あの方への連絡をここ半年ほど、私はあえて取ろうとしていなかった。
貴族やお金持ちたちへの、趣味の良い邸宅の建築をいくつか手がけられて
気が紛れていらっしゃるということもある。
何か心を奪われるものさえあれば、あの方が阿片やモルヒネに耽溺することもないのだもの。

いいえ本当は、命を授かったことを、どうしてもあの方にお伝えできなかった。
私があの方以外の対象に、気持ちを少しでも分けることを許していただけるだろうかという危惧と、
一方で、今度こそあの方の心を完全に捉えるかもしれない天使の候補に会えるという期待。
どちらにしても、身ふたつになって心を落ち着けてからお話申し上げようと思っていたのが
大事な情報をお伝えする機会を逃すことになってしまったのだ。

あの方は、おそらくご存知ないだろう。
巷の情報はほとんど気にかけない方で、私やエリザベートさま、グスタフからの手紙が
世間への窓なのだから。
ジュールもベルギーであの方のそばにいて、わざわざパリの新聞を取り寄せているとは思えず、
この情報をお伝えしているとは考えにくい。
何より、一次審査、二次審査と絞られ、新聞に載せられる候補者の中に
あの方らしき名前はなかった。

「お前があのとき嘆いていたのは、コンペのことをエリックに知らせてやれなかったからだろう?」
マーガレットが生まれて三月になり、そろそろオペラ座に戻る準備を始めていたころ、
父が尋ねた。
「ええ」
私は努めて、淡々と応える。

「確かにエリックなら、シャルルよりもいい作品が描けたかもしれない。
彼のデッサンや構成力、そして創造力はそれは素晴らしいものだった。」
「あのときは、取り乱してしまって申し訳ございません。」
「いや。エリックの才能に惚れ込んでいるお前だ。ああなるのも道理だし、
恩のある私がそのことを考えつかなかったことこそ、すまなかったと思う。
・・・ところで、エリックはいまどこにいるんだね?」
「はっきりとは存じませんの。大きなお仕事のご契約をいくつかされて
居場所を転々としていらっしゃるようで。」
「そうか。マーガレットのことは知らせなくていいのかい?」
「あの方には関係ありませんもの。」
どうしても語気が強くなってしまいそうになるのを、懸命に抑えた。

「なぜそう頑なになるんだね。ルイーズの結婚のことも伝えた方がいいのだろう?
お前のことも当然・・・。」
「お忙しい方ですもの。今度、パリにいらしたときでかまわないと存じますわ。」
私の声の調子に、父はいぶかしさを募らせたようだった。
「クレア。前にも尋ねたが、もう一度聞くよ。マーガレットの父親は、本当にあの子爵なんだね?」
「ええ、お父さま。」
「・・・。」
「ごめん遊ばせ、メグが泣いているようですので、失礼させていただきますわ。」

部屋のドアを閉め、メグのしっとりと重たい体を抱きしめる。
私が幼いころと同じ赤い巻き髪、きっと濃い金褐色になるに違いない。
茶色の瞳も、私とよく似ている。
何もかも、少なくとも外見は全て、私に似てしまうといい。
あなたは、お母さまだけの娘。

ただね、メグ。
恋の仕方は、同じではない方がいいかもしれないわ。
でも、これは矛盾ね。
あなたがあの方の心にかなう才能を持っていることも、望んでいるのだから。

ああ、いまこそあの方にお会いしたい。
お目にかかって、あの瞳と声に身をゆだねたい。
何年も時がたったような気がするのは、おこがましくも私の方から距離を置いてしまった報い。
あとどのくらい、この灼熱感に堪えなければならないのだろう。

「ふたりのマダム・ジリー~娘~」 22章

***
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何故かブラット・ピットの写真&トレインスポッティングのポストカードのおまけ付きで、
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新月の有効期限内ですので、皆さま、ぜひ。

***【ジェラルド・バトラー氏】***
映画・「オペラ座の怪人」・ファントム役で日本でもブレイク。
タイトルロールを難なくこなす才能と、先回の来日時には500人ものファンと
握手をしたという気さくさ、というギャップに魅せられている方々は数知れず。
共演者やスタッフと同じくらい、ファンを大切にしてくれる得がたき役者さん。
出演ごとにまったく違った顔を見せてくれるため、いまだに普通に町を歩けるのだそう。

10月17日より、カナダ・モントリオールにてフランク・ミラーの
アメリカン・コミック「300」原作による映画撮影開始。
役どころは「テルモピュライの戦い」で壮絶に散ったスパルタ王・レオニダス。

主な役柄
フランス料理店長(ワンモアキス)→吸血鬼(ドラキュリア)→
東からの征服者(アッティラ)→殺し屋(トゥームレイダー2)→
考古学者(タイムライン)→雇われお父さん(Dearフランキー)→
ゴールキーパー(The game of their lives)→怪人(オペラ座の怪人)→
勇者(ベーオウルフ)→スパルタ王レオニダス(300)など。

ワン・モア・キス タイムライン(期間限定) ◆20%OFF! オペラ座の怪人 通常版 ◆20%OFF! Dearフランキー 炎の門 ジェラルド・バトラー/2006年カレンダー(DI)
                                 2006年カレンダ-






Last updated  March 7, 2006 06:07:17 PM
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