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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2014年08月13日
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カテゴリ:ジャズ





秋吉敏子が絶賛しているというキャッチコピーにつられて購入したピアニストCarolina Calvache(キャロライン・カルバーチェ)のアルバムを聴く。
ワシントンのケネディ・センター主催の16th Mary Lou Williams Women in Jazz Festival(2011)に出演して注目され、以来ニューヨークで順調にキャリアを重ねているようだ。
因みに上原ひろみは第8回に出演している。
最初聴いたときは叙情的だが白磁の陶器を思わせるような清潔さ(それも過度の)を感じたのだが、何回か聴いているうちにその頑なさはあまり感じなくなった。
彼女はコロンビア出身のピアニストで、耽美的で、クールなピアノだが、その中に熱いものが感じられる。
ジョバンニ・ミラバッシ系統のピアニストだと思う。
勿論ラテンの哀愁を感じさせる曲もある。
なにしろ「コロンビアをはじめとした南米のトラディショナルやフォルクローレを、コンテンポラリージャズと融合する唯一無二の存在」らしい。
一番気に入ったのは「Melodia Triste」。
コロンビアの作曲家Leon Cardona(1927-)の作品でかの国ではトラディショナルとして広く知られているようだ。
情熱を内に秘めたクールな佇まいにしびれる。
タイトル・チュ-ンの「El Sotareno」もコロンビアのトラディショナルでSotarenoはコロンビアの南西部、カウカ州の小さな町の地名で、彼女の父親の生まれ故郷。
コロンビア/ カウカ スプレモという良質のコーヒーの産地として由名だそうだ。
因みに私もナリーニョという産地のコロンビアのコーヒーを愛飲している。
女性的で繊細な味わいが気に入っている。
この曲のみアントニオ・サンチェスが参加している。
クールでスケールの大きい演奏になっているのは彼の参加によるところが大きい。
このアルバムではこの2曲以外の7曲が彼女の作品。
作曲の才能はかなりなもので、どの曲も高水準で極度に洗練されている。
全体的に軽めの作品が多く、抒情味が勝ちすぎるきらいはあるが、哀愁もあり全体に控えめな風情が何とも好ましい。
ラテンのお気楽な気質のはずなので、こういう作品を書く人もいるとはちょっとした驚きだというか、固定観念ありすぎ?!
リリカルなプレイではあるが、弱弱しさは感じられない。
ただ、もう少しダイナミックな演奏も聴きたいところだが、現在の彼女の目指している方向ではないのかも知れない。
叙情的な作品ではトリオで演奏された「Stella」がいい。
また、ホーンが入ることによって硬質な作品に柔らかさや厚みが出て、このアルバムの構成はうまくいったと思う。
トランペットのマイケル・ロドリゲス(1979-)はマンハッタン・ジャズ・オーケストラなど著名ビッグバンドやコンボで活躍している方でラテンも得意としているらしいので、このアルバムにはうってつけの人材だ。
控えめなプレイもカルバーチェの作品にマッチしている。
アルトのジャリール・ショウ(1978-)は売れっ子ミュージシャンとして活躍中で、3枚のリーダーアルバムをリリースしている。
気がつかなかったが、先日レビューしたー山中千尋のアルバムのサックスも彼でした。。。。
「Monday」はミステリアスな雰囲気がしていて、アルバムの中では異色の作品。
しつこく繰り返されるイントロのリズム・フィギュアが印象的だ。
ジャリール・ショウのアグレッシブなアルトソロがいい。
マイケル・ロドリゲスがフィーチャーされた「Too Soon」はゆったりした曲。
作編曲の師であるボブ・ブルックマイヤーへのオマージュだそうだ。
夜のしじまに溶けていくようなトランペットのサウンドが何とも心地よい。
キューバ生まれのアフォンソ(1978-)の引き出しの多いプレイが演奏を引き立てている。
「Melancolia」はタイトル通りちょっと憂鬱な気分が描かれていて、ソプラノ・サックスのサウンドがマッチしている。
「Te Agradezco」はベースのHans Glawischnigとのデュオ。
女性らしい繊細で優しいメロディーが心地よい。
ハンス・グロウィシュニクは1970年オーストリアのグラーツ生まれで高校を卒業して以来アメリカに渡っている。
彼のベースは重量感のあるものではないが、音の輪郭がはっきりしていてフットワークが軽い。
今回のアルバムにはアントニオ・サンチェスが参加しているトラック(El Sotaren)があり、そのことからも彼女が評価されていることが分かる。
公式サイトでは彼女のバイオやライブのリンクなどがあり、彼女の情報を知りたい向きにはとても役立ちそうだ。

公式サイト

ライブ 左のサイドメニューの+VIDEOから入れる。

この中の2つめが、今回のアルバムのプロモーションヴィデオで「El Sotareno」などの収録風景が収められている。

これを見るとアルバムのジャケ写とはいい意味で違って、顔が細く別人のようだ。
ただ、眼鏡をかけていてどこかのインテリのおばさん然としている。
映像を見ると、抒情一辺倒ではなく、かなりダイナミックなプレイもしている。
特に最初のレギュラー・カルテットの演奏は熱い。

El Sotareno:Carolina Calvache(SUNNYSIDE SSA 1376)

1.El Sotareno (5:20)
2.Stella (7:29)
3.Lluvia (5:18)
4.Melodia Triste (5:42)
5.Monday (6:49)
6.Too Soon (6:38)
7.Dream Maker (3:46)
8.Melancolia (5:52)
9.Te Agradezco (3:50)
10.El Sotareno (solo) (1:15)

Carolina Calvache (p)
Antonio Sanchez (ds 1)
Michael Rodriguez (tp 3,6)
Jaleel Shaw (sax 1,4,8)
Hans Glawischnig (b except 10)
Ludwig Afonso (ds except track 1,9,10)

Recorded at Acoustic Recording,Brooklyn,NY


 







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Last updated  2014年08月13日 23時05分57秒
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