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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2016年04月26日
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カテゴリ:映画



bcd861c2638f636b5ff29dfb33a058ee-768x493.jpg アカデミー賞の作品賞を受賞した「スポットライト」を日曜日に見に行った。
公開から1週間たったせいか、入りは半分ぐらい。
社会派の映画なので、それほど興味を惹くとも思っていなかったが、意外に不人気なのにびっくり。
映画を見ていたら、これはなぜなぜ分
析の映画だと思った。
なぜなぜ分析とは製造業でよく行われる問題解決の手法だ。
ある不具合が発生した時に、その現象を止めるだけではなく、根本的な原因に手を打って再発を防ぐという手法だ。
前者を封じ込め、後者を根本対策という。
真因を見つけてから、なぜを繰り返して、根本原因にたどり着くという手法だ。
欠点はこの手法、まだ確立した手法ではないことだ。
こうすればいいという決定的なやり方が確立していないのだ。
また真因を見つける手法ではないので、真因と思っている原因が真因でないときは悲惨だ。
真因を見つけるまでは固有技術が必要なので、そこが難しくしている原因の一つでもある。
そのため私の勤務先でも、数年前から取り組んでいるのだが、未だに日夜?苦しんでいる。
ただ、上手くいったときは素晴らしい効果を発揮する。
文字通り元から原因を絶つことが出来るからだ。
なので、この映画を見ていて弁護士や警察にはこの手法を習得して、社会に役立ててほしいと思ってしまった。
舞台は9.11の発生する少し前のボストン。
地元のボストン・グローブでは新任の局長の命を受けて、ネタを探していた。
そこで以前取り上げたことのある神父の幼児の虐待を掘り下げることになったところから物語は始まる。
そこから、この種の虐待を多数のカトリック司祭が行っていることを発見する。
私がなぜなぜ分析の映画だと思ったのは、取材チーム内でスクープを早く発表すべきだという主張と、システムの問題だというデスクのロビーの意見の対立の場面からだ。
結局はロビーの意見が通り、協会というシステムに切り込むことによって、虐待が全世界規模で行われていることが暴かれた。
映画では、その過程で協会の問題点が浮き彫りになる。
問題を起こした神父を秘密裏に移動させるなんて日常茶飯事だ。
神父の精神年齢の低さや教育の問題もさりげなく語られている。
そもそも神父は独身でなければならないということが最大の問題だ。
何しろ何百年も続いている伝統なので、本気でやろうと思ったらシステムを一から見直さなければならないのだから簡単ではない。

キャストは個性派ぞろいだが、どこかで見たことがあると思ったのがロビンソン役のマイケル・キートン。
帰ってきてから思い出した、
あのパンツ一丁のバードマン役の役者なことを。
髭がなかったので思い出すのに時間がかかったのだ。
監督もバードマンの監督だったことも思い出した。
われながら鈍い。
それから新しく赴任してきた局長マーティ・バロン役のリーブ・シュレイバーの重厚な演技も印象的だった。
個人的にはあまり好きではないレイチェル・マクアダムスも好演していた。
エンドロールで、世界で犯罪を犯していた教会がすべて明らかにされている。
JPという文字を探したが、見つけられなかったが、なんとも無残な状況だった。
ボストンの枢機卿が何故か本部の教会に移動になったことがさりげなく触れられている。
これはいったい何を物語っているのだろうか。
アメリカなどでは一度でも児童への性的虐待が発覚した聖職者は再任することができなくなった。
そのため、彼らはメディアなどの監視が行き届かない南米などで何食わぬ顔で聖職に就き、同様の事件を起こしている。(wiki)
結局大量の犯罪者を暴いたところで、対策が手ぬるいため、生き残っている神父が大勢いるという現実。
体制が腐っているので自助努力で良くなるとは考えられない。
教会も組織という点で普通の会社となんら変わらない。
エンドロールは、何も変わっていないことを言いたかったのだろうか。
この問題は現在もくすぶり続けていて、現在の教皇フランシスコも「教会が断固たる対応をとる」と語ったようだが、他の不祥事と同じで、内部の人間が調査しても期待される結果が出てこないのは当然だろう。
この映画を見ていて客観報道という言葉を思いだした。
日本のジャーナリズムでは久しく聞くことがなくなった言葉だ。
最近のメディアの劣化はひどい状態だ。
メディア業界に生きる人たちは、この映画をぜひ見て頂きたい。
この映画の結末は苦いものになったが、彼らの仕事ぶりに感じるある種の清々しさが唯一の救いだ。

公式サイト











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Last updated  2016年04月30日 22時10分23秒
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