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Dr.半熟卵のつぶやき~女性医療の現場で働く産婦人科医の日記~

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March 3, 2005
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カテゴリ:その他の健康関連

今日の言霊:
 今日やるべき事を、心をこめてちゃんとやる。
 簡単なようで難しいね。
 でも、全ての基本は「ここ」にあるよ。


 小学校の朝礼の時間や、通勤の電車の中などで「クラッ」っときた事のある女性は多いんじゃないかしら。俗に言う「立ちくらみ」も、女性に多い訴えの1つなんですね。どんな「クラッ」も全て、「貧血になった」とおっしゃる方がほとんどなんですが、実は立ちくらみの正体は大きく分けて3つあります。
 
 1つは、正真正銘、血液中の血色素=ヘモグロビンが足りなくて、血が薄い状態になっている「貧血」です。貧血の原因も、これまたたくさん分類があるのですが、一般の女性に多いのはもちろん「鉄欠乏性貧血」ですね。もともと女性は男性より血が薄い状態になりやすいんですが、月経によって毎月血を失う事でますます鉄不足になってしまいがちです。特に、子宮筋腫や子宮腺筋症があって毎回月経時に大出血してしまう人や、月経不順で月に2回も月経がきてしまったり度々不正出血が続いている人などは、必ずといっていいほど貧血になってしまっています。
 ほんのちょこっと血が薄いだけならさほど問題ではないのですが、慢性的な貧血は心臓に余分な負担をかけてしまいますし、ひどくなると不整脈を起こす事もあります。貧血があると体の隅々まで酸素を届けるのが難しくなってきますから、常にだるくてボ~ッとした状態になってしまうんですね。
 貧血の治療は、足りない鉄分を補うのが基本です。食事で何とかなるレベルなら、赤身のお肉・お魚や色の濃い野菜をしっかり摂ったり、「ヘム鉄」を含むサプリメントやグミを利用するといいですよ。食事では追いつかないくらいの重度の貧血の場合、鉄剤を飲んだり注射したりします。ただ、月経血が多い方の場合、そのままの状態だといくら鉄剤で補っても、ザルに水をためようとしているようなものなので、出血量のコントロールも同時にしていく必要があります。

 急に立ち上がったときやお風呂上りなどに「クラッ」とくるのは、起立性低血圧と言っていわゆる「脳貧血」の状態です。血液は薄くないんですが、一時的に血圧がすとんと下がってしまうために、一瞬脳が酸素不足の状態になるんですね。これは、自律神経による血圧のコントロールがうまくいかないことによって起きてきます。
 普通、急激に立ち上がると重力の影響で血圧は下がろうとするんですが、自律神経がその情報を瞬時にキャッチして、血管をキュッと締めて血圧を保つようにコントロールてくれます。ところが、起立性低血圧の人は、自律神経の反応が遅くて血管が拡がったままの状態になっているので、血圧が一瞬すとんと落ちてしまうんですね。起立性低血圧かどうかの診断はとっても簡単にできます。病院で横になった状態・座った状態・立ち上がってすぐ・立ち上がってしばらくしてから、の血圧をそれぞれ測ってどのくらい変動するかを見るんです。
 起立性低血圧の治療は、自律神経訓練法や漢方薬・低血圧改善薬などによって行います。ストレスや睡眠不足も自律神経の働きを鈍くさせてしまいますから、自分なりのリラックス方を見つけることも大切です。また、入浴の時に以前ご紹介した冷温シャワーをしてみるのもいいですよ。自律神経訓練法についてはこちらをご参照ください。漢方薬でよく使うのは「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」というもの。東洋医学で言う「水毒」の症状を改善してくれるので、めまい感や吐き気などの症状も一緒によくなることが多いですね。それから、心臓のポンプ機能を鍛えるという意味でも、適度な運動の習慣をつけるといいですね。週2~3回、30分以上の軽めの運動、というのが「適度」の目安です。

 朝礼や電車の中で「クラッ」とくるのは、「迷走神経反射」による一時的な血圧の低下によるもの。つまり軽いショック状態ってことですね。たいてい手足がとっても冷たくなって、顔面は蒼白で、冷や汗も一緒にかいてます。迷走神経反射が起きる原因も、これまたた~くさんあるんですが、強い緊張やストレスも原因の一つなんですね。病院でよく経験するのが、採血した後にクラッときて気分が悪くなるというパターン。これは、採血というストレスに過剰に反応して迷走神経反射が起こり、血圧がスト~ンと下がっちゃった状態なんですよ。血圧が下がると、脳に酸素が行き渡らなくなるので目の前が暗くなったり吐き気をもよおしたりするんです。
 迷走神経というのは自律神経の1つなんですね。だからこれを改善するのも、やっぱり自律神経を鍛えるしかありません。ストレスをうまく回避する方法を、自分で見つけていくのが一番の早道です。いつでもどこでも手軽にできるのは、「深呼吸」ですね。ただすーはーする深呼吸ではなくて、頭のてっぺんから空気が入って背骨を通ってお腹にたまり、お腹の中の空気が今度は口へ上がってきて悪いものと一緒に抜けていく、というイメージでふか~くする呼吸です。他にも、リラックスしやすい香のアロマオイルをハンカチにしみこませて携帯する、という方法もお勧めです。
 自律神経の訓練と言うのは、実は、病院できちんと治療として受ける事も可能なんですよ。自分の脈や呼吸の深さや血圧などをモニターで見ながら、今の自分が「緊張状態」なのか「リラックス状態」なのかを目で確認し、自分でリラックス状態を作る練習をするんです。リラックスした状態だと、体は温かく、脈はゆっくりで、呼吸は深くなります。その状態を、自分で意識して作り出せるようにするんですね。何かとストレスの多い現代社会ですから、ストレスをできるだけ減らす事も大切ですが、それ以上にストレスに負けない心を体を作っていく必要があると思います。

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Last updated  March 3, 2005 10:37:46 PM
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