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爆発や暴落…火器を用いない内戦状態へ突入した中国に世界が巻き込まれる日 2015年9月2日 まぐまぐニュース
中国は内戦状態に突入した―。こう見るのはメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さん。天津で起きた爆発事故も通貨の暴落も、すべてその一端として引き起こされたものであり、近いうちに東アジア全般に火の手が上がるとも分析しています。 新旧の「中国式システム」同士による内戦 今年の6月、汚職裁判で起訴されていた周永康に終身刑が言い渡されました。これがなによりも特異なことは、中国共産党には「政治局常務委員は罪に問われない」という不文律がありましたので、習近平はこれを破ったことにあります。ここから中国の大揺れが、本格的にはじまりました。 いままで罪に問われなかったのでやりたい放題だった政府高官は、このままでは我が身も危ないと察し、習近平に暗殺を試み、事故に見せかけたテロを次々と企てました。その一部は表面化し、また世界的な金融市場にも波及することになりました。いま、反習近平一派は米国の一部ヘッジファンドと組んで徹底的な売りを仕掛け、それが発端となり世界経済が大きく揺れ動いています。 その反習近平一派の中心的人物は、曽慶紅です。曽は江沢民の懐刀で、上海閥の石油利権を一手に握る人物であり、習近平の次の汚職取り締まりのターゲットだと言われています。今回の徹底的な汚職追及により、すでに15万人を超える中国共産党員を腐敗で検挙しただけでなく、経済犯として海外に逃亡した人物数百人を追いかけて逮捕しています。この間わずか1年強。この速度こそが本気の表れだと思います。 習近平は「ハエもトラも退治する」と公言しており、いままで免罪符を持っていたも同然な高官を次々と捕まえています。先月7月30日には、江沢民一派で軍トップである郭伯雄を収賄で党籍剥奪処分しました。郭伯雄は中国国内の映画配給など多くの利権を持ち、また、蛇頭と呼ばれる反社会組織の裏ボスとしても知られる人物です。 このような争いは、習近平一派と江沢民一派の内戦にも見えますが、実際は「古い中国式システム」と「あたらしい中国式システム」の内戦だと僕は考えています。なぜなら習近平一派のなかからも、それなりの数の汚職逮捕者が出ているからで、これは以前もお話ししたように、いまの中国は巨大なシンガポールを目指し、その第一段階のように見えるのです。 この中国の大きな方向転換は、日本にとっては武力より脅威なことで、いま日本が囚われている「古い日本式システム」をあたらしい中国は猛スピードで凌駕し、結果本当にフェアに開かれた先進的大国が、すぐに隣に出現することになってしまいます。そのためには、まず腐敗を徹底的に正す必要がいまの中国にはあるのです。 特に現代の国家ブランディングにおいて、ソフトパワーの要となるコンテンツ産業は最重要事項なのは言うまでもなく、「古い中国式システム」そのもので反社会組織ともつながりがある中国芸能界に、今回は徹底的にメスを入れています。その中国芸能界トップに君臨するのが曽慶紅の弟、曽慶淮です。曽慶淮は返還後の香港を拠点にした中国芸能界の大ボスで、すでに配下の製作会社は摘発を受け、事実上廃業状態にあります。また、昵懇であった中央テレビのプロデューサーにも逮捕が及んでおり、中国芸能界、マスメディア界のアンフェアで不透明な体制が一気に変わろうとしています。 最近、表面化し国際的な報道にある出火不明の爆発や火事、そして通貨の暴落まで引き起こしている背景は、「古い中国式システム」を堅持したい江沢民一派が中心であることはまちがいなく、その江沢民には1兆円を超える潤沢な資産と警察組織と蛇頭(反社会組織)を配下に抱えていますので、今後中国全土で様々な騒ぎが起きると思いますし、もしかしたら、東アジア全般に火の手が上がる可能性もあります。 僕は、先月突如として李国強首相が、日本の国家安全保障局の谷内正太郎局長と会ったのは、もうじき具体的ななにかが起きることを暗示していると考えています。それは半島有事か、中国軍部の暴走か、経済的問題なのか定かではありませんが、大事であることは確かです。そうじゃなければ、首相が一局長と会うようなことは、メンツを重んじる中国では絶対にありません。 このような動向は、大きくなる内戦の予兆なのか、習近平の独裁政治体制に向かうのか、それとも開かれた国家としての中国の第一歩となるのか、まだわかりません。 現在、中国は火器を用いない内戦状態にあることは確かです。それによって大きな影響を受ける世界は、もう「新時代」に突入したことも確かなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.10.28 11:12:23
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