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カテゴリ:クラシック音楽
以前紹介いたONTOMO MUKKUレコード・アカデミー賞で紹介されていたティボー・ガルシア(1994-)のバリオス作品集を聴く。 ガルシアはフランスの天才ギタリストだそうだ。 筆者はカウンター・テナーのジャルスキーとのデュオを前にダウンロードしていたことをすっかり忘れていて、お初だったと思ってしまった。 殆ど聴いていないので、記憶にないのも当たり前かもしれない。 演奏はノイズが少なく、潤いのあるサウンドが心地よい。 音楽も無理のない表現と歌心で、バリオスの作品が楽しめる。 天才肌のミュージシャンは表現が時としてエキセントリックになりがちだが、この方は落ち着いていて,そのような雰囲気は毛ほども感じさせない。 また、ショパン、ベートーヴェン、シューマンのピアノ曲の編曲が含まれている。 原曲が矮小化されていることもなく、ルバートや弱音の使い方なども絶妙な表現だ。 筆者の好きな「ワルツ第3番」のくすぐるような絶妙なルバートや弱音の使い方など、この曲の魅力が十全に表されている。 「蜜蜂」のような速く技巧的な曲でもテクニックの制約を感じさせない音楽の流れだ。 「大聖堂」はエラートへの2枚目のアルバム『バッハ・インスピレーションズ』に収録されていたトラック。 筆者はこのアルバムは聞いていないので、今回収録されたのは有難い。 最後にバリオス自身の演奏で「カアサパ」が収録されている。 スクラッチのイズも聞かれ、さすがに古いと感じるが、ガルシアの洗練された演奏とは一味違う、土いきれの感じられる演奏はまた格別だ。 ということで、バリオスのギター曲の魅力満載のアルバムで、ブランデーでも飲みながら心静かに楽しみたい。 エル・ボエミオ~ギター作品集 ティボー・ガルシア(Erato 5419772617)24bit 96kHzFlac バリオス: 1. 森に夢みる 2. サンバの調べ 3. マズルカ・アパッショナート ショパン: 4. 24の前奏曲 Op.28~第20番(バリオス編) バリオス: 5. 神様のお慈悲に免じてお恵みを 6. マシーシ 7. パラグアイ舞曲 第1番 8. ヴィダリータ(オルランド・ロハスによる詩「エル・ボエミオ」の朗読付き) ベートーヴェン: 9. ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』~第1楽章:Adagio sostenuto(バリオス編、イ短調) バリオス: 10. 蜜蜂 11. フリア・フロリダ 12. クリスマスの歌 13. ワルツ Op.8-3 14. ワルツ Op.8-4 15. 告白(ロマンサ) 16. 悲しみのショーロ 17. オルランド・ロハスによる詩「信仰告白」(朗読のみ) バリオス: 18. 前奏曲 ハ短調 シューマン: 19. トロイメライ Op.15-7(バリオス編) (ボーナス・トラック) バリオス: 20. 大聖堂 21. カアサパ(アグスティン・バリオス自身による演奏) ティボー・ガルシア(ギター:1-16,18-20) オルランド・ロハス(朗読:8,17) アグスティン・バリオス(ギター:21) 録音: 2023年2月11-13日 フランス、ルーアン、Chapelle Corneille(1-19)/ステレオ(デジタル) 2018年3月23-26日 フランス、アラス、Salle des concerts de Arras(20)/ステレオ(デジタル) 1928年5月10日 ブエノスアイレス、Estudios Odeon(21)/モノラル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年03月30日 17時08分02秒
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