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2015.06.26
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カテゴリ:北朝鮮
先日、2泊3日で、新潟県の佐渡島に行った。ここには、ジェンキンス氏がいる。 2015-6-27記

日本人拉致被害者の曽我ひとみさんの夫である。

75歳になった彼は今、佐渡歴史伝説館の中の売店で、地元の「せんべい」の販売員として働いている。
バスから次々と降りてくる観光客を出向かえる彼は、そこでは、有名人。
その店で製造された、おみやげ用のせんべいの売り込みで、観光客の求めに応じて、「せんべい」を胸の前にかざして、一緒に記念写真に収まる。それが、彼の仕事だ。広告塔としての彼の「宣伝力」は、抜群だ。

しかし僕がみたところ、彼の顔の表情から、彼がそれを喜んでいるようには、見えなかった。そして、彼には、もう帰るところは、無いようだ。
ぼくも、一緒に並んで、写真を撮ってもらったが、ぼく自身、複雑な気持ちになった。

彼は、25歳の時に、軍から脱走して、38度線を越えて、北朝鮮に入った。入ってすぐに、後悔したそうだが、もう後戻りはできなかった。
曽我さんと日本に来るまでの39年間、彼は、北朝鮮では、身体的拘束と拷問を受けながら、主として英語教師、時には、北のプロパガンダ映画出演と利用された。  
そんな数奇な運命が、彼の顔のシワの一つ一つに刻まれているように思われた。
----------------------------------------------------------------------------------------
ウィキペディアでは・・・・朝鮮半島軍事境界線に駐屯していた時、軍曹に昇進して下士官の地位にあったジェンキンスは、当時発生していたベトナム戦争に派遣されるという噂を聞いていた。
彼は凄惨な死傷者を出していた同戦争に派遣されるという重圧からアルコール依存症に陥っていた。        1965年1月4日、周囲の証言では夜間の警備に付く際、既に多量のアルコールを摂取していたとしている。
翌日の早朝、ジェンキンスは部隊に 「騒音のする場所を見つけた、偵察に向かう」と告げて偵察に向かい、そのまま戻らなかった。
後にジェンキンスは偵察任務中に北朝鮮軍に投降して身柄を確保されていることが明らかとなった。
ジェンキンス本人は当時について軍務に不満を感じており、また「ソヴィエト経由の捕虜交換など、早期に帰国することは難しくないと考えていた」と投降した理由について述べている。                                             
北朝鮮では捕虜ではなく実質的に政治亡命者として扱われ、政治的プロパガンダにおいて西側の腐敗を強調する為に喧伝された。強制的に拘束された可能性を主張する声もあったが、軍[誰?]はジェンキンスが軍[誰?]に不満を抱いていたことなどを理由に「自主的な亡命である」と結論した。                           -------------------------------------------------------------------------------------  2004年、第3国経由で、娘2人と来日したが、彼は、(39年前から脱走兵)であったので、「脱走」という「罪」を償わなければならなかった。 それで、関係者の穏便な計らいを得て、合衆国軍に出頭し、軍法会議を経て軍を退役した。                                                   曽我ひとみさんは、地元の自治体で特別に採用され勤務していたが、彼は、今の仕事に就くことができた。                             
彼を見ていて、「運命」というものを考えてしまう。阪神・東日本大震災の被災者たちと違って、彼には、選択肢があったと思う。

彼は、第1に、15歳で軍隊に志願して、 第2に、25歳で、軍を脱走した。 少なくても2度の大きな節目があった。北朝鮮で「拘束!された39年間」は、おそらく、選択肢は、無かったと思われ、それは、そのまま「後悔の39年間」だったと思われる。

いきなり拉致された曽我ひとみさんには、選択肢が、無かった。拉致は、犯罪であり、「北」による国家的犯罪だ。 国家には、一人の人間の人生を左右する権利などが、あるハズも無いのに・・・・だ。

これまで、このような悲劇が、この地球上に無数にあったし、今も起こり続けていることに、ある種の絶望感を抱かざるを得ない。人間とは、いったい何者なのか?  という阿呆なことを、よく考える。    (はんぺん)





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最終更新日  2015.06.28 10:58:23
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