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南沙問題で日本非難を繰り返す 「とやかく言う権限なし」=中国政府 2015-11-18 サーチナ
安倍首相や菅官房長官、岸田外相らが国内外で、南沙諸島(スプラトリー諸島)の問題についての言及を続けていることに対し、中国はいらだちを強めている。中国政府・外交部の記者会見でも、日本非難を繰り返している。 中国は17日、南沙諸島の赤瓜礁(ジョンソン南礁)の埋め立て作業が6月30日に完了したことを明らかにした。外交部・劉振民報道官は、軍事施設増強のためではなく、“島”における生活条件を改善するためと主張。 さらに、「中国政府は隣国が不法に占拠している島や岩礁を奪回する権利も能力も持っている」とした上で、「南シナ海の平和と安定を維持するために、中国は極大の抑制を維持している」と述べた。 中国の埋め立てでは、米国が6月末にイージス駆逐艦「ラッセン」を派遣して赤瓜礁から12海里(約22.2キロメートル)内を航行させた。中国の領海設定は認めないとの意思表示で、中国は米国を非難した。しかし、16日には米イージス駆逐艦の「ステザム」が予定通り親善訪問のために上海に入港するなどで、中国の米国非難は止んだ。 中国は現在、日本非難を繰り返している。安倍首相や菅官房長官、岸田外相らが、国内やAPECなどの場で、南沙問題についての言及を繰り返していることに対する反発だ。 外交部の洪磊報道官は13日の定例記者会見で、「日本は歴史上、1度は南沙諸島を占拠し、戦後は中国が回収することになった。1970年代に中日(日中)国交が正常化した際、日本はポツダム宣言の関連条項を順守することを了承した。日本に南沙諸島の主権問題でとやかく言う権限がない」と述べた。 17日の定例記者会見では、中国が日本政府の言動に不満を持っているとして「日本は南シナ海問題の当事国ではない。言動を慎むべきなのに、最近になって絶えず南シナ海問題を煽っている」、「日本側の言動の不一致は、現在の中日関係改善の流れと、地域の安定と発展に害をもたらす」となどと、日本を改めて非難した。 ********** ◆解説◆ 洪報道官は南沙諸島と日本の「歴史問題」に言及したが、同問題に触れると実は中国の領有権主張に不利になりかねない。 例えば日本の漁船は1907年ごろから南沙諸島最大の太平島付近で操業。29年には硫黄採掘のために日本人が入植。その後、ベトナムを植民地支配していたフランスが軍を派遣するなどで、同島は日本とフランスの「取り合い」になった。 日本は1939年に同島を占領し、台湾の高雄市に編入。1945年の日本の敗戦にともない、日本は同島を中華民国に引き渡した。 つまり、日本が第二次世界大戦前に植民地支配していた台湾を足掛かりに、南シナ海にも進出したとの理解が自然だ。中国が1945年以前に、同島を実効支配していた事実は見当たらないことになる。 (編集担当:如月隼人) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.11.18 16:57:26
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