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文革否定「正しい結論」、 人民日報論評、習指導部を擁護 北京=林望 2016-5-18 朝日新聞
中国共産党機関紙の人民日報は17日、文化大革命の発動50年に際した論評を掲載した。 文革を否定した1981年の党の決議を「正しい結論」とし、文革が「理論と実践の上で完全な過ちだった」と強調。 歴史を巡る党や国内の対立を戒め、習近平(シーチンピン)国家主席の下での団結を訴えた。
論評は人民日報の4面に掲載され、習指導部の文革に対する姿勢と評価を初めて鮮明に打ち出した。
共産党は81年の決議で、文革を「党と国家、人民に深刻な災難をもたらした内乱」と総括した。論評はこの決議が「揺るぎない権威を備えている」とし、「文革が理論と実践の上で完全な誤りだったことは、歴史が十分に証明している」と断じた。
一方で、「文革の間違った理論と実践は、その間の歴史そのものと区別される」べきだとし、文革の否定を共産党の否定に結びつけるのは「間違った観点だ」と強調。党と全国の人々が習氏の下で「一致団結」するよう訴えた。
66年に文革が始まって50年の節目に、習指導部は記念のイベントや関連の報道を厳しく制限。 文革で多くの犠牲者を出した共産党の責任を問おうとする改革派の声も、貧富の格差の少なかった毛沢東と文革の時代を引き合いにして、改革開放路線を批判する保守派の声も、封じ込めようとしている。 この日の論評は「文革を巡る左派(保守派)や右派(改革派)の妨害を断固防がなければならない」と訴えた。
大連など地方では一部の庶民が監視をくぐり抜け、毛の肖像を掲げる動きが出ている。
習指導部は文革否定の立場を鮮明にして社会の動揺を抑え込みつつ、「文革と党の歴史に一線を引き、党の権威を守るための理論構築」(北京の政治学者)も図っている模様だ。(北京=林望) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.06.05 02:49:40
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