♪ 極上のB級グルメサッチモの声に重ねてツクツクボーシ
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いい歌はシンプルに出来ている。
歌詞が分かり易いし、メロディーも覚えやすい。それを歌唱力のある人が歌うと、じんわりと心に沁み込んでくる。
サッチモは声も良くないし見てくれも良いとは言えないが、その歌声は一度聞いたら耳に焼き付いてしまう。その嗄れ声は、噛むほどに味が出るクサヤの干物か、或いは焼いたスルメのような味と言えばいいか。
サラ・ブライトマンの美しい歌声もいいが、やっぱりサッチモのダシの利いたB級グルメの様な歌に惹かれる。彼は本当に歌が上手かった。
少女時代のビリー・ホリデイにとっても、その歌声は心のよりどころだった様だ。スキャットという手法を広めたことで知られる。
様々な歌手がカバーしているが、サッチモの歌には敵わない。
ジャズの天才トランペッターでもあり、ウィントン・マルサリスは「色々なトランペット奏者の良い所を盗もうとしたけど、アームストロングだけは盗めなかった。とにかく凄すぎるからさ」と賞賛したとか。
What a Wonderful World(この素晴らしき世界)
(作詞・作曲: George David Weiss - G. Douglass)
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I see trees of green,red roses too,
I see them bloom,for me and you.
And I think to myself, what a wonderful world.
みどりの 木々が見える 赤いバラの花たちも
それらが 咲き誇っている あなたと わたしのために
そして わたしは思う なんて素晴らしい世界なんだ、と
I see skies of blue,and clouds of white.
The bright blessed day,the dark sacred night.
And I think to myself, what a wonderful world.
青い空が見える そして 白い雲たちも
明るい 幸福な昼も 暗い 神聖な夜も
そして わたしは思う なんて素晴らしい世界なんだ、と
The colors of the rainbow so pretty in the sky,
Also the faces of people going by.
I see friends shaking hands, say how do you do?
They're really saying, I love you.
虹の色がとてもきれいに 空に架かって
通り過ぎる 人々の顔も同様に
友だちが 握手しているのが見える
「ごきげんいかが?」と言ってる
彼らは本当に そう言っているんだ「あなたが好きだ」と
I hear babies crying, I watch them grow.
They'll learn much more than I'll ever know.
And I think to myself, what a wonderful world.
Yes, I think to myself, what a wonderful world.
赤ん坊の泣く声を聞きながら、彼らの 成長を見守っている
彼らは もっと多くのことを学ぶだろう
わたしが知っているよりもずっと多くのことを
そして わたしは思う なんて素晴らしい世界なんだ、と
そう、わたしは思うんだ なんて素晴らしい世界なんだろう、と
作詞作曲のボブは、ベトナム戦争を嘆き、平和な世界を夢見て、この曲を書いたという。
アメリカ合衆国では中ヒット止まりだったが、全英チャートで1位となり、1968年には、同名のアルバムもリリースされた。
その後、1987年に「グッド・モーニング・ベトナム」という映画で、戦時中のベトナムの牧歌的田園風景を映す印象的なシークエンスにBGMとして起用され、全米32位というリバイバル・ヒットとなった。
2003年のマイケル・ムーア監督「ボウリング・フォー・コロンバイン」のドキュメンタリー映画では、ラモーンズのヴォーカル、ジョーイ・ラモーンによるカヴァー・ヴァージョンで使われた。どちらも、争い合う人間の愚かさを描いたもの。
サッチモは言う。
「美しい音楽といえばネ、一度ニューオリンズの葬式を見てほしいもんだ。ジャズ葬式で演奏するオンワード・ブラスバンド…。まるでオペラの歌手が心をこめて歌うように、悲しさや美しさを、心から音にこめるのさ。いろいろな評論家がね、私のミュージックのスタイルは何スタイルか、なんて議論をしているけれど、私はいつも、ニューオリンズのスタイルをやっているのさ。トランペットを吹くとき、歌を歌うとき、目をつぶるとニューオリンズの風景や、私の師匠のジョー・キング・オリバーのラッパのフレーズが浮かんでくる……。私は、それをやっているだけなんだ」
歌には人格が現れる。彼は、強靭な精神力で黒人であることの障害を乗り越え、謙虚にそして真摯に庶民の音楽家であることを願った。そしてそれをやり通した。
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集2012年12月発行
●「手軽で簡単絞り染め」
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